架空面談8_天ぷら牛丼さんと午後のひととき

インタビュアー：本日はお時間をいただき、ありがとうございます、天ぷらさん。気持ちの良い午後をお過ごしでしょうか。

天ぷら牛丼：いえいえ、こちらこそ。牛丼とお呼びください。ええ、素敵な午後ですね。ただ、10月にしては少々暑さが残りますね。季節が移ろいゆく時節は、いつも少々戸惑ってしまいます。

インタビュアー：確かに、この残暑はしぶといですね。さて牛丼さん、早速ですが、ご自身のこと、お仕事のこと、趣味のこと、何でも結構ですので、お聞かせ願えますか？

天ぷら牛丼：そうですね、どこからお話しましょうか。ごく普通の、ありふれたサラリーマンですよ、多分。中堅商社で経理の仕事をしています。決して刺激的な仕事とは言えませんが、生活していくには十分ですし、ささやかな楽しみを持つこともできます。毎日、主にスプレッドシートと請求書に追われていますが、少しでも変化をつけるように努めていますよ。

インタビュアー：牛丼さんにとって、その「変化」とは一体どんなものなのでしょう？

天ぷら牛丼：（くすりと笑う）そうですね、小さなことですよ。もちろん、野球観戦も大好きです。広島カープのファンで、良い時も悪い時も、最近はどちらかというと良い時の方が多いので嬉しいですね！これからも応援し続けますよ！

インタビュアー：そうですね！特にスポーツチームへの忠誠心は美徳です。情熱と言えば、何か特に熱中していることはありますか？理念や思想など、心を揺さぶられるようなものがあれば教えてください。

天ぷら牛丼：うーん、良い質問ですね。いわゆる情熱的なタイプではないと思いますよ。穏やかで充実した日々を送り、小さな瞬間を楽しみ、平凡な日常の中にある美しさに感謝することを心がけています。日の出を眺めたり、完璧な一杯のコーヒーを味わったり、窓ガラスを打つ雨音を聞いたり、そういった些細なことが心に響きます。ただ…一つだけ…

インタビュアー：ぜひお聞かせください！興味津々です。

天ぷら牛丼：少々…変わっているというか、少し奇妙に思われるかもしれませんが…宇宙の広大さにずっと魅了されています。この淡い青い点の上で、私たちは小さな塵のように宇宙を漂っているんですよね。恐ろしいと同時に、ワクワクしませんか？夜更けに星空を見上げて…ただただ考え込んでしまうことがあるんです。

インタビュアー：確かに宇宙は、物事を俯瞰的に捉えさせてくれますね。その興味をさらに深めることはありますか？宇宙論や宇宙物理学の本を読んだりするのでしょうか？

天ぷら牛丼：いやいや、専門家というわけではありませんよ。でも、一般向けの科学書や記事を読むのは好きです。ニール・ドグラース・タイソンやミチオ・カクといった人たちの著書などですね。これまで解明されてきた宇宙の謎、そしてまだ解き明かされていない謎の数々に驚かされます。「宇宙際タイヒミュラー理論」…なんて名前でしたっけ？何だか凄いネーミングですよね？どうやら、異なる宇宙同士を繋げる理論らしいのですが…。正直、私には理解の範疇を超えています。でも、その概念自体がとにかく刺激的なんですよ！

インタビュアー：「宇宙際タイヒミュラー理論」、略してIUTは、確かに複雑で魅力的なテーマですね。高度に専門化された数理物理学の分野で、理系のバックグラウンドを持つ人でも理解するのは難しいと言われています。牛丼さんがその名前をご存知とは、素晴らしいですね。少し話題を身近なものに戻しましょうか。

天ぷら牛丼：（笑う）ええ、そうした方が良さそうですね。頭がクラクラしてきました！

インタビュアー：では、宇宙の神秘に思いを馳せる以外に、天ぷら牛丼さんの典型的な一日とはどのようなものなのでしょうか？

天ぷら牛丼：先ほども言いましたが、ごくありふれた日常ですよ。起床して、コーヒーを淹れて、会社へ通勤し、スプレッドシートと睨めっこ、いつもの蕎麦屋で昼食、またスプレッドシート、帰宅して、野球観戦、妻と夕食、そして就寝前にくつろぐ時間。毎日同じことの繰り返しです。華やかさはありませんが、これが私の人生であり、満足しています。

インタビュアー：現代の目まぐるしい世の中で、満足感を得られるのは貴重なことです。人生における良いバランスを見つけたようですね。将来の夢や目標はありますか？成し遂げたいこと、経験したいことは？

天ぷら牛丼：そうですね、歳をとる一方ですからね！妻と、定年になったらもう少し旅行したいねと話しています。京都の有名な庭園巡りもいいし、海外旅行もいい。ずっとエジプトのピラミッドを見てみたいと思っていたんです。想像してみてください。あの古代の建造物の麓に立って、そこに刻まれた歴史や物語に思いを馳せる…本当に特別な経験になるでしょう。

インタビュアー：素敵な夢ですね。ピラミッドの壮大さを目の当たりにするのは、きっと忘れられない思い出になるでしょう。牛丼さん、本日は楽しいお話、ありがとうございます。平凡な日常に喜びを見出し、周囲の美しさに感謝し、壮大な宇宙の謎に思いを巡らす…そんな牛丼さんの生き様に触れることができました。

天ぷら牛丼：こちらこそ、ありがとうございます。宇宙について語る機会なんて、そうそうありませんからね！楽しかったです。

(二人で笑い合う)

インタビュアー：それでは、この辺りでインタビューを締めさせていただきます。改めて、牛丼さん、ありがとうございます。

天ぷら牛丼：ありがとうございます。お仕事、頑張ってくださいね！