腸腰筋_腸腰筋_の_触診レシピ-2

腸腰筋の触診レシピ

今回の触診レシピは、股関節のインナーマッスルである腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)について。

臨床でも毎日と言っても良いくらい、よく耳にする筋ですね。

作用は、股関節の屈曲・外旋!

場所は大腿動脈の外側にあるので、注意が必要。触診のときには、合わせてスカルパ三角もイメージできるようにしておきましょう。

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スカルパ三角は鼡径靭帯・縫工筋・長内転筋でできてる三角形の形をしたスポットで、大腿動脈・大腿静脈・大腿神経が通ります。


腸腰筋と触診

まずは、触診ノートをご覧ください✨

大腰筋と腸骨筋のポイントは👇👇

鼡径靭帯より近位で触るor遠位で触る

そう。鼡径靭帯がポイントです。

鼡径靭帯より近位は大腰筋、遠位は腸骨筋の触診に向いています。

理由は3つ

❶大腰筋の筋腹は、鼡径靭帯より遠位ではほとんどない
❷大腰筋の筋腹は、L4レベルで1番厚い
❸腸骨筋の筋腹は、鼡径靭帯より遠位で集まるから、その部分で筋腹が厚い

ちなみに、鼡径靭帯で触れる筋腹の内側1横指が大腰筋、残りの外側が腸骨筋です。


腸腰筋と大腿骨頭

腸腰筋は大腿骨頭の前面を覆うように走行して、小転子に付着。

なので、骨頭の安定化にはとても重要なんです。この機能が低下すると

❶骨頭の前方動揺性
❷股関節屈曲時の前方インピンジメント

が起こるかもしれません。

骨頭が触れれば、当然腸腰筋も触れていることになるので、骨頭も合わせて触診してみましょう。


触診の動画解説(小殿筋付き)

動画でも解説しています。

内容は、腸骨筋・大腰筋・小殿筋の触診について。

・実習ですぐに使える

・患者さんが無理なポジションを取らなくてもできる

の2つがテーマになってるので、「背臥位からのアプローチ」で✨

動画中にも説明していますが、大腰筋の触診の際はより繊細さが必要です。なぜなら大腰筋は体幹前後径のほぼ中央にあり、触診中に内臓も触ることがあるからです。

なので、母指でグイグイっといかずに、指3.4横指ほどで指腹を使って触るようにしてくださいね。


腸骨筋とエコー画像

エコーといえば、おなじみの志水さん。腸骨筋のエコー動画をツイートしてくださいました。

ポイントは

ASISの内側で
かる〜い圧で触れる

筋を探し当てるのに必死になると、無意識に指先に力が入ってしまいがち。ですが、このエコー画像から分かるように実はそんなに強い力はいりません。

やさし〜く触っても筋にアプローチすることはできます!


腸腰筋と評価・エクササイズ

腸腰筋のトレーニング動画を2つご紹介します。

1つ目は我らがたくみさん@TakumiRodrigues

この動画でもあるように股関節屈曲で腸腰筋に刺激を入れたいはずが、代償運動をしてしまってる人はよく見かけます。

股関節の分離運動って僕たちはカラダについて勉強してるので、すぐにイメージできますが患者さんはそうはいかないですよね。

また、この運動は腸腰筋に対するものとして説明がありますが、逆に言えば体幹のスクリーニングとしても利用できます。

動作は股関節屈曲はもちろん、足を組む動作でも良さそうですね!


お次はコラボ初参戦の前さん@reesk0511

こちらは先ほどの動画よりも難易度は高め。体幹前傾と上肢挙上が加わっています。

この運動でのポイントは

❶短縮位で腸腰筋が使えるように
❷体幹前傾が加わり、多裂筋にバンバン刺激が入る

❶の短縮位で使えるようにというのは、Sway backの人には有効です。

Sway back=骨盤が前方偏位して、股関節が伸展の状態

腸腰筋は伸び伸びになってしまい、機能低下

相対的に後方組織はタイトに

SLRなど股関節屈曲時に骨頭前方偏位

股関節安定性の低下

こんな流れができあがります。


また、体幹前傾・上肢挙上を加えているので多裂筋にもバンバン刺激が入ります。

体幹と言えば、こちらの筋をすぐに思い浮かべるようにしたいところ

・横隔膜

・骨盤底筋群

・腹横筋

・多裂筋

体幹は、軸の伸張(エロンゲーション)を意識し、ニュートラルポジションを保持したまま前傾です。

だ か ら 、 ローカル筋がとても上手に機能しやすい。

筋連結で見ると、横隔膜は腹横筋・大腰筋と連結しています。ということは、このエクササイズではローカル筋をフル活用する有効なものというのが分かりますね!


メンバー紹介

エコー担当:志水さん(@echohuku

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Twitter:エコーと肩についての情報をわかりやすく発信しながら、これからのセラピストの生き方についてもつぶやいています。

note:【Twitterの『わかりやすい』を、『臨床で使える』】をコンセプトにコンテンツを発信😁


触診&エコー担当:Yoshikiさん(@PtGekikara

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運動器エコーカレッジ:解剖生理学を基礎として客観化を図り、エビデンスと技術を融合する。優良なエビデンスや、エコーで可視化、cadaverの実際など、様々な知識を放出していきます。今後開始予定。


治療担当:たくみロドリゲス(@TakumiRodrigues

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ライタープロフィール

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整形外科中心の急性期病院で働いています。スポーツは陸上競技が好きで、地域の陸上教室でトレーナー活動もしています。

Twitter:触診・臨床について発信中 ✨

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