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生きるって終わりを受け入れ続けることかも

 先週16日、文章から動画制作ができる生成AI『Sora』が発表され、そのクォリティの高さに、動画制作に関わる界隈では、戦々恐々とした意見が飛び交っていますね。

 Chat GPTも今は4、0で、そろそろ5、0が出るとか…。
 とにかく加速度的にAIの精度が上がっていて、今やCMタレントやSNSの案件用のインフルエンサーにも、AIモデルが起用され始めているようで。
 不祥事を起こすタレントと違ってリスクが少ないし、何よりも年を取らないというメリットがあるから、これからもっともっと増えていくと予想されているとか。
 このnoteでもAIアシスタント機能があるし…。

 西野亮廣さんがYouTubeの対談で言っていたけど、「2年くらい前まではなんとなく未来予想ができてたけど、AIの精度が爆上がりしだしてからは、ちょっと何が起こるか読み辛くなった」と言っていた。
 コロナのようなパンデミックは、過去の歴史からも学べる点があって、苦労はしても対応策などは考えられるけど、AIによって世の中がどんな風に変化していくのかは、過去データがないからわからないと。

 テレビが出てきたら映画界が斜陽になったように、SNS時代の今はテレビが斜陽になっているし、雑誌も売れなくなっていたり、世の中の変化で終わっていくもの、終わっていく仕事が昔から必ずある。

 新美南吉さんの『おじいさんのランプ』という名作童話も、ネタバレになってしまうけど、ロウソクよりも安全なランプを売り出して一山当てた主人公が、しばらくすると文明開花で電気が普及し始め、最初は自分の商売が上がったりになってしまうと、村で電気を引くことに反対していたが、電気が通った家の、夜なのに昼間のような明るさに驚いて、「世の中は進んだ。電気の時世になった」と呟き、潔くランプ屋をやめて本屋に転身する。

  そして時は流れ、物置でランプを見つけた孫に、おじいさんになった主人公は、「世の中が進んで自分の商売が古くなったら、いつまでも意地汚くそれにしがみついたり、世の中が進んだことを恨んだりしないことだ」と伝える。

 とても味わい深い文章で、そして生きていく上で大事なことを伝えてくれている。
 綺麗事じゃない世の中のこと、仕事やお金のことを、しっかりと子どもたちに伝えていくのは、本当に大切なことだと思う。

 時代は移り変わっていくもの。
 新しいものが次々と生まれ、時代に合わないものは廃れていくのが世の常。
 だけど、過去の栄光や、過去の名声、過去の肩書きを捨てられずに、もがき苦しむ人は意外と多い。
 でも、先を生きていこうと思うのなら、終わりを受け入れることって、すごく大事なことだなぁと思った。

 元旦に訃報が届いた彼の話しをしてくれた知人によると、彼は、コロナ禍を経て、仕事がうまくいかないようになっていたらしい。
 彼はオンラインが苦手で、オフラインでこそ魅力を発揮できる人だった。
 飲み会やイベントを開催しては、その縁を仕事に繋げる手法だった。
 彼は悪く言えば人たらしで、彼がいるだけでその場の空気がパッと明るくなるオーラがあった。

 でも、コロナ禍でその仕事のやり方ができなくなって、方向転換をできずに苦しんでいたところで余命宣告を受け、「ああ自分の時世は終わった」と思ったのかもしれない。
 自分の終わりを受け入れたからこそ、2年と宣告された余命を待たずに、たった4ヶ月でこの世を卒業したのかもしれない。

 今回この記事のタイトルを決めて、見出し画像をみんなのフォトギャラリーで選んでいたら、綺麗な桜と青空をバックにした『ご卒業おめでとうございます』というこの素敵なイラストが出てきて、ああ…そうか…卒業と思えばいいんだ…と思った。

 生きる上で自分が楽しいと思えることを優先していた彼は、だいぶ非常識だった。
 だから、常識的に生きている周りからは羨ましがられたり、妬まれたりしていたけど、その非常識につられて人生を楽しめた人は多い。

 私もそうだった。
 だからこそ、50歳でママアイドルなんて企画に応募して、最年長ママアイドルとして、AKB48の番組に出たり、西武ドームでパフォーマンスするなんていう、奇想天外に面白楽しい思い出を作ることができたのだ。

 そんなバカな事してないで、ちゃんと彼との未来を築くよう地道に働いてもっとお金を貯めれば良かった…と、彼の訃報を知らされた後になって思ったりもしたけど、もう終わったことだと受け入れたら、本当に非常識で楽しかったと思えて、感謝しかない。

 非常識に楽しく、自分の人生を生き切った彼に『卒業おめでとう』と言おう。

 お葬式には参列できなかったから、1人で卒業式をしようと思う。
 『お葬式という儀式は、亡くなった人のためにあるのではなく、遺された人たちが、しっかりと生きていくために、故人の死を受け入れるためのもの』と、両親の葬儀の時に、お寺のご住職から伺った。

 だから、【彼は精一杯自分の人生を生きて、そして卒業していったんだ】そういう風に受け入れよう。

 来月3月15日は、天赦日・一粒万倍日・寅の日が重なった最強の日。

 この日に、埼玉県秩父市にある三峯神社を参拝するバスツアーに、2シートで申し込んだ。
 神社仏閣が好きな私は、いろんな神社やお寺に彼を連れ回したけど、スピ系を信じない彼が、唯一「ここのパワー凄い」と言ったところだ。
 水をかけると石畳に浮かび上がる龍の姿にも感動していた。
 ここで、彼の卒業式をしようと決めた。


 今年は辰年だし、宇宙元旦(春分の日)を前に、卒業という終わりを受け入れて、私がこれから生きていく上で、力をもらえる気がする。

 終わりを受け入れ続けるのが、生きていくことなのかもしれない。
 そんな風に思って書き留めてみました。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

卒業おめでとう🌸

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