#136:ストレスで食欲がなくなるのはなぜ?
人は、よく心配事や大きなストレスを受けると食欲不振に陥ることがありますが、これは一体なぜなのでしょうか。
食欲を司るのは脳にある、『視床下部』という部分で、ここには食欲中枢の他に体温調節や飲水行動の中枢などのさまざま機関がある重要な部門です。
その食欲中枢の中にはさらに、食べたいと感じさせる摂食中枢と満腹感を感じさせる満腹中枢があり、この二つが互いに牽制し合って食事の行動をコントロールしています。
さて、この満腹中枢の方ですが、人がものを食べて満腹感を感じるのはいくつかのルートあるのですが、そのうちのひとつに血糖値の上昇が挙げられます。
食事をある程度行うと、血中の糖濃度が増加して、それを満腹中枢が察知して「食べたい」という欲求を抑制します。
しかし、心配事や大きなストレスを感じると、食物の代わりに血糖値を上げる『ノルアドレナリン』という物質が分泌されてしまうので、その結果、満腹中枢が刺激されて食欲不振になってしまうのです。そしてこの反応は、ストレスの種類には関係しないので、激務のような肉体的なストレスでも精神的なストレスでも食欲不振は起こってしまうのです。
しかしながら、ストレスで『ドカ食い』してしまう人も中にはいますが、これはまだよくわかっていないようです。
古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com
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