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【感想文】panpanya『魚社会』

漫画を読んで感想文を書こうと思ったのは初めてだった。
今までの人生で、感動した漫画や面白い漫画はいくつか出会ってきたが、これは感想文を書かなければな、と思うものは出会ったことがない。
感想文は、小説に対して書くものだと思っていた。

そんな私の固定観念をつき崩してくれた漫画が、
タイトルにもなっているこれだ。

『魚社会』panpanya

独特な雰囲気。
でも、とても読みやすく、
内容が難しい訳では無い。
それでありながら、
ライトに読んで楽しむこともできるし、
深く考えるためのきっかけを与えてくれる。
夢と現実の狭間にいるような特殊な世界観と、
たまに挟まれるエッセイが
いい塩梅すぎて、たまらない。
当たり前のように犬が話してるのも癖になるし、
突飛な設定でも淡々と日常を送る主人公に
思わず笑ってしまう。

《画》になるような
アクションがあったりするわけではない
エッセイ系の漫画でよくあるのが、
「漫画にしなくても文章でいいじゃん」
という失敗(?)だが、
この作品は絵にすることで
文による状況説明を省き、
見てわかりやすいポップな感じを出しつつ
描き込みをしっかりすることで
妙な説得感をも両立させているという点で、
漫画という形式で納得できる内容になっている。

秋の夜長に、奇妙な世界に没入したい方、
是非。

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