ペーパーレス化の課題とポイント
ぶつかりがちな壁
ペーパーレス化が進まない背景には、初期費用などコスト面の問題があります。書類の電子化にはIT関連機器やソフトウェアなどの環境整備が必要です。資金の乏しい企業にとって決して安い費用ではないので、導入コストに経営陣が難色を示すケースもあります。
また、電子機器に慣れていない社員もいるため、経費処理のペーパーレス化に対応できるように社員教育を実施しなければなりません。ITツールの使い方に慣れてない人には、かえって不便に感じてしまうこともあるでしょう。「紙の方が読みやすい」という年配の役員が多く、導入が進まないケースもあり得ます。よって、年配社員・役員の電子化に対する抵抗感や不安を解消することも大切です。
電子データをクラウド上に保存すると、情報漏洩のリスクが伴います。ほかにもシステム障害やデータ紛失などへの不安から、ペーパーレス化に踏み切れない企業は少なくありません。セキュリティ対策については、部署を超えて企業全体で話し合う必要があります。
ペーパーレス化導入の5つのポイント
ペーパーレス化には多くのメリットがある一方で、導入には多くの課題があるのも事実です。ペーパーレス化を円滑に進めるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
1.ペーパーレスの理解を深める
社員の理解と協力が得られれば、ペーパーレス化をスムーズに進められます。ペーパーレス化によってコストがどの程度減るのか、どのような利益があるのかをきちんと説明した上で、少しずつペーパーレス化を進めていきましょう。
2.最初から一気に導入しない
最初から企業全体で書類の電子化を進めようとすると、社員の負担が大きくなり、導入がうまくいかない可能性があります。一気に導入するよりも、部署や業務単位などで部分的・段階的にペーパーレスを導入する進め方がベターです。
3.繁忙期の導入は避ける
決算業務や確定申告の時期などの繁忙期に導入すると社員に負荷がかかり、通常業務が滞る恐れがあります。繁忙期に導入するのは避けて、社員の業務にゆとりがある時期に導入を進めていきましょう。
4.操作しやすいITツールを導入する
導入にかかる社員のストレスを軽減するために、最初は操作が簡単なITツールを導入しましょう。複数のソフトを試用してみて、操作がわかりやすいものを選ぶことが大切です。ITツールを扱えるようになり、ペーパーレス化のメリットに社員が気づけば、導入が加速化します。
担当者を決める
操作法や運用方法に疑問が出たときに対応できる担当者を、あらかじめ社内に配置しておきましょう。社員がそれぞれ自己解決していると時間がかかるだけでなく、間違った方法を覚えてしまう可能性もあります。適切なアドバイスができる担当者がいれば、導入がスムーズに進むでしょう。
ペーパーレス化で業務改善
日本では法整備が進み、さまざまな文書をペーパーレス化できる環境が整備されています。ペーパーレス化によって印刷代などのコストを削減できるとともに、業務効率改善などの多くのメリットが得られます。
最初から一気に導入する必要はないので、社員の理解を得ながら部分的に導入を進めていきましょう。
ペーパーレス化について課題を抱えていらっしゃる方は
気軽にご相談ください。
yamashita.shotaro@moneyforward.co.jp
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