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うつ病小説『蝉氷』を紹介します。

こんにちは、うつ既往歴のある管理職です。

コロナウイルスに関するニュースを聞かない日はない位になってきましたね。みなさんいかがお過ごしですか?

さて、私が闘病中の経験をテーマに書いた小説『蝉氷』が4/4からAmazonで購入いただけるようになりました!

この『蝉氷』は私が人生で唯一、書いた長編小説でお恥ずかしながら後述の作品賞に応募した作品です。書いたきっかけや、この小説を通してお伝えしたいことを書きましたので是非、ご覧ください!!

うつ病小説『蝉氷』の生まれたきっかけ

私は転勤先の上司からのパワハラで適応障害を発症し、うつ状態、不安障害、双極性障害・・と精神疾患と言われるものの症状を様々経験しました。

「うつ病は心の風邪ではありません」なんて綺麗な言葉を見かけましたがそんなピュアなものでは皆さんないですよね。私は主治医のクリニックに駆け込み、ドクターストップを伝えられた日の朝のことを今でもはっきり覚えています。

朝、起きた瞬間にインフルエンザみたいに具合が悪いのですが熱を測っても平熱。どんどん体が重くなり、ずっとものすごい重いリュックを背負っているかのような感覚・・・

うつ病になった人は会社ではいらない。人事評価も地に落ち、復職しても精神疾患の既往歴がある者としてのラベルを貼られ続ける。休職中はいなかった人としてパージ(隔離)され、問題社員として退職勧奨めいた対応をされる。パワハラ、モラハラ・・・なにがあっても最後は”あなたが病気だったから”という理由であなたが悪いことになる。だから、泣き寝入りする。

これは多くの声を出す気力さえない、また、もう声を出せない人たちが経験したことではないでしょうか?みなさんも1つ、2つ心当たりはないでしょか?

三浦光世さんとの出会い

絶望の中、私は真っ白になりかけました。もう駄目かと本当に思った。ただ、部屋の天井を見つめる日々。もう、終わりでいいやと思い、目を閉じた。そんな時、脳の中にかすかに残っていた幼少時代の記憶を思い出し、誰かが自分を認めてくれた、見守ってくれていることを思い出したのです。

それで私は少しずつ 、自分を作り直していきました。陶芸ではないですが、自分という器をいちから作り直していく。

粉々に壊れる前、自分がどんな人間だったか?それは自分が掴んだ奇跡の連続で出会った人たちが思い出させてくれました。

そのうちの1人が闘病の地、北海道旭川で出会った小説家の故 三浦綾子さんのご主人の三浦光世さんでした。私が再び自分を作り直していくにあたり、奇跡の出会いの始まりは三浦光世さんに私が闘病を初めたばかりの頃に自分のことを話して、相談したことがきっかけでした。

自分が腐らず、諦めず、他人から具合が悪いと一見、見えないうつ病、精神疾患という不調を克服するという決意をすることができ、”再び妻と幸せに暮す”ことを目標に復職し、紆余曲折ありながらも働き続け、今があるのは三浦光世さんや北海道の地域の方のおかげです。

三浦光世さんへの恩返しのつもりで書いた小説

私は復職できる状態に再び、たどり着くべく転勤先の北海道から東京へ戻り、主治医・臨床心理士・産業医・EAP・リワークといった専門家、施設、先進医療、トラウマ治療といったもののおかげで回復していきます。

そんな折、もう何年も前の話ですが、三浦光世さんが急逝されたのを新聞で知りました。ちょうど、その頃、三浦綾子記念文学賞という小説の賞があって、ご恩返しのつもりで人生で初めて小説というものを書いてみたんです。

この小説を書いたら、その先に、きっとあの頃の自分に会える日が来るんじゃないか・・・そう思いながら、闘病中ではありましたが1ヶ月半程で書き終えたんです(小説なんて書いたこともないのに初めて書いたのが7万字の長編小説です。いやーよく書ききった)。

素人が書いた小説ですから、光に当たることはなかったのですが私の北海道での闘病中のことを材料に書いていますから主治医が読んでくれて自分の治療の参考になったそうです。それで、今はまだ道半ばですが、発症前の自分に会える日を信じて、大都会で数少ないうつ既往歴のある管理職として正社員で働き続けています。

