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CDOとCIOとTBM

先週発売のこちらの本、とても参考になったのと、私の今のテーマのうちの1つとして非常に共感を得たので稚拙な感想文をnoteに書いてみました。


著書はCFOにはERP、CHROにはHRM、CROにはCRMのように、CIOにはTBM (Technology Business Management)といった概念と手法について整理されています。

IT、あるいはIT×ファイナンス×ビジネスの更なる可能性を感じます。

CIOやIT部門もそうですが、CFOや事業責任者、近年非常に増えているSaaSやPaaS従事者の方々もこの考え方(TBM)は理解しておくと、共通言語も増え、ITとビジネスや経営がより円滑になるのではと思ってます。

DXにおいてCIOとCDOの責任範囲や時間軸が異なるケースが多く、CDOの企画期間は半年から1年くらいが多いですが(ビジョン策定や新規事業やビジネスモデル変革など)、CIOはITサービスの構築と運用、ソフトウェア開発資産の償却期間から、平均的におおよそ5年の時間軸です。

それが故に、時には分断されてしまったり関係性が良くない会社を散見します。

CDO組織側から見たCIO組織は、新しいソフトウェア利用やデータを取得した事業を企画すると、CIO組織はそれを止めたり、速度を遅めているように見えてしまい、IT部門に対してのフラストレーションが高まる。ノーコードや市民開発が便利な時代になってきたので、どんどん加速していく。

一方、CIO組織側から見たCDO組織は、セキュリティや保守運用、IT資産のマネジメントの理解が浅く見え、新規事業担当や事業部門がモダンなSaaSをたくさん利用しようとするが故に情報セキュリティ審議の数が増え更にリソースが逼迫したり、アドバルーン的な企画や新規事業など楽しそうな仕事ばかりしているように見え、ただでさえITコストに対して経営から厳しく言われて、現運用に対して人員も十分でない中で、 CDO組織(あるいは事業部門)とCIO組織の軋轢にまで発展してしまうケースも。

何よりもそもそも会社の変革や価値創造に対して、社内で歯車が合わない状態になってしまいます。

その二つのロールは責任範囲と時間軸が異なり本来はDXとITは掛け算なのに、分断や対立が起きがちです。とはいえ言うは易しで、融合が簡単ではないのが実態かと思ってます。私の場合はCDOという役割でIT部門を鑑賞し、システムやセキュリティも説明責任もありますので、現時点であえてCDOとCIO(CISO含む)Double hatをしており、私なりにチャレンジであり自戒の念ですし、意思を持って別々にしていないというのもあります。別々の組織にするという選択肢も無いわけではありませんでしたが、私は会社としてこの歯車があうことは非常に重要だと思うので、今の選択をしています。

今後当社の国際化や新規事業やデータマネジメントなどがさらに加速するのでDouble hatはどこかのタイミングで考えなければいけないですが、今の当社のフェーズで不要な分断は起こしてはいけないと思ってます。

著書でも記載されていますが、私自身もこれまで何社ものIT部門とお仕事したり、話してきましたが、以下を実現できている会社は少なく、多くの会社ではIT部門の立ち位置が低かったり、ITの経営優先度が低くなってしまっています。

  1. (最適な形で)可視化

  2. IT予算と統制

  3. (IT)コスト最適化

  4. (ステークホルダーとの)関係性改善

テクノロジー支出によるビジネス価値最大化のためには上記の実施が重要です。

可視化に関しては、人それぞれ解釈の粒度は変わりますが、主に以下を網羅している必要がありますが、当たり前のような内容ですが、結構できていない会社が多いです。
※Excelなどで毎回手集計ではなく。

  1. コスト(ブレークダウンされた)

  2. 利用状況

  3. パフォーマンス

  4. キャパシティ/リソース

  5. プライオリティ

特定のパッケージソフトやSaaSを単体で切り取れば上記はわかるかもしれませんが、これらの全体像と詳細を把握しながら、IT戦略やファイナンス戦略を立てている会社は稀有だと思います。

これはIT部門がファイナンスやビジネス思考を持つ必要もあり、並びに経営者やCFOも ITへの理解を深めることにより、企業のIT戦略とファイナンス戦略、ひいては経営戦略を強度のあるものにできると思ってます。
最近だとテクノロジーが必須になった時代なのでCMOもこのあたりの理解が深まると、更に進化した経営やマーケティングもできそうですね。

著書にはわかりやすいタクソノミー、メトリクス、などの手段がまとまっていますが、手段も大事ですが、以下著書抜粋のIT部門の立ち位置やビジョンの再定義も必要だと思っています。

引用: TBM ITファイナンスの方法

また、多くの大企業は製造業やインフラ、不動産業など、ITは本業では無いと言う経営者もいますが、業務や本業(と言われている領域)をしていく上で今の時代では最重要なものの1つがITであるので、IT部門任せにするのではなく、いかにITが経営として最重要なのかという経営や組織の意識改革自体もとても重要だと思います。

最後に、当社の採用についても少しアピールさせていただくと、当社では、製造、本社、営業システムやセキュリティからデバイスまで小林製薬グループの国内外の全てのITに関わる領域をマネジメントするIT部門で人材大募集しています。これからはそれに加え、グローバルのIT戦略や、サイバーレジリエンス、サイバーインテリジェンス、新規事業のサービス開発など重要領域が加わります。

CIOやCISOという職が当社には現時点ではないのですが、そのキャリアにご興味のある方もぜひご連絡お待ちしいます😌

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