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第2回 『自分の思考と行動のクセを知る』 part1 【自分を好きになる10の習慣】

【自分を好きになる10の習慣】というお題で全部で10個のテーマについてリコレクト所属のトレーナーに解説していただきます。

第1回『自分の声に耳を傾ける』part1
第2回『自分の思考と行動のクセを知る』part1 part2
第3回『ありのままの自分を受け入れる』
第4回『自分の「欲求」を追求する』
第5回『現実と理想のギャップを把握する』
第6回『コントロールできるものに意識を向ける』
第7回『「完璧な自分」を求めすぎない』
第8回『出来たことに目を向ける』
第9回『ポジティブシンキングをやめてみる』
第10回『行動を止めない』

各テーマに対してのアプローチ方法、解決の手助けになる方法などをお届けしていきます。

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第2回 『自分の思考と行動のクセを知る』

こちらのテーマについて、リコレクト所属の2名のトレーナーにアプローチ方法を解説していただきます。

part1 江口 泰弘トレーナー
part2 野中 泰揮トレーナー

part1では、江口 泰弘トレーナーのからのアプローチ方法になります。

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『自分の思考と行動のクセを知る』

例えば、ちょっと想像してみましょう。
あなたは今日仕事に行き、さんざんな目に逢いました。

朝、出社します。
今日は自分にとって重要で、とても自信があるプロジェクトのプレゼンの日です。
ところが、そのプレゼン内容に大きな不備があり失敗してしまいました。
とても落ち込んだ気分です。
上司には叱られ、その後の処理を終えて帰る時間も遅くなりました。
夜、帰りの駅に向かうと、事故で電車が遅延しており、なかなか出発出来ないとのこと。
さらにがっくりしたあなたは、友人に話を聞いてもらおうと電話しましたが何だかそっけなくあしらわれてしまいました。

こんな時、あなたならどんな気持ちになり、またどんなふうに考え、どんな行動に出るでしょうか?

ある人達に聞くとこんな答えが返ってきます。

・ひたすら拒絶感しかない
・自分はダメ人間だ
・価値のない最低の人間
・負け犬だ

その日の出来事で、まるで自分の能力や価値が決まってしまったように感じるようです。

そしてこんなふうに考えます。

・みじめな人生だ
・生きていてもしかたない
・人生は不公平だ
・良いことなんて何もない

例のような、仕事や電車、電話の事だけで、このように考えるのです。
このような人も物事が順調に進んでいる時は自信や元気にあふれ、快活に生活しているはずなのですが、このように何かつまづく事があると、とたんにもうダメだと思い、行動が止まってしまいます。

しかし全く同じ状況に対して、このように考える人達もいます。

・仕事に対してもっとしっかり準備しないといけない。電車の遅れは自分にはどうしようもない事だ。友人はちょうど何か嫌なことがあったのかも知れない。
・今回は油断していたな。きっと自信過剰な自分への警告だ。また次回チャンスがあるからその時はしっかりやるぞ。
・気持ちを入れ替えて次に向けて出来ることをやろう。今度友人に何かあったのかを聴いてみよう。
・上司に相談してさらに良いものができないか検討し直してみよう。よく考えてみたら、あの時違う沿線で帰ることも出来たな。もう一度日を置いてから友人に連絡してみよう。

嫌な事があれば、誰でも落ち込みます。

大事な仕事でミスをしたり、友人や恋人からそっけなくされたら悲しいですよね。そんなマイナス感情自体はまったく問題ありません。生きていれば必ず伴うことです。
問題は、その事ががきっかけですべてが終わりのように考えたり、そのマイナス感情がこの先もずーっと続くように捉えることです。

上記のように人によってその後の考えや行動に大きな差があるのはどうしてでしょうか?
それは、ふだんの "思考や行動のクセ" (マイナスの思い込み)があるからかも知れません。

7種類のマイナスの思い込み

心理学者のイローナ・ボニウェル博士は、私たちにありがちなマイナスの思い込みについて 7種類 に分けました。

①減点思考:「どうせ私には向いていない」「他の人の方がうまく出来る」
感情→悲哀・憂鬱・羨望

②無力思考:「ルールがあるからダメだ」「自分は歳を取り過ぎている」
感情→不安・憂鬱・無力感

③悲観思考:「どうせ失敗する」「悪いことはまた起きる」
感情→不安・恐れ

④自責思考:「失敗して人に迷惑かける」「うまくいかないと恥ずかしい」
感情→罪悪感・羞恥心

⑤他責思考:「私は悪くない」「うまくいかないのは相手(環境)のせいだ」
感情→怒り・不満・憤慨

⑥無責思考:「自分には関係ない」「興味が無い」
感情→疲労感

⑦べき思考:「あんな事はやるべきじゃない」「普通はこうするべきだ」
感情→怒り・嫉妬

これをお読みになっている皆さんも、いずれかの思い込みの傾向があるかも知れません。
これを書いている私にもいくつかあります。
これは先天的なものもありますし、これまでの環境や生活背景による要因もあるでしょう。
それぞれ、「絶対そうに決まっている」という強い思い込みなので、本人さえその事に気づかないことが問題を大きくします。
自動的で反射的なものなので、"自動思考" とも呼ばれるものです。

さらに、最初の事例のようにネガティブな事が重なり、
①自分には実は向いてないんだ、③悪いことばかり起きる、またこの先も続くに違いない、④また失敗して迷惑をかけるにちがいない、また恥ずかしい思いをするんだ‥
などの自動思考が重なると、深みにはまってしまうわけですね。
私たちは皆、人生を良くしたいと望んでいるはずなのに、なぜか自らマイナスに追い込んでしまうものなのかも知れません。

自分に思い当たるクセの傾向について気づく

そうならないようにするために、まず大事なことは、自分に思い当たるクセの傾向について、生活の中で気づく事です。

①上記の思い込みリストをもう一度眺めて、自分にはこういう傾向があるかも知れない、というのをピックアップして、頭の片隅に意識を置きながら生活してみましょう。
そして、
②その思い込みに対し「あ、今いつものクセが出たな」と自分に話しかけ、「はい、いつもの自分のクセ、バイバイ!」と思い切って捨ててしまいましょう。
③それらの状況、その時の感情、思い込みの気づき、行動を日記を書くように記録しておき、後でそれらを眺めるのも大変有効です。

しなやかな思考が出来る人は、自分をダメと決めつけてさじを投げたりしません。
逆境に追い込まれても立ち向かい、コツコツと出来ることを積み重ねていきます。

自分のネガティブな思考とそれに伴う感情に気づき、物事に対する「捉えかた」を変えると行動が変わり、その後の結果や感情が変わります。そうすると人生が変わります。
自分が抱える "問題" ではなく、"解決策" の方に意識を向けてみてください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。
part2では、同じテーマで野中 泰揮トレーナーの解説をお届けいたします。

少しでも悩みを抱えている方のお役に立てますように。
今後ともリコレクト公式noteをよろしくお願いいたします。

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