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私の愛すべきアイドル

今地球に住むほとんどの人が「推し」と生きていると言ったら過言ですが、推しが及ぼす人生の影響力ってハンパないですよね‼️
私が幼い頃から当たり前にアイドルという存在が身近にありました。

そんなオタクの気持ちの悪いエッセイが
私のスマホのメモから見つかったので皆さんに共有します。

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 たくさんの色と星、ビーズやスパンコールを詰め込んだような艶やかな世界が私の心を奪った。
揃ったダンス、表情、衣装。
たくさんのメンバーがいる中、カメラに抜かれるほんの数秒の間に自分の色を出そうとする「かわいいお姉さん」に心がときめいた。

 アイドルという存在を知ったのは6歳の頃だった。誰が好きか、誰がかわいいか、そんな会話を友達と交わし、耳に残ったフレーズを一緒に口ずさんだりした。 

小学生になると、同性のアイドルはもちろん異性のアイドルにも憧れるようになった。
アルバムを買うお金などなく、ライブ参戦なんて夢のまた夢。
パソコンでミュージックビデオを見てるだけでもそれぞれのグループの色や世界観を感じられて幸せだった。


心と体が成長していくたびに、周りと比べては落ち込み、少しでもマシになるよう足掻いてみたりした中学生時代。
気づけば私と同い年のアイドルが活躍している姿を見かけるようになった。
同級生なのにこんなにも違うのかと、凡人と芸能人の差に落ち込みながらも、同級生というだけで誇らしくも思えた。

私を悩ませた魔の高校時代、思春期の影響か少しふっくらした体や顔周りが憎かった。
口を開けば痩せなきゃと、暇さえあればSNSを見てダイエット法を探した。
同世代のアイドルを応援したい、私と同い年の子がこんなに頑張ってるんだから私も頑張らないと、と励まされながらも、心の裏では妬み嫉みで溢れていた。純粋な気持ちで応援していた小さい頃の私は腐ってしまったことに、悲しくなり、少しアイドルという存在が憎く思えた。荒れない肌、綺麗な足、艶のある髪、肌の白さや綺麗な歯、煌びやかな衣装すべてが凡人である自分が情けなく思えてたまらなかった。

歳を重ねていくにつれアイドルを純粋に応援できなくなってしまう自分が嫌で嫌でたまらない。
アルバムが出るたび、ライブの公演日程が公開される度、グッズが発売される度、誰と競い合っているわけでもないのに、「買わなきゃ、行かなきゃ」という使命感に駆られる。
アイドルという職業が綺麗なものばかりではない。大人になれば、見たくない部分も見えてしまうのが嫌だった。
人間は、100人中100人に好かれるわけではない。中でも妬み嫉みが過激なアンチとして
アイドルの心を蝕むこともあるだろう。
私もそうなりかけた1人であるから。

でも、心が疲れた時、涙を流すほど悔しく苦しく感じる日々に、彩をくれるのは、頑張る力くれるのは、紛れもなくアイドル。
歌って踊っている姿を見るだけで、胸が熱くなるのはアイドルという存在だけ。

私のことを知って欲しいとも、私の気持ちに答えて欲しいとも思わない。
ただ、笑っているだけで、生きているだけで力をくれるそんな存在。嫌いになれるわけがない。いくつになっても私を新鮮な気持ちに、キラキラとした気持ちにさせてくれるアイドル。
私には計り知れない努力、流した汗や涙、たくさんの歓声の中に隠れた言葉というナイフ、たくさん傷つきながら、心は涙色に染まっていても笑顔という仮面を被って、勇気を出して私達の前に立ってくれる。
そんな存在、嫌いになれるわけがない。
いつまでも私の偶像でいて欲しい、憧れでいて欲しい。でも、アイドルという鎧を脱ぐ時は、少しでも肩の力を抜ける場所が、ときめく瞬間があって欲しい。
アイドルではない自分と向き合える時間があって欲しい。

アイドルとファンという関係は近く見えて遠い。恋人のような関係に見えて、私達ファンはほんの一部の姿しか知らない。
でも、彼ら彼女らがアイドルである以上、
心を込めて全力で応援させて欲しい。
「アイドルが推している自分」が好きなのではなく、私は「アイドル」がただ好きだから。
愛をくれてありがとう。
愛すべきわたしのアイドルたち。

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