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ワクワクとソワソワとウキウキの季節

ようやく、朝起きて窓を開けたとき部屋に流れ込む空気がひんやりと冷たく感じるようになった。

肌が確かに感じる気候の変化に、思わず笑みがこぼれる。

「わたしのいちばん好きな季節が近付いてきた。」
秋が来ると、いつもこんなふうに思って嬉しくなる。わたしは、一年の中でいちばん、冬が好きだ。冬のモコモコファッションが可愛くて好きだし、あたたかいお風呂に浸かって布団の中に潜り込むだけで幸せな気持ちになれるし、クリスマスやお正月には街が賑やかに活気づき、美味しいものがたくさん食べられる。それに何より、わたしは子どもの頃からずっと、雪がとても好きなのだ。お母さんは「大人になったら雪なんて嫌いになるよ」と言っていたけれど、わたしは嫌いにならなかった。ふわふわと舞う真っ白な雪。見慣れた景色が雪化粧を纏う姿を、わたしはとても美しいと思う。

空気がひんやり冷たくなると、大好きな冬がもうすぐそこまで近付いているのを実感できてワクワクする。夏の間はずっと回していた扇風機も、もう少しでまたクローゼットの奥にしまい込む日が来るのだろう。この夏は去年以上に頑張ってくれた扇風機。しばらくゆっくり休んで、また来年の夏も活躍してほしい。

それから、秋といえば、わたしにとってはマックの月見バーガーが欠かせない。これを食べないと秋を通過した気になれない。たぶん、中学生くらいから毎年必ず食べている気がする。

マックの期間限定商品の中で、月見バーガーがいちばん好きだ。月見バーガーの宣伝広告を見ると、「食べなきゃ!」とわたしの細胞が騒ぎ出す。ウキウキとスケジュール帳を開いて、「マックに行くならこの日かな」と予定を立てる。場合によってはスケジュール帳に書き込みさえする。そして、販売開始日から一週間以内には食べているのだ。今年も発売日から二日後のお昼に食べたばかり。毎年のことながら、やっぱり月見バーガーは美味しい。

嬉しいことや楽しみも多い季節だけれど、9月にもなると「うわ、今年もあと三分の一しか残ってない」、と焦りのようなものを感じてしまうのもまた毎年のこと。

別に、一年なんてただの区切りだし、年が明けたところで何かが劇的に変わる、というわけではないのに、なぜか妙にソワソワして、今年自分が何をしてきたのかを、ふとしたときに振り返っては色々と考え込んでしまう時期だ。

初詣でああいう願い事と決意をしたのに結局はこうだったな、とか、今年はこれをやるって決めてたのにできなかったな、とか、もっとあの時期にあれをやっておくべきだったな、とか、もうキリがない。

やりたいことがあるときって、どうしても焦ってしまいがちだから、最近のわたしはなんだかずっと焦っている気がする。やらなきゃいけないこととやりたいことが多すぎて、時間にも心にも金銭的にも余裕が無いのだ。

でも、二十代も半ばを過ぎて、わたしはようやく気付き始めた。焦ることはない。何事も、今しかできないなんてことはないんだし、今を逃せば二度とできないなんてこともない。

焦らないで、ゆっくり、じっくり、一つずつやっていこう。それくらいにゆったり構えていた方が、気持ちに余裕ができて今の時間を楽しめる。何事も「タイミング」というものがあるのだ。目の前のチャンスを逃したからといって、それは失敗なんかじゃない。ただ、今はその時じゃなかったというだけ。

この秋は、「心のゆとり」と「一つずつ」を意識して生活していこう、と決心した。毎年季節が巡ってくるように、チャンスは必ず巡ってくる。だから、ソワソワはほどほどに、ワクワク、ウキウキしながら、準備だけは万全にしておこう。

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