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【エッセイ】勝利宣言!燃え尽きちまったぜ

 私は締め切りがないと書けないのだと、noteを始めてからつくづく思った。
 「好きな時に、好きな事を、自由に書いていい」としたら、全然書けないテイタラクで呆れた。
 でも、実はそれだけではない。
 私にとっての長い長い戦いが終焉し、燃え尽きていたのだ。

 前回のエッセイ『裕福な親ガチャだとて』で少し書いたモラハラ夫の件だ。
 絶対に死ぬまで自分の過ちに気付かないだろうと思っていた夫。
 でも、絶対に気付かせなければ死ねないと、私は思っていた。
 「おかしいやろ!」という気持ちが絶対的にあって、他の立派に自立した女性達なら、とっとと別れてキレイサッパリ過去の事にするのかもしれないけど、執念深い私は、「やられたらやり返す!倍返しだ!」と半沢直樹が言う前から、ずっとそう思っていた。

 「絶対に幸せにするから」とさんざん口説いたから、その力強い言葉を信じて結婚したのに、一人娘が2歳の時に起業してからは、どんどんと横暴になっていき、喧嘩をすれば「俺が食わしてやってる」に始まる数々の暴言。
 そして気に食わないことがあると食卓で箸を投げるなどの昭和っちくな暴挙。
 「幸せにする」どころか、娘が2歳以降、家族団欒の記憶なんてない。
 このままではコイツを殺してしまうかもしれないと思い、娘が中学に入学する前に「出て行け」と夫を追い出した。

 自分の過ちを認めると共に、それ相応の慰謝料を勝ち取って、違った形であろうとも「幸せにする」という約束を果たしてもらわないと終われないと思っていた。
 そして別居してから20年。
 とうとう夫が自分の非を認め、「俺が悪かった」と謝罪し、希望を上回る慰謝料を認めさせるに至ったのだ。
 それでも、夫のプライド上、慰謝料という名目ではなく財産分与という名目になったが、それくらいはモーマンタイだ。
 それはあまりにも突然起こったことで、嬉しくはあるけど、張り詰めていたものが切れたようで、「あしたのジョー」のように燃え尽きちまって、脱力した日々だったのだ。
 さんざん私から話を聞かされ続けた親友でさえ、電話口で「感無量だわ…」と呟いたくらいだ。

 もしかしたら私は、夫への怒りをエネルギーにして生きてきたのかもしれない。
 私の心の中には、常にファイティングポーズの私がいたのに、今はもういない。
 本当に燃え尽きた感がある。
 でも、勝利宣言のガッツポーズは間違いなく心の中にある。
 これから粛々と手続きなどを進めていき、全てが終わったら、生まれ変わった自分で、人生の最終章を生きていくのだ。

 でも、「気付いてよかったよ、アンタ」って、夫に対して心から思う。
 罪を償って人生を終えられるのは、やっぱり運の良い事だ。
 私たち夫婦の生年月日で占うと、どうやら私たちはソウルメイトらしいと最近知ったので、夫にしたら私によって学びを得られたこと、私にしたら辛い事が多かったけど、人生の最後にちゃんと報われたことで、全てが丸く収まった。
 ソウルメイトって言われて、この関係が腑に落ちた感がある。
 そして、この突然起こった平和的解決には、かなりスピ要素が強いのだが、その辺のところは、次回書きたいと思う。

 では、また…。

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