見出し画像

ドラマで生き方を考える:「いちばんすきな花」第8話

美鳥の会でしたね、今回はなかなか重苦しい雰囲気でした
美鳥の子供時代、どうやら母親に問題があるようで親戚中をたらい回しにされ生活していた、喧嘩をしてはどこか怪我していた。
中学時代同じクラスだった椿と将棋で遊ぶようになり椿の家は美鳥にとって居心地が良かった、彼女の将来の夢、家が欲しい

憂いを帯びた田中麗奈の表情の背景にはそのような過去があったのですね、中学時代の美鳥を演じた女優さんもいいですね、端正な顔立ちだけどどこか影がある。

どこに行っても居場所がない、家庭の中にも居場所がない

美鳥にとって家を建てるというのは暖かい家族の象徴だったのでしょう
カウンセリングの分野で家族療法というのがあります。アメリカで1950年代に誕生、一気に方法論として拡大し1980年代に日本に入ってきたカウンセリング手法です。それまで個人を対象としてきたカウンセリングの世界に、家族など周囲との関係性の理解と支援という概念が入ってきたのです。問題に関する捉え方はメンバーによって異なります。誰が正しいとか間違っているとかではなく関係性=システムとして捉えるのです。例えば

母「長男の不登校が問題」
父「母親の過保護が不登校にした」
長男「不登校は自分の問題なので放っておいてほしい」
長女「我が家の問題は父母の不仲」

「ライフデザインカウンセリングの入門から実践へ」日本キャリア開発研究センター

このようにメンバー各自の観点で物事を認識しているのです。特定の誰かだけを問題視するのではなく、関係性の中での支援です。
また、関係性を拡大してみると学校の問題も影響しているかもしれません。このように個人だけをみるのではなく周囲の関係性をとらえることがカウンセリングで大事なのです

美鳥はどこかしら孤独感を抱えていますが、ゆくえ、椿、夜々、紅葉の4人も孤独であるゆえに寄り添っているようなところがあり波長が合うのでしょうね。今後の展開に目が離せません

今回もう一つ印象的だったシーンで

嫌いなポジティブな言葉

を4人がお互いに言い合う場面「他人は変えられないけど、自分は変えられる」「死ぬ気で頑張れ。死なないから」「生まれ変わったら、あなたになりたい」「止まない雨はないし」……。

確かに言われてみると、それらの言葉はいい言葉だとは思いますが何か押し付けがましくて嫌だなというのもわかりますね。

そこには勝ち組の論理があるからかもしれません、勝ち組の人が人生を振り返ってみるとそうだったということであり、困難の只中にいる人にとっては心に届かないケースもありそうです。これらの言葉はまず理想的な姿を想起し、バックキャストで考えるようなところがあります。ただそもそも理想的な姿自体が描けない人もいるわけです、自分が何をしたらいいのかわからない、何ができるのかわからない、、、特に自分の能力だけではどうしようもない家族問題を抱えている人は理想自体を描けないのではないでしょうか

そんな時にいつも思うのが、困難な人生を生き延びるためにアジャイル型開発手法の考えを取り入れてはどうかということです。システム開発のお仕事の人にはお馴染みだと思いますが、アジャイル型開発とは詳細な仕様を決めず、おおよその仕様を作り実装とテスト、改善を繰り返しながら仕上げていく手法です。

若い時に人生トータルの”仕様”を作ることは難しいと思うんですね、まあ大谷翔平のような超弩級の天才&努力の人は別ですが、、、
なので普通の人としては、ざっくりとしたイメージでまず動いてみる、実装して投入してみる、その時の自分の気持ちや周囲の反応を見て改善する、そんな中で思いもよらぬことが好きになったり、出会いがあったりする

バックキャスト型のポジティブ思考も大事ですが、アジャイル的に今できる小さいことをやってみるというのも大事ではないでしょうか

ではでは





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?