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「躁」ってつまり何なんだろう?

 最近読んでいる本やサイトで「躁が起こらなければウツは起こらない」という記述が良く見られ、「じゃあ『躁』ってつまり何なんだろう?」と思い始めました。
 「躁が起こらなければウツは起こらない」なら、躁の正体を知りたいと思いました。
 躁のことを「マニー(mania)」(由来はギリシャ語μανίαマニアから)と呼ぶことを知りました。
 もともとは、そううつがたどる治療過程のグラフが各サイトで違うので疑問に思い調べ始めたのです。サイトにはよく波のようなグラフが書いてありますが、自分には合わない気がしたのです。

はじめに
 とりわけ「双極性」について,安易なイメージを作り上げてしまったのである。おそらく多くの臨床家が,その影響下にある。
 
 (誤りの)その一つが「周期性」である。つまりは病相がサイクロイドのような弧を描き,a)一定期間のうちに収束するという経過モデルである。双極Ⅱ型の多くは,そのような緩やかなものではない。また,ともすればエピソードとして限局されることなく拡散し,普段の生き方に浸透してくることさえある。
 
 (誤りの)今一つは「極性」というイメージである。つまりは「躁」と「うつ」がシンメトリーをなし,一つの軸の両端にあって,精神症状はその間を上下に振幅するというものであるb)。そして経過はサインカーブで表象される。たとえば電気や磁性のように両極が相殺されることもなく,あるいは寒暖や明暗のように一元的な尺度で定量可能なものではない。ヒポマニー(軽躁病※Wikipediaより)は神出鬼没に割り込んでくる。それは「うつ」を中和しないし,「うつ」によって中和されることもない。混合するのである。
 
 ヒポマニーの精神病理を読み解くにあたって,一つのキーワードとなるのは「スペクトラム」(範囲、広がり、連続体※Weblio辞書)という概念である。それはヒポマニーを従来のナイーブな病型や状態像のイメージから解放する。さらにsubclinicalな(潜在性の※英時郎)事象をはじめとする,さまざまな局面への着目を促すだろう。
 
 気分障害をめぐるスペクトラムは単一のものではない。筆者のみるところ,少なくとも4つの軸がある。本稿では,それぞれのスペクトラムを順次取り上げながら,ヒポマニーの精神病理について論じていこうと思う。

ヒポマニーの精神病理—4つのスペクトラムによる変奏 内海健https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1405205630?p=firstTab&englishFlg=2

a)つまり、一定期間のうちに収束する経過モデルを頭に思い描くことは誤りである、と思われる。
b)ここが私の疑問通り「経過はサインカーブでは表せない」ということだと思う。

これがサインカーブ。つまり双極症は、こういう軌跡をたどらないということ。

 こんなこと、調べなければ分かりませんよね。私は(あぁやっぱり)と思いつつ、ふつう双極性障害を説明しているサイトでは大体このグラフを使っているので、この文章を読んで驚きました。


 今もなお、医師の書いた本などを読んで、「躁ってなんだろう」とゆっくり読み進めているところです。



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