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「Rebirth(仮)」(15)

前回(14)

兄の回顧ブログの続き

2014年 治療を続けながらの日常

長い入院生活は一区切りついたが、2014年になってからも抗がん剤治療は続いた。副作用が強く出ていくつかの抗がん剤は使えなくなったりして、結果的に3週間抗がん剤やって5週間休みのサイクルに落ち着いた。

5週間の休みの間は大学に行ったり、飲み行ったり、かなり遊んだ。健康な日常を謳歌していた。

この期間に投与する抗がん剤の量は入院時に比べて少ないのだが、この治療はかなり辛かった。特に最後の3週目がきつく、吐きまくった。もう吐けるものがなくても、えずいて、一日中寝込んでいた。
体重も毎回5キロは減って、3週間空けたころには心身共に弱った状態だった。
そこからまた、5週間かけて取り戻すのだが、いい頃にまた抗がん剤の期間になってしまう。それの繰り返しだった。


辛かったが
「これを我慢すれば、病気と決別できる」
と思って治療を受け続けた。

2014年、卒業、2015年へ

体調が良い時期は、よく遊んでいたが、再発の恐怖に常に怯えていた。

その恐怖を紛らわすために、飲み会に行ったりしてたとも言える。

毎回病院の日が嫌で仕方なかった。採血にもしなにか出たら、、と緊張していた。
急性リンパ性白血病は再発すると非常に治りづらい、単純にかなり死が近づく。
「問題ないですよ」
という先生の声を聞くと
「また、次の外来まで生き延びた…」
誇張抜きにそんな感じだった。
まぁそこまで思う患者も珍しいと思うけど、俺はビビりだからさ!


その後も、辛い治療、健康な日々の往復をしていた。卒論は治療の時期でも書かないと間に合わないので、治療の時期でも頑張って、なんとか書き上げた。単位もクラスの先生の理解や、友達の協力によってギリギリ卒業単位を取ることができた。ありがとうございます。

こうして、楽しかった大学を卒業し、治療終了から無事1年を迎えたのであった。

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