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不動産の「ミドルリスクミドルリターン」とは?

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不動産は他の資産と比べ、 「ミドルリスクミドルリターンである」 という表現をよく聞きます。

このミドルリスクミドルリターン、どういうことなのでしょうか?

また、不動産をミドルリスクミドルリターンという特徴のみで判断すると思わぬ落とし穴があるので、その落とし穴についても解説します。

ミドルリスクミドルリターンとは?①
~債券<不動産<株~

ミドルリスクミドルリターンの説明として最も分かりやすいのは

「預金や債券よりはリスクリターンが大きく、株よりはリスクリターンが少ない」

という点です。

「不動産=ミドルリターン」について

まずはリターンの部分。
今や銀行に預金しても、利息がほとんどつかないのは誰もが知るところです。
債券は国債、米国債や社債など、多岐に及びますが、利回りは0.1%~5%程です。

一方、株式は、配当利回りが10%を超えるものもあります。

不動産の利回りは債券と株のちょうど間に位置する3-10%程度となっており、ミドルリターンと言えるのが分かります。

「不動産=ミドルリスク」について

リスクも債券や株の中間に位置します。

リーマンショックのとき、株式市場はパニックになり、日経平均株価は半値(14,000円→7,000円)になりました。

出典:http://apl.morningstar.co.jp/webasp/marketevent/page/r2008.html

一方、債券は不況に強い資産とされ、国内債券、海外債券ともに大幅な下落は見られませんでした。

不動産も、リーマンショック時に影響を受けましたが、株式ほどの下落とはならず、20%程度の下落でした。
地域やアセットによっては大きく下がった不動産もありましたが、不動産全般で均すとこの程度でおさまっています。

ミドルリスクミドルリターンとは②~賃料収入~

賃料収入もミドルリスクミドルリターンと言えます。

賃料は入居者がいて滞納されない限り、毎月一定額が入ってきます。
企業業績で配当額が大きく変わる株よりは安定的と言えます。

一方、賃料は建物の築年数経過とともに下落するのも事実。
新築から築30年ほど立つと、賃料は20~30%下落するのが相場です。

株より安定性ある権利収入ですが、債券ほどではない。
やはり債券と株の中間的な存在と言えるでしょう。

ミドルリスクミドルリターンの罠

ここまで見ると、不動産は「よくも悪くも債券と株の中間」と言えます。

しかし、これだけではミドルリスクミドルリターンという言葉に隠れて不動産特有のリスクを見落とすことになります。

それは
①「投資単位が大きい」
②「流動性リスクが大きい」

という点です。

※不動産のリスクは他にもありますが、ここでは分かりやすくこの2点に絞って説明します。

投資単位が大きい

不動産は商品の特性上、投資時の必要額が大きく、一般的には1000万円~、どんなに安くても数百万円は必要になります。

1万円単位から始められる債券や株とはケタが大きく違います。
(投資信託なら最近は100円から始められる商品もありますね。)

額が大きいということは、損失額も大きくなるということ。
例を出してみましょう。

  • 株に100万円投資して50%損→50万円の損失額

  • 不動産に2000万円投資して10%損→200万円の損失額

価格下落するまでに賃料収入を享受できればいいのですが、
「かぼちゃの馬車事件」のように入居者も入らず、不動産も七掛けでしか売れない、となると悲惨です。

流動性リスク

現金化に時間がかかる、という点も不動産特有のリスクです。

不動産の場合、債券や株のように公開された市場があるわけではなく、売却には数ヶ月はかかります。
場合によっては年単位の時間がかかります。

また、値下げしたら確実に売れるか、というとそうでもないところが厄介です。

まとめ

不動産がミドルリスクミドルリターンであるというのは当たってはいます。

ただ、この言葉のみで不動産を判断すると他のリスクを見落とすので十分注意しましょう。

また、今回は規模と流動性リスクに絞って説明しましたが、不動産が抱えるリスクは他にもあるので注意してくださいね。

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