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コミュニケーションの距離(福祉現場をレクリエーションで支援する人の書いたコラム)

昔の新聞の切り抜きを見ていたら、ある新聞の「支え合う」という記事の中で「認知症とともに生きる方とコミュニケーションをはかるにはアイコンタクトが大切です。その間隔は70センチがいい。それよりも近ければ威圧感、遠ければ疎外感の恐れがある。」という文章がありました。これはスウェーデンのバルブロー・フェリックス医師の話で、医科学的な検証では70センチがいいということが書かれていました。

そういえば、昔、私はこの記事をみて「前ならえ」をし、その腕の長さを測ってみたことを思い出した。たしか60センチくらいで、自分が手を伸ばしただけでは届かない距離くらいになり、相手が手を伸ばさなくては触れながら話すことはできないのかと思い自分はもっと近い距離で話をするようにしていることに気が付いたことを思い出した。

今思い返すと、私は介護現場で利用者さんと話すときは、何かあれば触れられる距離をとるようにしていた(初対面の方とも最初からこの距離かというともちろん節度はわきまえているつもりで)。この70センチは、アイコンタクトの距離を言っているのだが、それでも私にとっては遠い。どれだけ近づけるかは信頼関係の距離でもあるのではないかなとも思っていた。皆さんはいかがでしょうか

いろいろなことを学んだ私は今は自分ではなく、相手が話しやすい距離感を意識しており、パーソナルスペース(個人的距離)といわれる45~120センチくらいを心がけている。
また、レクリエーション支援の際に心がけていることの1つとして、自分と利用者さんだけでなく、利用者さん同士の距離を縮めることもレクリエーションを通して行い、関係づくりを行うことにも重点を置いている。

グループでレクリエーションを円形で行うときは、最終的には自然と隣の人と肩と肩とが触れあうくらい近い距離になってレクリエーション活動を終われればいいなと思っている。 レクリエーション活動を通して、人と人との距離が近づけば、日常生活の中での距離も縮まると思うし、その日常のコミュニケーションで相手との距離が近づけば、さらにレクリエーション活動での私との距離も縮まるという相乗効果がある。

レクリエーションをうまく使って、利用者さんとの交流が深まり、また他の人とも交友関係が広がり、信頼関係を築いていければいいのではないか。それくらいレクリエーションはパワーがあり、意味のあるものではないかと思っている。

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