「マイクロアグレッションを吹っ飛ばせ」 (渡辺雅之)①

【勉強になった言葉の数々】
◉この本は、自分の中にある差別意識や社会の差別構造に気づき、
 人権とは何か? 「どうすれば互いの違いを尊重しながら、みんなが幸せに暮らせる社会がつくれるのか」をテーマにしたもの。
◉マイクロアグレッションとは
“誰かを差別したり、傷つけたりする意図があるなしとは関係なく、対象になった人やグループを軽視したり侮辱するような敵対・中傷・否定のメッセージを含んでおり、それゆえに受け手の心にダメージを与える言動”
◉そもそも、マイクロアグレッションは私たちの日々の生活や会話の中で「ふつう」に語られることが多く、発した本人もその問題性(加害)に気づかないという特徴がある。
◉多くの場合 発している本人に悪気なないためにギャグとして受け取られ、それゆえ周囲も同調し、笑ってすませることで問題(加害)は社会の中に埋め込まれていく。
◉言動の背景には、肌の色や文化、ジェンダー、民族など自分と異なる(と思っている)他者に対する無意識の偏見や蔑視が含まれており、対象にされた他者を深く傷つけるから問題なのです。
◉そして対象にされた個人や集団を不当に扱うことが「アタリマエ」とされ、差別する空気を社会のスタンダードにしてしまうという問題なのです。
◉世界人権宣言にうたわれているような〜〜〜人類が苦労の末たどりついた人権の考えを否定し、誰もが人として持っている幸せに生きる権利を奪うことにつながる。

◉差別問題を考えるときの6つのポイント
 ①差別は常に合理化を伴う
  →いじめ差別行為を行う人は自分の行為行動を正当化するもの
 ②力の強い方(多数)から弱い方(少数)へ向かう
  →差別は権力関係を基盤に起きる(非対称性の関係)
 ③弱い人はいないー力の差はつくりだされたもの
  →「もともと弱い人」がいるのではない。社会的に“権力関係の中で”生み出されている。。。。。私たちが目指すべき社会は「弱者を思いやる社会」ではなく、「弱者をつくらない社会」である
 ④当事者(された側)がどう感じているか?
  →日本のTVでのタレントの
   「黒人をまねた黒ぬりメイクパフォーマンス」を観た当事者の感想:
  アメリカ人にとってはblack face はただ唯一否定的な意味しかない
 ⑤差別問題は歴史的な文脈で考える
  →19世紀アメリカで生まれた「ミンストレル・ショー」:
   ブラックフェイスが笑いの種として使われる場合、暗黙の偏見を助長する。日本においてしばしばみられる外国人の「他人化」を悪い方へ導く。
  肌の色に対する感情や態度につながる。。。。当事者はマイノリティーであり、意見を表明するのはとても難しい。
 ⑥差別は社会の問題ーすべての人が当事者である
  →いじめ現象ー動物行動学「ペックナンバー現象」
   :いじめを生み出す空間を解き放ち、「集団」そのものを丸ごと変革する必要があることを示唆している

◉差別を作り出しているのは 社会のマジョリティーです。よって解決の責任を負うのはマジョリティーであるべきです。

◉ “肌の色や育ち、宗教で他人を憎むよう生まれてきた人などいない。
  人は、憎むことを学ぶのだ。もし憎しみを学べるのならば、
  愛を教えることだってできる。
  憎しみに比べ、愛はずっと自然に人間の心に届く”  
          by ネルソン・マンデラ

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続く。

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