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【SSW21:WORKS】感謝を胸に、人生経験をいかして歌で希望を届け続ける

ピアノ弾き語りシンガーソングライター、小野亜里沙(おの・ありさ)。彼女の音楽活動への取り組み方や、代表曲に込められた思い、今後の目標などを聞いた。

「ありがとうは奇跡の言葉」

2010年ごろから約12年間、本格的な音楽活動をしてきた小野。モチベーションはどのように維持しているのだろうか。

「辛い気持ちを知っているから、止まれないって感じです。歌わなきゃ、みんなに希望を届けなきゃ、って。悲しんでいる人がいたら、すぐに駆けつけたいんです」。

まるで、物語に出てくるヒーローのようだ。

「これはもう、性格だと思います。小さいころから、直感で生きてきました。良い人との出会いに恵まれて、良いアドバイスやお仕事をいただいて、皆さんが愛情を注いでくださったおかげで生きてこられました。感謝しかありません。だからこそ、歌って返していきたいという気持ちでいっぱいです」。

もっとも、現在の心境へ至るには、時間がかかった。

「音楽活動を始めたばかりのころは、嫌な事もたくさんありました。私を否定する人とかも。でも、結局は鏡なのかなって。『人を変えるよりも自分が変わろう!』と決めたら、全部変わったんです。たとえば髪を切ってショートにして、路上ライブのときはジーパンしか履かない、とかやってみたり。そうしたら変な人が来なくなりました」と笑う。

「だけど今は、私は私のままで生きようと決めています。周りには素敵な人ばかりいてくれます。沢山の学びを教えてくれました」。

うつ病を患っていたことを公表した際にも、変化があった。

「やっぱり、公表前の私のキャラが好きだったひとは、いなくなっちゃいましたね。代わりに、辛い思いをしてきたひとに歌を聴いてもらえる機会が増えました」。

結果として、よりよい環境で活動ができるようになったと語る。

「私のファンでいてくださる方は、本当に素敵なんです。苦しみを抱えながらも、前を向こうとしている。諦めてないんです。逆に励まされる事もあります。私の歌が皆さんの支えになれていたらいいなと思います」。

そんな彼女は、物心ついたころから作曲をしてきた。これまでに生み出してきた楽曲は数えきれない。なかでも代表作と呼べる楽曲が、『ありがとうは奇跡の言葉』だ。

「もう10年以上前、20歳ぐらいのころに作った曲です。当時はまさか、これが自分の代表曲になるとは思っていませんでした。封印していた期間さえあるくらいです」。

病気がちで入院していた彼女が、回復に至るまでの思いが詰め込まれている。「Aメロには、心の風邪を引いていたころの思いを綴っています」。

生きることが辛く、自ら死を選ぼうかと考えたことすらあった。

「でも、元気になって、素敵なひとたちと出会えたときに、『今までの経験があったからだ』と思えたんです」。

発想の転換であり、心の転換だった。

「たとえ不幸でも、不幸でなくても、この道を歩いてきたから、大好きなひとたちと出会えた。何かが少しでも違ったら、会えなかった。過去の経験は変えられないけど、意味は変えられるかもしれない。だから、全てに『ありがとう』って。感謝できたとき、人は前に進めるのかなって。めっちゃ奇跡やん、って考えたときに、この曲が完成しました。私のことを書いてはいるけれど、色んな方に共感していただけるような表現を心がけました」。

2021年4月3日には、再録盤をリリースしている。ぜひ聴いてみてほしい。

自分にしかできない形で、希望を届け続けたい

現在は月3~4本ほど、ライブハウスなどで演奏している小野。インターネットラジオ・Shibuya Cross-FMでは、毎月第一月曜日に音楽ラジオ番組を放送中だ。LIVEコミュニケーションアプリ・Pocochaでの配信も、週2回ほどのペースで続けている。

