『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』を読んで

キャリアに関する著書を多く出版し、ワンキャリア取締役でもある北野唯我氏の名著。

物語調で展開される筋の分かりやすさは勿論のこと、その裏付けとなるキャリア論や転職市場の分析の緻密さに、何度読み返してもハッと気づきを与えてくれる。

本書のテーマは一貫している。
「いつでも転職できるという選択肢を持つことが、私たち一人ひとり、企業、ひいては社会を良くする」ということ。

転職は悪だ、なんて固定観念は持っていないつもりだけど、いつのまにか社内での自分の立ち位置ばかりに気を取られていたことに、気づかせてくれた。    

本書で取り上げられた理論をもとに、
自分の市場価値(専門性・経験×人脈×業界の生産性)を見つめ直してみると、今足りないものが見えてくる。 

【専門性・経験】
採用、育成、タレントマネジメントの知識
大手企業の人事施策支援の経験

【人脈】
同業・人事部門のつながり
高校、大学、アルバイト先でのつながり 

【業界の専門性】
採用・配置/人材開発・組織開発/勤怠・労務などのHR市場は2022年時点で国内2,200億円以上の市場規模といわれている(人材派遣・人材紹介事業を除く)。

HRテックや経営戦略との連動の重要性などから、今後も成長市場とはいえるか

私で言えば、まず人脈ができてないのは明白で、
専門性・経験の面でもHRの一部領域しか扱えていないことがわかった。
とはいえ筆者も「20代は専門性、30代は経験、40代は人脈をとれ」といっていたので、焦らず専門性を身につけることから始めたら良さそう。

今後のキャリアビジョンを描くにあたっては、
上記のような「市場価値を高める」視点だけではなく、自分の意欲や価値観(モチベーションやキャリア・アンカー等)を棚卸しする視点も重要になると思う。

まだまだ道半ばではあるが、本書は転職という切り口からキャリアについて考えるきっかけを最初に与えてくれた作品でもあるので、節目節目で何度も読み直したいと思う。

全ての働く人が、自身の選択肢を増やすために読んで損はない著書。

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