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子熊猫と最果タヒと羊文学

子熊猫をこの世につなぎとめるのは、最果タヒの文章と羊文学の音楽。

最果タヒからはこころの奥底に眠る本音を。母親なんて死ねばいいと思ったときに、学校の図書室で出会った。
初めて読んだのは、詩集「天国と、とてつもない暇」。世間に対して見えないように中指を立てて生きていた。せまい家庭のなかで自分が誰からも愛されていないような気がして、孤独だと思っていた。自分のこれまで抱いていた母親への尊敬が崩れ始めていたから。 

これを俗に反抗期という。


羊文学からは日々を過ごすエネルギーを。先輩のプロフィールに設定されたLINE Music から彼らを知った。
生まれてこのかた、数ある歌を聴いてきたなかで、初めてこころに響いた「1999」。
彼らは音楽を誠実に紡いでいると思った。
私も音楽で感動できるやわらかさを失っていないと気付かせてくれた。


彼らが私を現在へつなぎとめる。
船の錨のように。
広大な海で迷ったときの灯台の光のように。
カッターナイフで自分の輪郭をなぞるように。
その痛みで自分を夢から醒めさせるように。
満腹を知らず食べ続ける脳みそへ、ひとすじの冷たさをもたらすように。
なんのために生きているか分からなくなった終わらぬ夜に、そばにいてくれるあたたかい雲のように。
つかめなくても確かにそこにあることが、夜の涙の肯定になった。

ほんとうにありがとう。
今日はもう寝よう。


2024.01.24

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