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【SSW27:WORKS】繋がりを生かして、我がままに、誰かの居場所になる音楽を作る

シンガーソングライター、バンドマンとして活動している犬塚(いぬづか)モブ。彼の代表的な作品や、楽曲制作へのこだわりを聴いた。


つながりを武器にする

犬塚は、音楽を通じて人と出会い、コミュニケーションを取ってきた。

「最近は、SNSで知り合った子たちと、東京でオフ会をしてます。福島や愛知、長野、茨城や北海道など、全国から集まるんですよ。バックボーンの違う人たちが音楽について語ったり、遊んだり、アマチュアもプロも入り混じって、お互いに刺激を受けています。僕が上京したら、もっと開催の頻度を上げたいですね」。

そんな彼の人脈が結実した作品の一つが、2022年10月23日にYouTubeで公開したMV『雨上がり、快晴の空』だ。

「昔のバンドでの知り合いとか、友人の紹介で繋がった人とか、あちこちに声をかけて協力してもらいました」。

楽曲のアレンジを担当したマルチアーティストのWiz_nicc氏をはじめ、錚々たるクリエイターたちが集結。さらにイラストは新進気鋭のイラストレーター・萩森じあ氏が手掛け、透明感のある映像に仕上がった。

「『雨上がり、快晴の空』は、10年くらい前、ギター弾き語りを始めて間もない時期から歌っている楽曲です。当時、大学へ行く前に、コンビニでアルバイトをしていました。ある日、行きは大雨だったんですけど、バイトが終わって帰るころには晴れていた。その空を見ていたら、急にメロディが浮かんできたんです。長年歌っている代表曲だからこそ、恥ずかしくないMVを作りたくて、みんなの力を借りました」。

音楽を通じて人の輪を広げ、作品の質も高まっていく。

「つながりこそが、ボクらの武器。」とは、とある映画のキャッチコピーだが、彼の話を聞いていると、まさにそのフレーズを使いたくなった。

次はどんな作品を届けてくれるのか、楽しみだ。

歌詞や音作りへのこだわり

ソロやバンドとして作ってきた楽曲の総数は300を超える、と語る犬塚。

「メロディが先でも、歌詞が先でも、どんなパターンでも作れます。一番アイディアが思い浮かぶのは、入浴中などのリラックスタイムですね」。

現在は、自らDTMを駆使して、アレンジまで全て一人で行っている。

「自分に無いものを、どんどん取り入れていきたくて、最近はラップに挑戦しています。犬塚モブとしての最高を更新していって、いつか『何をやってもモブの歌』という状態になれば、僕の勝ちかなって」。

これまでの経験を踏まえつつ、新しい音楽をやりたいと考えている。

「今までは、誰かのために歌っていました。でも、昔と同じことをやっても、意味がありません。曲調や基盤は同じでも、マインドセットを変えることにしました」。

自分の奏でたわがままが、誰かの幸せや喜びになったら最高だ、と考えた。

とはいえ歌詞を書くときは、自分が言いたいことを伝えるだけでなく、聴き手の共感を得られるように心がけている。

「時代に合わせて、ダークな歌詞を入れることも増えました。100%明るい、太陽のような希望より、絶望的な闇のなかで微かな光に手を伸ばす、という方がエモいかなと」。

音作りにもこだわっている。

「不協和音からの誠実な音、ってのが芸術だと思ってます。僕が思う『良い音』は、ちょっと物騒な表現ですが、『心臓にメスを刺す音』です。ざっくり言うと、僕の音を聴いて、生まれ変わってほしいんですよ。自分の音楽が、誰かの居場所になったら嬉しいです」。

人生に悩んだときは、ぜひ彼の楽曲を聴いてみてほしい。

text:momiji 

Information

https://www.instagram.com/utau_inuzuka_mob/

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