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イギリスで今、何が起きているのか?

サウジアラビア人の友人とともに、行きつけのカフェへ行きました。
いつものように「カフェ・アメリカーノ」を注文したところ、レジに表示された金額は£3.00。

ついこの間まで£2.80だったのに、いつの間にか20ペンス値上げされていたみたいです。

一緒にカフェへ行ったサウジアラビア人の友人は、2月からチェスターに住んでいるのですが、2月にこのカフェに来た時には£2.50でアメリカーノを飲めたのだそうです。

となると、半年余りで1杯のコーヒーの値段が50ペンスも値上げされていることになります。(日本での感覚で言うと50円の値上げ)

Cost of Livingの問題が身近に迫っているのだなと、実感した瞬間でした。

日本でも原油価格の高騰などから物価上昇が続いていることは承知していますが、ここイギリスでは日本をはるかに凌ぐ勢いで物価上昇が続いています。

今年7月の消費者物価指数は、いずれも前年7月時点と比較して、

日本  2.4%
英国 10.1%

の上昇となっています。

日本でも色々なものが値上げされていますが、イギリスではさらに深刻であるることがお分かりいただけるでしょうか。

さらに、こちらの報道によると、物価上昇に対して政府が何も対策を講じなかった場合、2022年10月からの1年間の光熱費は、1家主あたり平均£3,549にのぼると試算されています。

2022年8月時点での1年間の1家主あたりの平均光熱費は£1,971と試算されているので、年間約£1,500の上昇です。
日本に置き換えて考えると、光熱費だけで年間約15万円上昇するような感覚でしょうか。

その一方で、労働者の賃金は上がっていないため、鉄道会社をはじめ、バス会社、空港、郵便局、ごみ収集業者、法廷弁護士など、イギリス国内ではあちらこちらでストライキが頻発しています。


「混迷の時代に足を踏み入れてしまった。」


なんだかそんな気がしてなりません。

現在は円安も深刻なので、これからイギリスへの渡航を考えている方は、これらの経済情勢を十分に考慮の上、渡航の判断をしていただく必要があるかと思います。


さて、そんな中、新たな首相が誕生しました。
その名もリズ・トラス

前任のボリス・ジョンソン首相が辞任したことに伴う保守党の党首選で、新たに選ばれたリーダーが彼女です。

彼女自身、マーガレット・サッチャーを崇拝していることもあり、

「鉄の女の再来」

なんて報道されていたりします。

…が、

実際のところ、評判はかなり悪いです。

私の周囲のイギリス人に話を聞いてみても、誰一人として彼女を支持している人はいません。

「庶民の生活を知らない」
「ビジョンを示せない」
「言っていることと違うことをやる」
「自分のことしか考えていない」
「鉄の風見鶏」

などなど、散々な言われようです。

なんでそんな人物がリーダーになってしまったのか、不思議なところではありますが、正式な民主主義の手続で選ばれたからには彼女に任せるしかありません。

物価高、ウクライナ戦争、BREXIT…
果たして、この混沌とした状況のイギリスをどのように導いていくのか、新たな首相の手腕に注目です。


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