妖怪大戦争#1
こんにちは!
株式会社REGATEの金城です。
不動産業界って定年も無いし、体力が絶対に必要でも無いせいでいくつになっても仕事ができちゃうんですよね。。。
そうなるといろんなところに老が・・・妖怪のような人がたくさん生息する事になります。
基本的に一つの市町村に一人くらいはその地域の自称ドンみたいに鎮座している老gai・・・妖怪が居るものです。
私も40を迎えたのでいつまでも若くないし、そんな妖怪の世界に一歩踏み入れたという自覚はあります。
ただ、やっぱり老害・・・妖怪は妖怪としてなかなかの香ばしい存在として我々には到底理解できないような事も簡単に言いだすし、何よりもメンドクサイ・・・w
まだまだ彼らのようになるには修行が足りないという事を思い知らされる毎日です。
前置きが長くなりました。本日お届けするお話はそんなとある妖怪と戯れた何気ない日常のお話です。
ではど〜ぞ〜
◆売却依頼
トゥルルルー・トゥルルルー・トゥルルルー・・・
「はい!株式会社REGATEの金城です!」
「あの~。田中と言います。売却したい不動産があるんですけど、、、」
おお♪いいね♪売却依頼歓迎♪
「はい!田中様ありがとうございます!物件の地番や住所などをお知らせいただけますでしょうか?すぐに調査して査定をさせていただきます!」
「ありがとうございます。。。ちょっと待ってくださいね。『できるって言うからまず物件の所在教えろって』『ゴニョゴニョ・・・』」
ん??なんか後ろで誰かと喋っている?
「あ、物件の詳細はFAXで送ってもいいですか?」
ん??FAX?まあいいけど・・・
「はい!大丈夫です!番号は●●●-▽▽▽です!」
「じゃあ送りますのでよろしくお願いします」
今時FAXで資料か。謄本でも送ってくれるのかな?
ピ~~~ヒョロロ~~~・・・・
ピーーー♪
お、届いた届いた。
ん?
ナニコレ?
手書きのマイソク?
帯の会社は田中商事?
免許番号(11)???
大先輩じゃんw
え??この田中商事でやったけど売れないから販売お願いってこと?
売れない物件の専任変え?
なんかテンション下がる~~~www
あれ?いや、電話の人、田中さんって言っていたな。
てことは田中商事は電話の当人で、自社の物件の媒介を依頼したってことか?でも電話の感じはそこまで年寄りじゃないし、(11)ってことは後ろでゴニョゴニョしてた人が創業者か??
ややこしwww
てか最初に同業なら同業って名乗れよw
は~~~上がったテンション返してほしい。。。
◆向こうからくる案件は
一応電話すっか。
トゥルルルー・トゥルルルー・トゥルルルー・・・
「はい。田中です」
「田中さん?金城です。今資料を拝見したんですけど、これは田中商事さんで売り出していた物件という認識でよろしいですか?」
「あ、そうです。」
「お電話口の田中さんは田中商事さんの方です?」
「そうです」
「この物件は田中商事さんの仲介物件ということですか?売主ではなくて?」
「はい。ダメですか?」
「いえ、ダメとかではなく、今回の依頼は弊社に客付けをして欲しいという媒介の依頼という認識でいいんですか?」
「ええ。。。『ゴニョゴニョ・・・』一般の別れでお願いしたいと思います」
ただでさえ売れていない物件の一般の依頼www
てか別れでって一般ならオーナー直で両手やりたいんですけどw
あと後ろの誰か、お前が電話に出れば早くない?
「はい。ではうちにお客様がいたらご紹介しますね。」
「『もう大丈夫?いい?』『ゴニョゴニョ』・・・お願いします」
ガチャ。ツーー・ツーー・・・
ふぅ。
まず同業なら最初に同業と名乗れ。
あと、一般物件の客付け依頼なら最初にそう言え。
へんな期待させやがって、、、
しかもこの値付けでこの物件は厳しいっしょ。。。エリアの相場よりかなり高いし・・・
一般っていうから他社も出しているかチェックしたけど、ネットを見てみても田中商事の汚い広告以外に出している業者はいない。。。
一般なのに誰も見向きもしない物件なのか・・・
でもまぁ、放置案件だなw
向こうからくる案件はクソっていう格言もあるしなwww
◆値下げ
しばらくしてこの田中商事の案件なんてすっかりと頭から抜け落ちていた頃。
トゥルルーー・トゥルルーー・トゥルルーー・・・
「はい!株式会社REGATEの金城です!」
「あ〜〇〇市の田中ですが、あれから反響はどうですか?」
・・・・?たなか?
