こんにちは、仁一です!ご飯を食べた?
仁一は「僕は超能力者だよ、サイキックパワーがあるんだ」と冗談めかして言ったことがある。
しかし、それを本気で信じる人は誰もいなかった。実際、そんな力はどこにもない。
ただ笑い飛ばされるだけの話だ。
しかし、不思議なことに、昔食べたものの「味」だけは脳に深く刻み込まれていて、まるで昨日のことのように忘れずに覚えている。
その味を再現する力は、誰にも負けないと自負している。
どんなに昔の料理でも、その味を思い出し、再現することができるのだ。
ただし、この不思議な力には限界がある。
20代半ばまでに食べたものにしか適用されないのだ。それ以降に食べたものについては、もはやその記憶も、味も曖昧になってしまった。
もちろん、今でも美味しい料理を作ることはできる。しかし、何を食べたか、美味しかったのか、最近のことはまるで霧がかかったように思い出せない。
この現象に気づいたのは、2023年5月の記事を書いていたときだった。
小学生の頃に食べた料理を、記憶を頼りに細部まで再現して文章にできたのに、つい先週食べたものが何だったのかさえ覚えていない。
ウン数十年も前の味を鮮明に再現できるのに、最近の記憶がまるで消えてしまったかのように感じる。
それは不思議で…
2023年5月に書いた記事...
『コロナ政策の緩和とともに、日本に訪れる観光客が再び増え始めた。特に京都では、戸建住宅を改装して作られた「やどや」が至る所に姿を現し、インバウンド観光客で賑わっている。その光景を見ると、経済が少しずつ活気を取り戻しているのを感じることができた。もちろん、西洋系の大型ホテルも多くの観光客に利用されていることだろう。
それを見ていると、ふと香港のことが頭に浮かんだ。かつて、香港は日本人にとって非常に人気のある旅行先だった。私の記憶に鮮明に残るのは、1980年代の香港、特に九龍の尖沙咀(チムサーチョイ)に集中していたホテル群のことだ。重たいガラスドアの向こうには、高い天井ときらびやかなシャンデリアが輝くエントランスが広がっていた。広々としたロビーは大理石の床と壁で覆われ、どこか香水の香りが漂っていた。その空間には、海外から訪れた旅行者たちが次々と足を運び、高級感に満ちた、まさに「オリエンタルパール」とも言える香港がそこにあった。
私が小学校4年生くらいだった頃だろうか。母は、じっと座っていられるようになった私たち3姉妹を、よく九龍サイドの大型ホテルへ連れて行ってくれた。
当時、九龍サイドでの大型ホテルは、尖沙咀にある喜來登酒店(Sheraton Hotel)、香港凱悅酒店(Hyatt Regency Hotel 移転前の住所:尖沙咀彌敦道67號)、 香港麗晶酒店 (Regent Hotel)、假日酒店 (Holiday Inn Hotel 現:香港金域假日酒店 Kowloon Holiday Inn Golden Mile)、美麗華酒店(Miramar Hotel)などなど。
特に、尖沙咀にある喜來登酒店(シェラトンホテル)や香港凱悅酒店(ハイアットリージェンシーホテル)が印象に残っている。母と一緒にホテルのラウンジでアフタヌーンティーを楽しむ時間は、私たちにとって特別なひとときだった。シャンデリアの下で、上品に並べられたケーキやサンドイッチを一口ずつ味わいながら、優雅な時間が流れていたのを今でも鮮明に覚えている。
人生で初めて『公司三文治』(クラブハウスサンドイッチ)を食べたのは、九龍の喜來登酒店(シェラトンホテル)のロビーラウンジだった。四切れにカットされたサンドイッチがテーブルに並べられ、三姉妹と母、それぞれに一切れずつが分け与えられた。私たちにとって、それは贅沢で特別な瞬間だった。
その時の私は、こんなに高さのあるサンドイッチをどうやって食べればいいのか、まるで見当がつかなかった。とりあえず、上に載ったトーストされた食パンをそっと剥がし、その下の具材をひとつずつ食べてみた。今思えば、サンドイッチをしっかりと手で掴み、口を大きく開けて三層を一気に食べることなんて、当時の私にはとても考えられなかった。
トイレに行く時間もまた、新鮮な体験だった。母に手を引かれて向かったトイレには、「トイレのおばさん」がいた。今ではもうあまり見かけなくなったが、当時、高級ホテルなどの施設では、トイレを常に清潔に保つ仕事をする女性がいて、手を洗った後には白いハンドタオルを手渡してくれるのが常だった。