うつ病小説『蝉氷』で伝えたい5つのこと

『蝉氷』を書くにあたり、次の5つのことを書きたい(伝えたい)と考えました。

・うつ病がどれだけ具合が悪いものなのか、うつ病になった人でなくても具体的にわかるよう知ってほしい(伝えたい)

・うつ病になった人だけでなく、妻や家族も苦しむことを知ってほしい(本人の病状だけに注目しがちだが、そういう問題ではない)

・うつ病になった社員がどう扱われるのか、パワハラ隠しとはどんなものなのか、企業のメンタルヘルス対応にどんな問題があるのか知ってほしい

・そのままの自分はきっと誰かが認めてくれる。見守ってくれていると伝えたい。

・パワハラを憎んだ先にある私なりの”答え”を伝えたい。


この5つの伝えたいことを小説に書くにあたり、特に最後の5つめなのですが三浦綾子記念文学賞に応募した作品の性格上、キリスト教のある1つの言葉をテーマに書いています。

これは私が闘病中に知った言葉であり、キリスト教を信仰しているわけでもない私にすっと入った言葉です。この言葉の答えは簡単には導けませんが、闘病されている方、ひとりひとりの答えの先に何か得るものがあると確信しています。

なぜ『蝉氷』は有料なのか?

『蝉氷』は色々と悩んだのですが、有料コンテンツとして販売することにしました。理由は次の3つです。

・本当に読みたい人にだけ読んでほしい

・三浦綾子記念文学館に寄付をしたい

・今後、SNSやnote以外にも活動を広げるにあたり、資金が必要

今回、noteで公開するにあたり、数年ぶりに『蝉氷』を読んだのですが今、具合の悪い方、そのご家族、上司の方、友人の方に何か気づきを与えられる作品だと確信しています。世に出れば、価値のある小説だと自分で思えるのです。

Twitterやインスタグラムで知り合った方もいますが、本当にみなさん様々な不調に苦しんでいます。不特定多数に読んで欲しいというよりは「くじけそうだけど、治りたい、うつを改善したい。そのためのきっかけが欲しい。」、「家族との幸せを取り戻したい」、「部下の病気を知りたい」、「友人の病気を知り、接しかたを知りたい」といったことを考えている方に読んでほしいのです。それで有料にしました。

また、三浦光世さんにお世話になって自分が生き還るきっかけを細い糸でしたが辿り続けた結果、今があります。ただ、振り返ればこの数年は本当にがむしゃらに毎日、過ごしてきました。それで、お礼の気持ちは持ち続けていましたが具体的なアクションを起こせずにいました。

コロナウイルスで北海道へ旅行に行く方も激減していると聞いています。北海道の旭川にある三浦綾子記念文学館を訪れる人も少なくなってしまったでしょう。いくら寄付できるかわかりませんが、『蝉氷』の売上の一部を寄付したいのです。

そして、SNSで知り合った方々は私が苦しんだ病気と類似した症状で未だに苦しんでいるということを知りました。特に家族のケアや復職後の再発予防というのは本当に重要です。こういった部分で自分が働き続けながら何かできることはあると思い、SNSだけではなく活動の機会を増やしたい、広げたいと思うのですがとっても稼いでいるというわけでもありませんから活動資金を捻出したいという状況です。

以上から『蝉氷』は有料とさせていただくことにしました。

Amazon Kindle Unlimitedでも読めます!

本を購入するためには、Amazonで「うつ病 小説」で検索していただくと出てきますので、紙の本を買うようにご購入ください。Kindleの方はそのまま読めますし、iPhoneやiPad、Androidの方はKindleのアプリをインストールして読むことができます。

また、Kindle Unlimitedの対象にもしました。こちらはKindle Unlimitedという読み放題のサービスに加入している方であれば、『蝉氷』も対象にしていますので、改めてお金を払わなくても読むことが出来ます!

Amazonで冒頭の数ページがサンプルとして公開されていますので、こちらもご参照ください。

最後に

この『蝉氷』はせみごおりと読みます。

贅沢な、裕福な生活でなくていいから妻とまた、笑って食事ができる日を取り戻したい。それだけあれば何もいらない・・・ 

そう念じながら書いた小説です。

蝉氷とは俳句の言葉で、薄く凍った氷が蝉の羽のようになる様子のことです。うつ病になった私は(蝉は)、はばたくためにもがき続ける。その先にある7日間をどう過ごすかは自分自身が決める・・・

ぜひ、読んでください。そして、元気になるために背中を押してくれる言葉を見つけてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。