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【エッセイ】忙中閑ありとは誰が言ったのだ。満足のいく執筆が出来ない。今週はTOEICに読書会……。気息奄々の私は、最近出会ったこだわりマンを思い出すのであった。

挨拶

 読者諸君、ご機嫌よう。今日はバレンタイン当日だ。まさか、懐にたんまりとチョコを携えた逆賊はいないだろう。我が同胞の諸君らには、そのような輩を見つけ次第、私に報告して欲しい。バレンタイン革命を起こそう。スローガンは「全てのチョコを非モテの胃袋に」だ。この世から愛のこもったチョコレートを駆逐しようではないか。くだらないイベントに終止符を打つのだ。我々の血となり肉となることで、カカオたちは報われる。
 今日は寝る前に母から送られてきたチョコを大切に食べた私だ。

今日は短いエピソード。

 私にも体力と所有時間の限界がある。バレンタインを少量しか楽しめない事に不満はあるが、それを漏らし続けるほど余裕がない。確かに、この間にも仲睦まじくチョコを贈り合う傍若無人なカップルがいると考えると、忸怩たる思いではあるが。
 チョコを見たことない諸君へ。大丈夫だ。私という嫉妬と羨望に塗れた底辺でも、粘り強く生きている。今日は手短に最近のエピソードを語ろう。この世にこびり付く底辺を見て、バレンタインを笑い飛ばそう。

こだわりマン

 私は表参道の美容室に通っている。ここで笑った場合、私への冒涜とみなす。毎回、決まった美容師を指名して散髪と、場合によってパーマをお願いしている。ここで笑ったものも冒涜とみなす。

 その美容師の男性は、何ともモテそうな風貌と喋り方である。彼と喋っているとあまりにも人間としての差を感じる。方や冴えない新卒。方やイケメン経営者だ。彼はその店のオーナーなのだ。
 しかし、よくよく観察すると、立ち居振る舞いはいたって適当である。隣のお客さんの会話に無理矢理割って入ったり、こっちが意図してない方向に会話を持っていったりする。
 では、何が彼を煌びやかに輝かせているか。それは自信である。仕事と自分、どちらに対しても圧倒的自信がある事が見て取れる。
 この上ないナルシズムが、彼を彼たらしめているのだ。彼から教わった事はたくさんある。

「麻雀って、あがるゲームじゃなくて、相手にあがらせないゲームなの。それに気づいた瞬間、俺麻雀強くなってさ。考え方が変われば力量ががらって変わることがあるわけ」

「家族、友達、恋人、誰の隣にいるにしても恥ずかしくない自分でいる事って大事でしょ。見た目は自分の為だけじゃない。周りにいる人の為でもあるんよ」

 彼は格好いい。そして彼の語録で私が一番好きなものは、これだ。

「髪のイメージ決まってない? 任せて。絶対かっこ良くなるから」

「ほ、本当ですか。ありがとうございます。おねがいします。凄い自信……」

「当たり前。プロだし。それに俺、全く妥協しないこだわりマンだからさ。仕上がり、期待しといて」

 妥協を許さないこだわりが、たゆまない努力を生み、それが自信になるのだろうか。いずれにせよ、こだわりマンというワードは全く聞いた事ないにも拘わらず、彼が言うと自然に聞こえた。

 私もいつか、こだわりマンと自称できるようになりたい。そのために今の日々を頑張ろう。


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