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【ブランドの新価値】4割の人は好きなブランドのリユース品を買った後に同ブランドの新品購入が増加!?

こんにちは!リコマース総合研究所(リコマース総研)、主席研究員のakaneです。

リコマース総研初となる、意識調査を実施しました!
これまで私たち消費者はメーカーやブランドから商品を買うことが主流でしたが、環境に配慮した消費意識の高まりや、CtoCフリマアプリの浸透、昨今の物価上昇によるリサイクルショップの活用などリユース品の購入機会が広がっています。
リユース市場が広がると、商品を作るメーカーやブランドの新品は売れなくなってしまうのでしょうか?
消費の価値観や消費者とブランド・メーカーとの関係性にリユースがどのような影響を与えているのかを紐解くために本調査を実施しました。

「リコマース」とは?

リコマースは、製品の適切な長期利用を促進する産業を指し、二次流通プラットフォームやサブスク・シェアエコ、リペア事業者、自社リユースを実践する一次流通のブランド・メーカーなどが参画する、循環型社会の実現と経済成長の両輪を目指す活気ある市場です。
この市場は、商品寿命をのばし循環させることで、大量生産・大量販売の時代から、高品質なものを最適量で生産し、循環型社会の実現に向けた重要な役割を果たしています。
また、リコマースの参加者たちは、消費者が持つ不要品を、必要な人にマッチングさせたり、修理して再利用可能な商品として市場に送り出したりすることで、循環型社会を実現するために積極的に貢献しています。

シーズン毎の新商品より、長持ちする商品が選ばれる時代に

毎シーズン新品を買うより、長持ちする商品を選ぶ傾向が顕著。10代は他世代より商品のストーリーや企業姿勢が消費判断に影響
サステナビリティへの関心の高まりなどが影響してか、「長持ちする商品を購入する」と回答した人が85.5%と最も多く、一方で「シーズンごとに新商品を購入する」と回答した人は24.3%に留まりました。

これまでアパレルはシーズン毎に新作を出したり、家電メーカーは定期的にモデルチェンジを行ったりするなど、新しい物を製造し販売することが当たり前でしたが、循環型社会の実現に向けた消費行動が意識される中で、“いいものを長く使う”という価値観の広がりは、モノの作り方・売り方にも今後影響を与えていくかもしれません。

リユース品をきっかけに、ブランドの認知度や好意度が上昇

リユース品が新たなブランドとの接点になり、認知度や好意度が昨対比3.5pt~4pt上昇
リユース市場の拡大と共に、リユース品をきっかけにブランドを知ったり、ブランドを好きになったりする機会が昨対比で上昇。「欲しい物を探すときに、リユース品から探すようになった」(26.7%、+8.8pt)、「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」(20.3%、+4.0pt)、「​​リユース品で買ったブランド・メーカーを好きになった」(15.9%、+3.5pt)という結果に。

リユース品購入が新品購入にも寄与!?

リユース品をきっかけに新品を購入したことがある人の約4割はその後新品購入機会が増加
また、「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人の内43.1%は、それ以降新品の購入が増えていることがわかりました。

中でも、この先10年後に消費の中心を担う20〜40代の約3人に1人は「新品の購入が増えて、中古品の購入が減った」と回答。リユース品を通じたブランド体験が、そのブランドの新品購入の促進につながっていることが示唆されました。

リユース品と新品の関係性を見ると、リユース品をきっかけに「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」と回答した人は現状2割ですが、昨年と比較すると4pt上昇しており、リユース市場の成長を鑑みると、リユースを接点としたブランドの認知向上や購入機会の増加は今後拡大していくのではないでしょうか。

さらに、今回の調査では「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人の内43.1%は、新品の購入が増えているという結果になり、リユース品によって新品購入が代替されているわけではないということがわかりました。

おわりに

今回の調査結果から、モノをつくるメーカーやブランドは、既に市場に出回っている自社のリユース品の活用を検討することで、顧客との新たな接点の創出や新たなビジネス機会を見つけることができるのではないでしょうか。


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