「ライブでもラジオでも、配信でもなんでも、私に興味を持ってくれたら嬉しいです。元気がない人はもちろん、元気があるひとも、ぜひ繋がってください!」。

情報発信のツールは、ホームページやアメーバブログ、Twitter、Instagramと、多岐にわたる。なかでも力を入れているのが、ファンクラブでの活動だ。入会プランは2種類あり、それぞれ特別な動画を視聴したり、オンライン配信に参加したりできる。

「一番の目玉は、会員限定のオフ会で、一日中遊ぶっていう企画です。参加してくださる方皆さんの心が解放できる場所になれたらなぁって。毎回皆さんのプライベートな一面や笑顔を見ると嬉しくなっちゃって私自身が楽しすぎて、帰りたくなくて、予定より時間が延びちゃいます」と、声を弾ませる。

「本当は半年に一回のペースのつもりでしたが、毎月開催しています。ファンの方同士も仲が良くて、人見知りな方でもそれぞれに楽しんでいただけていて、理想的な状態だなって思います」。

リスペクトしているアーティストとしては、川嶋あいの名前を挙げる。

「彼女は、私の人生を変えてくれました。音楽性はもちろん、東日本大震災の被災地へ歌いに行ったり、音楽を通じて誰かを癒そうとするところ、誰に何を言われても自分を貫く姿がすごいです。アーティストとしてはもちろん、人間として尊敬しています」。

これからやりたいことは?と訊ねると、「『目の前の人に音楽を届けていきたい』っていうのは変わりませんが、『目の前』の範囲を広げたいって気持ちがあります」。

特に、子どもたちに向けて歌いたいと考えている。

「学校とか、子どもが集まる場所で歌う機会を増やしたいです」。

自分の演奏に合わせて子どもが楽しむ様子に、やりがいを覚えている。

「子どもは素直で、楽しそうにはしゃぎながら音楽を聞いてくれます。さらにその姿に周りにいる方々も癒されているのが伝わってこっちまで嬉しくなるんですよね」。

かつて自分が通っていた病院にも、歌いに行きたいと考えている。

「私は、学校でいじめられたり、うつ病を患ったり、辛いことをたくさん経験してきました。そんな経験が、少しでも役に立ったらいいなって思っています。自分だから話せること、歌えることがあるんじゃないかなって」。

ライブも、ファンクラブも、配信も、共通しているのは「聴いてくださる皆さんの『心が安心できる瞬間や場所』を作っていきたい」という思いだ。

「そして、これは音楽を始める前から決めていたことですが、世界中に学校などを作るのも目標です」。

何度挫けても、立ち上がれる。どん底の気持ちを味わっても、幸せになれる。彼女の音楽はもちろん、その生き様は、きっと誰かの希望になるだろうと思った。

text:momiji 

Information

2021.4.3 release 『ありがとうは奇跡の言葉』他、CDおよびグッズは、ライブ会場またはWEB SHOPにて好評販売中!

2022.12.3(Sat) Open 11:40 Start 12:00
あり子の新しいお部屋が決定!!
2カ月に一度のゆるっと単独公演
「あり子の衣装部屋」

[会場] 東京音実劇場(東京都世田谷区玉川2-26-3 N2ビル地下2階
[料金] 前売 ¥3,500 / 当日 ¥3,800 / 配信 ¥2,500
[出演] 小野亜里沙 [サポート] ギタリスト 高田慶ニ

2022.12.31(Sat) Open 19:30 Start 20:00
小野亜里沙単独公演初カウントダウンライブ
〜ライブxオーノナイトニッポン?!〜

[会場] GRAPES KITASANDO(東京都渋谷区千駄ケ谷4-3-11
[料金] 前売 ¥4,000 / 当日¥4,500 ※1ドリンク&年越しそば別¥1,500
[出演] 小野亜里沙 [ゲスト] 森崎舞華 [サポート] ギタリスト 高田慶ニ

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