あ!アレかwww
「ごめんなさい。うちの力不足(何もしてなかったけどww)で全然鳴らないですね・・・価格が高すぎるのかもしれませんね」
「はぁ。それならそうと報告をくれてもいいのに。。。」
は?え?
報告?何を?専任でもないし、一般物件に?それも同業に??
「『高いってよ。だから反響無いって』『ゴニョゴニョ・・・』・・・わかりました。では1000万円下げるのでお願いします」
いや、いきなり1000万下げるの?そもそも売主はあんたじゃないでしょ?www後ろの人の判断??
「あ〜了解しました〜。客付けがんばりますね〜」
ガチャ・・・。
なんなんだw
でも相変わらず田中商事以外の広告は無いし、こんな画像も何もないヤツに問い合わせる人いないでしょw
あ、でも1000万下がるならもしかしたらあのお客さんにハマるかも・・・
まぁダメ元で提案してみっか。
「あ〜木村さん?前に言っていたあのエリアでこの物件があるんだけど、、、そうそう。その田中商事ってとこが出しているヤツ。そう、画像も何もないそれw
これ1000万下がるんだけど、検討できます?」
「お〜金城さん、1000も下がるなら金額はいい感じだね〜。でも本当に1000万下がるの?あと、これ現地ってどうなってる?マップも無いしw」
しまった。。。俺も現地見てないやw
マイソクの住所でストリートビュー見ただけだったw
当たり前だけど自社の調査も入れていないw
「木村さんが金額的に問題ないなら現地一緒にみてみます?気になるとこあればこっちで調査入れますからw」
「あ〜なるほどね。いいよ。明日なら時間取れるから地図をラインでもらえる?」
「了解です!明日見れるように手配しときますね!では現地で!」
◆現地案内
トゥルルーー・トゥルルーー・・・
「はい。田中です」
「田中さん!例の物件ですが1000万下げるなら興味があるというお客様がいらっしゃいます!明日現地の案内をしたいんですが鍵はどちらにありますか?」
頼む!現地キーボックスであれ!
「あ〜、現地にキーボックス設置してます」
よしゃ!これで木村さんと自由に内見でき・・・
「あ〜ちょっと待ってください。。。『明日見たいって』『ゴニョゴニョ』・・・」
また後ろで誰かと喋ってる。。
「せっかくなので立ち会います。うちの社長も同席しますので」
・・・は?
いや〜。せっかくだから気心の知れている木村さんと自由に見て好き勝手評価したいのに、あんたら居たら言いたいことも言えないじゃんw
「社長も?ありがとうございますw物件の資料とかも御社が用意しているものがあれば嬉しいんですけど。調査の詳細とか」
「はい。用意しますね。では明日よろしくお願いいたします」
ガチャ。。。
相手の社長も立ち会いかよ。老舗のおっちゃん相手だとやりにくそうだな〜。。。
ま、鍵を田中商事に取りに行くよりはマシかw
だって田中商事の場所は現地の真逆でウチから移動するとしたら倍以上の時間かかってしまうし。
ま、あっちは元付けだし資料も持ってくるっていうからある程度の調査もできているっしょ。売り側の仲介なら質問事項もタイムリーに答えてくれるだろうし。
こっちで事前に何も用意しないでいいから楽っちゃ楽だ。
まぁ、無茶な物件で木村さんがもし買えば棚ぼたのラッキーだし♪結果オーライだな。
◆妖怪登場
当日。
15分前には現地で木村さんと落ち合った。
約束の時間になっても田中商事の人影は無い。
はぁ、、、案内の時間遅れるなら遅れるって言えよな・・・これだから地場二桁は嫌なんだよ・・・
とりあえず外観や周辺を目視調査しながら木村さんと話して時間を潰すか。
外観は特に問題無さそう。
窓から見える室内もまあまあ悪くないかな・・・
あれ?物件から配管が出ている裏の道路は私道っぽいな。
おっと?古い擁壁と境界ポイントがズレてるけど・・・地積図あるかな?
