神田警察通りイチョウの木伐採問題。住民の行動は「正義か」「わがまま」か?
千代田区の整備計画で、街路樹を守る会との攻防が起きた。この経緯と、千代田区の管理にあるイチョウの木を巡って『木を守る』についての正義か?わがままか?について考えた。
事の発端
東京・千代田区の神田警察通りで起きた、「神田警察通りの街路樹を守る会」とのイチョウの木の伐採を巡る攻防。
樹齢100年を超えるイチョウの木は、秋になると通り一面が黄金色になる景観は見事だという。今回、歩道を拡張するなどの理由で千代田区は整備計画をし、木の伐採に着手した。
しかし「神田警察通りの街路樹を守る会」メンバーらが、当初の整備計画と話が違うという事で、この問題が起きた。まとめると以下のようになる。
当初の計画ではイチョウを伐採しない予定が、方針転換し伐採。
パーキングメーター駐車帯の設置が必要な為、木を伐採する必要がある。
イチョウの木に代わって桜の木を植える計画。
昔と今では道路事情が違うので、時代に合わせて車道整備は必要になってきます。
方針転換を理由に、整備を推し進める千代田区にも説明不足が問われますし、イチョウの木は反対メンバーの所有物でもありませんので、口出しはできないはずです。
千代田区と「街路樹を守る会」~それぞれの主張
千代田区
千代田区が進める整備方針と内容は以下のようになります。
「神田警察通りの街路樹を守る会」の主張
一般社団法人「街路樹を守る会」の愛みち子さんの発言。
「人間の都合でここに植え、弱りかけると『危険だ』と排除する。あまりにひどくないですか?」(東京新聞TOKYO Web)
守る会のメンバーや住民の意見。
「この春、芽吹いたばかりのイチョウが悲しんでいます!」
「綺麗なイチョウの木を伐採するためになぜ、ここにお金をかけるのか?」
「小さいときからここで育っていますのでこの想いは、強いものがある。」
それぞれの主張をまとめると・・・
千代田区の対応は、大きくなったイチョウの木を伐採し、安全に移動できる環境整備を目指しているのがわかります。
一方、守る会は街路樹を生き物として丁重に扱い、これまで人の歴史と癒しを与えてきた樹木の存在を「簡単に伐採するな」と見受けられます。
もちろん、共存して木を切ることなく整備をできればいいのですが、そう上手くいかない話しです。時代の流れを考えると木の伐採はやむを得ないのかもしれません。
『正義』か、『わがまま』か?
そもそも街路樹を巡って動いている組織は何なのか?
一般社団法人「街路樹を守る会」の代表者である、愛みち子さんが率いる団体です。オリパラに伴う木の伐採にも絡んでいます。
環境活動登録団体HPの活動内容によると、以下のように明記されています。
ここで違和感を感じたのが、『管理者たちが「緑の充実」を謳い(うたい)ながら、様々な理由で樹木を伐採されている』という文です。
これらの理由は、謳っているわけではなく必要な理由で樹木を伐採しているので論外です。その様々な理由と言っている「守る会」こそ自己中でわがままな意見です。
自然や木を大切にしたい気持ちはわかりますが、支離滅裂な意見を並べても説得力に欠けます。
自治体も安全と景観を保つために、苦肉の策で決断してきたと思います。しかし説明が足りなかった。それだけだと思います。
その結果、行政と守る会で押し問答の攻防が起きてしまった。守る会の行動は歴史あるイチョウの木の正義でもあり、わがままの意固地でもあると考えます。
まとめ
人は、自分がやっている行動が正しいと思いこむと周りが見えなくなり、いつしか偏見になる可能性があります。
冷静に考えると、『実は間違っていた』『行き過ぎた行為だった』と思う瞬間があります。その瞬間を強情流されず、反省してプロセスを考えるのが問題解決の道筋です。
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