デザイナーを目指しているなら知っておきたい。今、注目が集まるUIデザイナー・UXデザイナーという職業 vol.2 【インハウスデザイナーの働き方】
前回の「デザイナーを目指しているなら知っておきたい。今、注目が集まるUIデザイナー・UXデザイナーという職業 vol.1」では、UI、UX、それぞれが指しているものや概念は何なのか、そしてUIデザイナー・UXデザイナーが具体的にどのような作業をしているのかをご紹介しました。
今回は続編としてUIデザイナー・UXデザイナーの働き方が「関わる事業の種類」によって分類されることを説明した上で、自社事業に関わるインハウスデザイナーの特徴を詳しく紹介していきます。(クライアントワークに関わるデザイナー編はvol.3でご紹介します。)
はじめに
既にUIデザイナー・UXデザイナーとしての就職を視野に入れているけれど、企業を選ぶ基準がよくわからないという方は多いのではないでしょうか?
「ユーザー体験をデザインする」という根本的な部分は共通するものの、関わる事業の種類によって、デザイナーの働き方に違いが出てきます。
デザイナーが関わる事業の種類は、大きく自社事業とクライアントワークの2つに分けられます。(ただし自社事業、クライアントワーク、のどちらか一方だけではなく複数事業を展開する企業も存在しています。)
自社事業
自社のプロダクト開発を行い運営を行います。こうした自社事業を行う会社を「事業会社」、自社事業に関わるUIデザイン・UXデザインを行うデザイナーのことを「インハウスデザイナー」と呼びます。
クライアントワーク
他社(クライアント)のプロダクトの開発やwebサイトの制作などを行います。こうしたクライアントワークを行う企業のことは「受託会社」「制作会社」と呼ぶことがあります。
企業の特徴を掴む方法がわからない方は、それぞれで働くデザイナーの特徴と自分が求める働き方を照らし合わせて検討してみると良いのではないでしょうか。
今回のnoteに関しては第1弾として、自社事業に関わるインハウスデザイナーの働き方について紹介したいと思います。
インハウスデザイナーの働き方
インハウスデザイナーの働き方を、以下の特徴でご紹介していきます。
1. プロダクトの運用フェーズに関わることができる
2. 1つの業界、マーケットに深くコミットする
3. 意思決定に関わる機会が多い
4. 他業種とのコラボレーションがしやすい
※これらの特徴が全てのインハウスデザイナーに当てはまる訳ではありません。あくまでも一般的に言われている特徴から、大まかなイメージを掴んでいただくために読んでいただければと思います。
1. プロダクトの運用フェーズに関わることができる
インハウスデザイナーの場合、プロダクトをリリースした後にも“運用”という形で、仮説を検証しながらプロダクトの成長に関わり続けることになります。
この運用のフェーズでインハウスデザイナーは、ユーザーからのリアクションを定量的・定性的に把握しデザインを行う必要があります。自社事業においてこの運用フェーズはプロダクトが終了するまで、ほぼ永続的に続くため、1つのプロダクトに携わる長い間、ユーザーと近い距離にいながらデザインをすることができると言えるかもしれません。
2. 1つの業界、マーケットに深くコミットする
1つのプロダクトに長く携わる経験ができるインハウスデザイナーは、特定の業界に深く関わることができます。一方で、クライアントワークを行うデザイナーと比べて、関わることができる業界の種類はかなり限られてきます。
ただし、これらはあくまでトレードオフです。興味・関心が持てる特定の業界があるのであれば、その業界に関わるプロダクトを通して携われることから、やりがいを感じることができると思います。
3. 意思決定者に関わる機会が多い
クライアントワークの場合、意思決定者(『意思決定権』を持つ人)は社外のクライアントです。しかし自社事業の場合、この意思決定者は自社の経営者やプロダクトオーナーであることが多く、ひいてはデザイナー自身になることもあります。
自分と近いところで意思決定が行われることで、意思決定者に対してデザイナー側から積極的にアプローチすることも可能ですし、もしくはデザイナー自身が意思決定を行う場合もある訳ですから、“言われたものを作る”というフローは存在しにくい体質と言えるのではないでしょうか。
また同時に、プロダクトのリリース後も長期的に関わっていくことになるので、一つの意思決定が及ぼすユーザーへの影響を感じやすい環境であると言えます。
4. 他業種とのコラボレーションがしやすい
企業、事業の規模感によってチームの大きさが異なるとはいえ、デザイナーを含めたメンバー全員がフラットな関係性であることがほとんどです。こうした関係性のメンバーと長い期間にわたって関わることで、お互いの得意不得意分野を理解し補い合ったり、知識や意識レベルが揃い、チーム内の一体感が生まれやすくなると言えるでしょう。
また、社内でも分業を行いメンバーの一部が社外の人であるクライアントワークに比べて、プロジェクトチームのメンバーが自社内で完結される自社事業開発の現場では、チームメンバーとデザイナーとの物理的な距離が近いですから、セールス、開発、マーケティングなどの他職種の方とのコラボレーションがしやすい環境とも言えます。
インハウスデザイナーに求められるもの
企業や事業規模によって範囲は異なりますが、インハウスデザイナーは、プロダクトに関する戦略などの意思決定から、ユーザーに届ける接点となる販促物まで幅広いデザインを行います。
そのため、サービス内に閉じず企業と事業全体を俯瞰した視点を取り入れた上でデザインができることが求められるでしょう。
さいごに
今回はインハウスデザイナーについて紹介しました。
今回の内容は、デザイナーとして活動する方とお話しする中で聞くことができる裏話的なものです。こうした情報を学生のうちからキャッチアップするのはなかなか難しいですよね。
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【予告】次回「デザイナーを目指しているなら知っておきたい。今、注目が集まるUIデザイナー・UXデザイナーという職業vol.3」では、クライアントワークを行うデザイナーの特徴と企業選びの際に大切にしたいポイントをご紹介します!