仕送り練習生

イタリアでビザが切れかかった頃、練習生としてイタリアに残るという選択肢もあったんです。

その頃はEUもない時代で、イタリアではビザの発行が厳しくて、簡単にワーキングビザを取得できなかったと記憶してます。

提示された練習生の説明では、試合前日の練習には参加できないので、試合に出る事(練習生からの昇格)はない。
外国人枠を“日本人“に使う事は無いという事でした。

ワーキングビザが発行されないので、イタリアでバイトはできない。
日本からの仕送りを受けることができるのであれば、話を進めるという事でした。

イタリア留学は、自分に対しての挑戦だったので親に頼る事を極端に嫌っていました。
留学費用も自分で用意してのチャレンジだったので、親に相談する事も出来ませんでした。

練習では、デモンストレーション役もするくらいだったから、イタリアのチームに入ることができるのではないかと期待をしていたのですが、、、

もしかすると、説明の解釈を誤っていたのかもしれないし、とりあえず金が尽きるまでチャレンジしても良かったかもしれません。

プライドなのか、ただの逃げなのか今となっては迷宮入りの謎となってます。

しかし、そんな私を(私は無宗教ですが)神様は見捨てなかったのです。

練習生を断り、帰国する事を伝えた時に、ある人を紹介するから帰国したら連絡したら良いよと言ってもらったんです。

日本に帰国して少し経った頃にイタリアで紹介してもらった人に会うことができました。

その人との出会いで、、私の人生は劇的に変わりました。

普通に生活をしていたら、会うことのできない次元の異なる人とも出会うことができたし、本来なら経験ができない事を経験する事ができました。

カッコが良い言葉ではなく、サッカーしかしてこなかったけれど、サッカーをしていた事でいろんな体験をすることができたので、これからの余生は、サッカーに感謝を持ちサッカー文化の向上に努めていきたいと思うのです。

サッカーしかしていなくても、一生懸命やっていれば余生は安泰であることを伝えていきたいです。

ちなみに日本でプロを目指していた時に、「日本では高校で全国大会に出てないと厳しいよ」と言われたことがあります。
実は私のサッカー人生の分岐点は、イタリアで練習生になる選択肢ではなく、高校進学の時だったんですね。

ただ、皆に「高校進学の時に強豪校に行けばよかったんじゃない?」と言われるけど、高校生活は楽しかったので、その選択肢は無いと今は思うのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?