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vol.11 日本人が感じる“便秘”とは?

前回は、便の排出機能についてお話させて頂きました。今回は、人は何をもって自分が便秘だと認識するのかを考えてみましょう。

排便は日常的な生理現象の一つとして、周りの人と話すこともあまりないでしょうし、何か問題があったとしても、「自分の中での当たり前」のこととして深く考えることもなくなってしまい、排便の問題そのものが習慣化していることが往々にしてあるようです。

ですが、前回述べたように、空気中の汚染物質、食べ物に含まれる化学物質、添加物など可能な限り排出しておきたいものが、たくさん身体の中に侵入して来るという状況そのものを避けること自体、現代は非常に難しいのです。何日も便が出なくて、それらが、もしも、身体の中に留まっていくことを考えると・・・・少し心配になりますね?

便秘の定義は国によっても差があるようです。個々の生理現象として、非常にプライベートな領域ということもあり、調査も難しく、なかなか精細な調査は進んでいないようですが、Prevalence and Self-recognition of Chronic Constipation: Results of an Internet Survey という文献によると、約5000人への調査の結果、便秘だと認識している人の割合は28.4%、また、25%は週に8回以上の排便回数があると答えた一方で、8.4%は週に2回未満の排便回数と答えています。

日本内科学会が定義する指標があるのですが、実際にはその指標と自分が便秘だと認識する人の個人的な感覚とは大きなズレがあるようです。便秘だと答えた方は、「排便回数が少ない」「排便しにくい」「便が固い」「薬がないと排便できない」などを感じた方が便秘だと認識しているようです。20代の女性は便の固さを特に感じていて、それ以降の年代も男性より便秘を感じる割合は多い傾向となっています。

私のジムに来られるクライアント様も、便秘ありますか?と質問したら各々がyes,noと答えるのですが具体的に頻度を聞くと、その認識に差があります。

毎日1回以上出ている人はもちろん便秘ありませんと答えます。ですが、2〜3日に1回の方でも便秘じゃない、と答える方もいます。

経験則では3日以上出ない、もしくは出ていても兎の糞状で満足な形で出ていない、スッキリ感がない方は便秘だと認識しております。

そして、便秘の方に多いのが慢性的な怪我、炎症が起こりやすい。しかも、治りにくい。睡眠障害があったり、気分が沈みがちだったりします。この辺りの話については、腸内細菌などの影響も考えられますので、また違う機会にお伝えしたいと思います。

次回は、便が排出されるメカニズムについてお話したいと思います。

一度、是非とも、ご自分の排便の質や頻度について、しっかりと意識をし、自身の症状について再確認してみてください。


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