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今夜、この服でどんな酒を飲む?第17夜「あなたは行列に並べますか?」

僕の趣味は、服をながめながら酒を飲むこと。
10代の頃より集めてきたコレクションの中から一品をチョイスしてハンガーにかけ、それに合ったストーリーの酒で一杯やる。
何ともバカバカしい趣味ですが、これがけっこう楽しいのです。
このテーマで書くのは、今回で第5弾
初めてお会いする方も、そうでない方も、ぜひ全4回おつきあいください。
さて、今夜は何をながめて酔おうかな♪

【高須浩平 プロフィール】
放送作家、1977年東京生まれ。
『バラいろダンディ』(TOKYO MX)『サバンナ高橋の、サウナの神さま』(TOKYO MX)などを構成。
趣味は、服の収集と酒を飲むこと。東京ヤクルト・スワローズのファン。

『GOOD ENOUGH』のボアジャケットで『真澄』の純米酒を飲む

自分には“行列耐性”というものがあります。
いわゆる行列に並ぶことが全く苦にならないのです。
人気の飲食店、特大セール、初詣まで、何の行列でも大丈夫です。
本を読んでいれば、時間なんてあっという間に過ぎますし。
 
この耐性ができたのが、90年代の裏原宿ブームを経験したこと。
当時はインターネットがなく、パソコン通信(知ってる人は40代以上かな)の掲示板に書かれたホントかウソかの入荷情報を頼りに、始発で家を出て朝6時ごろからショップ前に並ぶというのが服好きな若者の定番でした。
単行本・スポーツ新聞・漫画・プロレス雑誌をリュックに詰め込み、灼熱の日も極寒の日もひたすら並びました。
そして朝11時まで並び、開店と同時にショップに突入。
入荷情報がデマでお目当ての商品がないことがほとんどでしたが(笑)、たまにレア物に出会えたりもします。
振り返れば無茶苦茶な話ですが、当時はその達成感がたまらなかった!
 
先日も、浅草の老舗蕎麦店に90分並ぶことがあったのですが大丈夫。
持っていた本を最後まで読み切り、そのあとで美味しく食事をしました。
と言いたいところですが、翌日いたるところの関節が痛い(苦笑)。
寒空の下での行列待ち。精神的には全然平気だったんですが、身体にはきていたようです。
あの頃の若者も今は40代後半。年齢には勝てませんね……。
 
そんなこともあり今夜は当時の戦利品を眺め、思い出に浸りながら飲むことにします。
『GOOD ENOUGH(グッドイナフ)』のボアジャケット。 

▲GOOD ENOUGH ボアジャケット (40000円 ※参考価格)

ファッション界のカリスマ・藤原ヒロシさんが手掛けた伝説の裏原宿ブランドの逸品。
記憶はあいまいなのですが、渋谷のショップに5時間半ほど並んで手に入れたものだったと思います。
20数年前のものでヘビロテした時期がたくさんありましたが、今もほとんど痛みはありません。
元の作りが相当良いのでしょうね。
現在もサイズ的にはジャストなので今シーズンは久々に着てみようかなぁ。
 
さて、これに合わせるお酒は、長野が誇る日本酒の定番『真澄』の純米酒を熱燗で! 

▲真澄 純米酒 一升瓶 (3000円 ※参考価格)

なぜこのお酒? なんで熱燗?
理由は、身体が冷え切っているから。
ではなくて、人生で初めてハマった日本酒だからです。
今回の服を買った頃から大人ぶって居酒屋に通うようになり、ボアジャケットを着ながらこのお酒ばかり飲んでいたっけ。
当時のことに思いを馳せながら飲んでいると身体が温まっていき、なんだか関節の痛みも消えていく気がします。
と言いつつ、酔ってる間だけだろうから整骨院を予約しきゃ(笑)!
 
次回は、自分の定番コート、カーキ色の『Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)』のコートを眺めながら飲みます。
ぜひいっしょに酔いましょう!
 
(つづく)

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