ありゃ?水道メーターがない。。。どこから水道引っ張ってる?他人地経由?
見れば見るほど要調査事項が出てくるw
10分くらいして真っ黒のセルシオが停まった。
「田中です」
遅れた事を一言も詫びない。さすが地場二桁・・・
電話口で話していた田中と名刺交換をする。
役職は「部長」。
年は50くらいかな?
後ろから80歳くらいのヨボヨボのおじいちゃんが出てくる。
これが社長か。。。
見た感じはスーツを来た子泣き爺。。。
体はヨボヨボだが頭ははっきりしているっぽい。
声が大きくて昔ながらの不動産屋っていう匂いがぷんぷんする・・・
うん。好きでは無い。
軽く世間話をしたら息子と親父の二人でやっている不動産屋らしい。
二人でやっているのに息子さん部長てw
息子もいい歳だからせめて役員にしてあげたらいいのにw
ていうか二人でやってて役職いる??
◆部長よ・・・
「いや〜まだまだこいつに代表は早すぎるからね〜。だから私がずっと現場を見てるわけよ」
なにかにつけて息子さんを卑下する社長。
その度に引き攣る息子の作り笑顔。
俺だったら絶対にこんな親父と一緒に会社なんてやらない。
というかこんな親父の下で働くなんて嫌で仕方ないwww
まさに絵に描いたような老害。。。
「私が若い頃はね〜・・・」
「私がこのあたり一帯を取り仕切っていて〜・・・」
「隣地も全部私の声が届く地主でね〜・・・」
「こいつは全然ダメでね〜」
「本当に私の息子かと疑うことばかりだよ〜」
誰も聞いていないのに過去の栄光を語り出す老害社長。。。
どんどん引き攣る息子部長・・・
社長の話を遮って話題を変えよう。
息子がいたたまれないw
「田中さん。さっき外周を見ていて気になった点があるんですけど、裏の通りって私道ですよね?なんか排水管がこっちから向こうに出ているけどこれは今後の使用許可と通行掘削の許可とかもらってます?擁壁の境界ポイントもズレている感じですし、地積図か併合図ってとってますか?、、、あと水道メーターってどこにあるんです??」
「ちょっとまってください。」
部長は汗だくになりながらゴソゴソと資料を取り出す。
取り出した資料はFAXで送られてきた簡単な概要だけ。
水道図面も地積図も無い。
こいつ調査してないな・・・。
「あ〜・・・ちょっと後日調べますね」
うぉい!!!
元付けさんよ!!!
俺がパッと見てすぐに気がついたんですけど?
あんたら物件預かる時に調査しないで怖くない??
大丈夫???
老害社長が口を開く
「あ〜ごめんね〜。こいつはこんな抜けたところが多いからいつまでもダメなんだよ〜がっはっは!ところで私が現役の頃はね〜・・・」
いや、あんたも代表なら同罪だろ!ww
ちくしょう!また社長の現役の頃の武勇伝が再開されてしまったw
しばらく相槌を打ってたら木村さんがふいに質問をする。
「ちなみにこの物件って1000万円も下げてオーナーさんは大丈夫なんですか?だいぶ安くなる気がするんですけど・・・」
「がっはっは!大丈夫大丈夫!これのオーナーは私の若い頃からの知り合いで全て私に任せるって言ってくれているから。私が言えば大丈夫な人だから。そうそう、オーナーさんとの出会いはね〜40年前の・・・」
また昔話に火がついたしww
あと、今の言い方だけどオーナーさんの了承マジでとってる?不安でしかたないw
しばらく社長の武勇伝を聞いた後にとりあえずその日は解散。
今日は調査も何もできていない物件を見て、老害の武勇伝を聞かされて息子の辱めを見せつけられただけだった。。。
長くなってしまったので続きは次回。
次回予告
・部長はどこまでポンコツか?
・妖怪はどこまで妖怪か?
・ミスターポポ、初めての嘘
乞うご期待!
では〜
沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!