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自律神経のあれこれ

4月の頭に
津田真人先生の「ポリヴェーガル理論」
という自律神経に関するセミナーを受けてきもうした

ただでさえ自律神経は機能解剖学と違って振る舞いが個々によってだいぶ違う

個体差が激しい=体系化が難しい
→だれもやりたがらない

結果、一般化されている自律神経とは
交感神経と副交感神経の2元論
止まりとなっている

決して間違っていない
解剖学的にも
頚椎と仙骨に分布する副交感神経節と
胸腰椎に分布する交感神経節の対比

血管拡張に作用する交感神経系と
血管収縮に作用する副交感神経系

かなり的を射ていると思う

交感神経と副交感神経という分け方は合理的で素晴らしいものだ
という前提の元

今回は副交感神経をさらに2つに分けてみようと思う

ポリヴェーガル理論における自律神経分類

その名の通り
ポリなヴェーガルだ

ポリ=複数
ヴェーガル=迷走神経

第10脳神経の迷走神経はその8割が副交感神経繊維からなる、と言われている
つまり
ざっくり副交感神経を2つに分類することによって
自律神経を3つに分類しようじゃないか

というのがポリヴェーガル理論である

背側迷走神経複合体

まずは1つ目
背側迷走神経複合体はその名の通り
前額面上で迷走神経の副交感神経繊維を分けたときの背中側に当たる部分である

複合体というおまけがついているのがまた面倒なところであるが
実はここがポリヴェーガルの非常に魅力的な部分でもある

この複合体という言葉でまとめているのには
ポリヴェーガル理論が解剖学的な分類ではなく機能神経学的な分類を採用しているからである
機能神経学が解剖学と同じスピードで発展していたら
現行の解剖学で言う脳幹や延髄はもしかしたら上位迷走神経とかいう名前がついていたかもしれない、、、そんな違いだと思ってくれればいい

要は副交感神経さんその1は迷走神経背側枝とその上にある諸々の脳神経が一緒になってはたらくぞ〜ってことである

背側迷走神経複合体の働きは主に自分を守るときに発揮される(わけでは無いがややこしいからその話は後半で)

自分を守るとは
危機的な、それこそ命に関わるようなときだ

代表的なもので言うと
注射するときに気持ち悪くなっちゃったり失神しちゃうあれ
迷走神経反射っていうんだけど

あれは背側迷走神経複合体の働き
誤作動と言って差し支えないと思うが、きっとよほど注射が嫌で命の危機を感じているんだろう、、、笑

俺も注射嫌だし手汗かくし、何回か寝てお願いしてたし、、、

ちなみに背側迷走神経複合体はかなり原始的な神経で
ほとんどの生き物に搭載されている
死んだふりはまさに背側迷走神経複合体の真骨頂

生き物として古くから備わっている機能ということは
それだけ大事だということは言わずもがなである

ポリヴェーガルではよく、生き物の進化の過程が引き合いに出される
魚類から爬虫類へ哺乳類へ霊長類へ

その進化の過程で
最も古くから背側迷走神経複合体は存在していることが確認されている

それだけ生き物にとって、大事ということなのだ

ポリヴェーガル理論をかじっている人で
背側迷走神経複合体悪者説唱えてる方がいたりするのだけど

なんでもそうだと思うのだけど
適材適所だなって
お友達と楽しくお話し中に背側どかーんって入られると困るけど

身の危険を感じているときにはシャットダウンできないほうが、はるかに危険だと思うの(そんなことは現代ではなかなかないんだけどね)

おっと愚痴はこのくらいにして、次は副交感神経その2に行こ

腹側迷走神経複合体

予想はついていたでしょう
その通り背側に対して腹側がその2だ

あ、忘れてた
背側が支配しているのは横隔膜を境にして下の内臓じゃ

ほんで横隔膜の上の内臓には腹側迷走神経が分布している


VisibleBodyより引用

厳密には心臓とか背側迷走神経複合体の影響も、もろに受けるので
完璧に分かれているわけではないことは先に行っておこう


そして、背側が脳幹と共同して機能するように
腹側も複合体として機能する

特に、顔面神経三叉神経など
話す、表情を作る、飯食うなどのコミュニケーションに大きく関わる機能と共同しているのがかなり興味深い

背側は超原始的な自律神経なのに対して
腹側が発達したのは哺乳類に進化してからだと考えられている

これはコミュニケーションに必要不可欠な機能だからと考えられる
腹側迷走神経複合体の働きで我々は笑うことができ、円滑に社会的な行動が取れるのだ、、ということらしい

確かに
解剖的にも起源としてもそれっぽい気がする

集団行動を取る生物はたくさんいるが
それは主に生存戦略としての集団であって

向社会的な行動を取るのは哺乳類に進化してからなんだとか、、、
確かにそんな気がする

あくまで仮説段階の部分も多いが
現在解明されている解剖学と
ポリヴェーガル理論は、かなりマッチしていてしっくり来る

さらに、腹側迷走神経複合体が活性化した状態での
交感神経の働きや背側迷走神経複合体の働きは
また変わってくるなんてこともあったりする

例を上げよう
交感神経は闘争・逃走反応って言われるように
これまた自分を守る際の働きが強いのだが
腹側迷走神経複合体が活性していると
PLAY=遊び
へと変化するらしい

たしかに
保育園や小学生のときに
みんなでワイワイ遊んでいたときを思い出すと
明らかに交感神経優位ではあったが、闘争も逃走もしていなかった
ワンちゃんがじゃれているときなんかも同様にPLAYしているらしい

背側はどうだろうか
凍りつきシャットダウンが背側限定での作用
腹側活性下では
なんと落ち着くらしい

あれだ
ちっちゃいとき
寝るときに背中トントンされたときのやつだ(多分)

セロトニンやオキシトシンなども関係する
ちょっと複雑な部分だが、これまたなんだかしっくりくる

応用

じゃあコレがどんなことに役に立つのかってことよ

知識だけあったところで
トラウマ治療とか、俺の専門外だし役に立たねえよ

ってことはなくて

1つは自律神経系の評価が変わること
交感神経系優位な方はたくさんいるが
ほんなら副交感神経系はどうなんだと

HRV(心拍変動)なんかは良い指標で腹側が活性化すると大きくなり、背側が活性化すると小さくなる

まぁ大体調子悪い人って腹側だめなんよw
これは経験的なことなのだけど、HRV高い人ね交感神経優位でも全然元気快適健康体なこと多い

要は
如何に腹側の働きを高めるか
最終地点は↑なんだと思ふ

ここを副交感神経って一括りにすることは
ちょっとリスクあるなって思っていて

たとえば自律神経系の強めのアプローチとかで
サウナとか有酸素とかして
副交感神経系一気に優位にしたときに
腹側ナシナシの背側マシマシは気分悪くなったり
場合によってはシャットダウンもありえるなって思ふの

サウナで気分悪くなっちゃう人の傾向って結構コレ当てはまると思う

このnoteはあくまであたいの思っていること、学んだことのアウトプットなので詳しいことは

津田先生のこれ読んでほしい

私は3年かけて読み切れない(むずかし
ほんでHOW TO(腹側の活性)も人によってグラデーションしてかないといけない
奥がふかーい学問なので皆さんも是非

次回は〜なに書こうかな

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