女子校育ちの私が謎の告白を受け入れた日

「2番目に好き」

ふと、そんなフレーズを思い出した。

大学に入ったばかりの頃。

あれから、10年もたったということにただ驚く。


私の大学生活は、歓喜のファンファーレが鳴り響くかのようにハッピーな幕開けだった。


私は中学高校生の6年間、女子校に通った。


塾も習い事も通っていなかったから、特に男性との接点は少なく

男子校の文化祭に行ってみたり

中学生のころ男子高校生たちとカラオケ合コンをしたり

友達の紹介でメールして遊んでみたり

少しだけ接点を持つようにしていた。

高校生になると、
イケてるグループによるブログが流行して、携帯電話のパケット制限(懐かしの響き)の中で「気になる人」をネットリサーチしたりもした。

実際に、そのグループと遠いつながりのある友達に頼んで紹介してもらおうとしたこともあった。が、普通に断られた。(今思うとかなり怖い)

振り返れば
幼稚園の頃はいつもお昼寝の時間を一緒にした子がいて、小学校の頃は好きな子が何人かいたから、小さなころからハンター気質だったかもしれない。

でも女子校に入ると、全てが空振り。空振り三振どころではなく、恋愛については妄想をするしかなかった。

(おそらくこの時、リサーチ力と直感力、想像力が鍛えられた、というのは冗談)

それまでの道のりの話が長くなったが、

そんなこんなで

大学生になると

男子が周りにいるだけでキラキラして楽しい気分になった。

例の直感力から、「気になる人」は一瞬で見つけた。すぐにアプローチし、「初デート」も取り付けた。

舞台は京都。クラスのパーティのプレゼントを河原町に買いに行く、という相手Aにとってはデートでもなんでもないお使いだったが、かなり楽しかった。

その時履いていたパンプスで指を怪我して介抱してもらい、帰り道で自転車がパンクして修理屋についてもらった気がする。

冷静に考えたら、単なる迷惑娘。

Aはスポーツマンで明るく、人気なタイプ。で、私への対応も優しく、手慣れたもんだった。

私の気持ちは「気になる」から「好き」に一瞬でヒートアップしていた。


同じころ、クラス内の男女の間では「気になる人」の話で盛り上がっていた。

(社会人になっても同期内でこんな動きがあったから、日本人は恋バナ好きなのかもしれない)


そこで別の友達が気になっていた(というか、両思いだと噂されていた)男子Bの家に、友達となぜか夜に遊びに行くことがあった。

みんなで散々気になる人の恋バナで盛り上がり、帰ろうとしたところ「2人で話そ」と言われ、またまたなぜかベッドの上でBと2人っきりの状況に。

少しだけドキドキしていると、
Bから急に告白されたのだ。


「2番目に好きなんだ」



??


これが冒頭の言葉。初めて言われた文言に返す言葉が見当たらなかった。

戸惑ったのは一瞬。その後、素直に受け入れていた。

「好きならいっか」


さらになぜか2番目に好きと言われたことを密かに誇りに思いつつ、「私には好きな人がいるし」と割り切った。

謎の告白をあとに「お互い1番好きな人とうまくいくといいね」と切り返し、深夜に帰宅した。脳天気な私は安心して眠った。

多分、私にとっても彼が「2番目に好きな人」になったのだろう。


ほどなくして、

1番目のAは天使のような女の子に恋をして、私の久しぶりの恋は終わった。


そして2番目のBは1番好きな人に告白して、付き合い始めた。


後にも先にもこのフレーズを言われたのは、一度きりだった。



#エッセイ #2番目に好き #告白 #大学生 #女子校育ち #ファーストデートの思い出



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?