トイレを出る前、母は小銭入れからエリザベス2世の肖像が描かれたHK$5コインを取り出し、シルバーのトレイにそっと置いた。トレイの上には、他にもHK$2やHK$1のコインが並んでいた。私たち姉妹もトイレを利用したため、母はいつもより少し多めにチップを置いたのだろう。あの時のシルバーのトレイや、母の動作ひとつひとつが、今でも鮮明に記憶に残っている。
初めてクラブハウスサンドイッチを口にした時の感動は、今でも忘れられない。具だくさんのサンドイッチには、ジューシーなチキン、みずみずしいトマト、シャキシャキのレタス、濃厚なチーズ、そしてカリカリに焼かれたベーコンが挟まれていた。しっかりとバターが効いたトーストされた食パンが、それらをしっかりと包み込んでいた。初めて味わったその洋食は、食べ応えがあり、何とも言えない満足感をもたらしてくれた。付け合わせのフレンチフライもまた、子どもたちの大好物だった。だからこそ、私の中ではクラブハウスサンドイッチは今でも「ホテルで食べるもの」という特別な位置付けなのだ。
香港のローカルカフェ、いわゆる「茶餐廳」にもクラブハウスサンドイッチがある。しかし、その中身は少し異なる。チキンの代わりにスパムが挟まれているのだ。きっとコスト削減と長期保存が利くという理由からだろう。『公司三文治』の『公司』は「会社」という意味を持つが、なぜクラブハウスサンドイッチが「会社サンドイッチ」と呼ばれるようになったのか。
さまざまな説があるが、その一つに、忙しい会社員たちがイートインする暇もなく、会社のデスクで手軽に食べられるように作られたという話がある。お腹いっぱいになるボリューム感を持つこのサンドイッチが、まさにそのニーズに応えたのだろう。そうして、このサンドイッチは『公司三文治』と呼ばれるようになったのだ。』
レシピ
<材料 (2人前)>
• 角型食パン:3枚
• ゆで鶏モモ肉:1/2枚
• 卵:1個
• (牛乳:大さじ1 + 塩少々)
• ベーコン:2枚
• トマト:1/2個
• レタス:2枚
• チーズ:1枚
• バター(常温):適量
• マヨネーズ:適量
• 粒マスタード:適量
<下ごしらえ>
ゆで鶏:
1. 鶏のモモ肉に塩小さじ1/4、日本酒少々、きび砂糖少々をすり込み、1時間ほどマリネする。
2. 鍋に水600cc、生姜5g、ネギ5cm、塩小さじ1/2、胡椒少々を入れて沸騰させる。
3. 沸騰したら鶏モモ肉を入れ、再び沸騰したら火を止め、そのまま冷ます。
4. 冷めたらペーパーで水気を取り、厚さ5mmのそぎ切りする。
卵:
1. ボウルに卵を割り入れ、ほぐす。そこに牛乳と塩を加えて混ぜる。
2. フライパンを熱し、サラダ油を少々入れる。
3. 卵液を加え、半熟になったら取り出す。
ベーコン:
1. ベーコンをフライパンで焼く。
トマト:
1. トマトを厚さ5mmの輪切りにする。
2. キッチンペーパーの上に置き、少々塩を振って、水気をしっかり取る。
レタス:
1. レタスをさっと洗い、水気を切る。
2. 綺麗に包むようにして用意する。
<作り方>
1. パンにバターと調味料を塗る
パンの片面にバター、マヨネーズ、粒マスタードの順に塗る。
一枚目、バターがある面上にチーズを置き、トマトを四隅に配置する。さらに、その上に卵をのせる。
2. チキンをのせる
2枚目のパンは、バターを塗っていない面を下にし、ベーコン、レタスでくるむようにして配置する。その上にチキンをのせる。
3. サンドイッチを組み立てる
3枚目のパンは、バターを塗った面を下にして、サンドイッチの上にのせる。手で優しくしっかりと押さえる。
4. サンドイッチを焼く
フライパンを熱し、バターを入れて溶かす。サンドイッチを入れ、キツネ色になるまで焼く。片面が焼けたら取り出し、再度バターを入れて溶かし、反対の面も同様に焼く。両面に焼き色がついたら取り出す。
5. サンドイッチを仕上げる
楊枝をサンドイッチの対角線に4か所刺し、パンを押さえる。手でパンを軽く押さえながら、パンの耳を切り離す。パンナイフでサンドイッチを対角線に沿って4等分に切り分ける。お好みで、サラダやフレンチフライ、ポテトチップスを添えて完成!
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