サラリーマンを卒業したらどう生きようか?(ヤマグチさん・60代男性)
大学を卒業してから38年間食品業界でだけ働いてきました。
他の業界は全く知りません。
経験した食品は、「味噌」「醤油」「液体調味料」「冷凍食品」「パン」「菓子」「冷凍生地」「米飯」「冷凍調理麺」「惣菜」「水産加工品」「缶詰」「レトルト食品」「高齢者向け配食サービス」「粉末調味料」「フリーズドライ」など、いっぱい経験しました。
若いころは、兼務兼務で色々な事をやらされ「嫌だな」といつも思っていました。ひとつの事を深くやらせてもらえないのは、自分に能力がないからなんだろうなと考えていましたが、今となっては、広く経験したことで、食品のトータルコーディネートができるコンサルタントとして活躍できる場をいただけることに感謝しております。
コンサルタントとしての独立を目指し技術士試験に明け暮れた40代
かつての私の目標は、50代で会社員を卒業し、食品専門のコンサルタントとして独立することでした。独立については40代で考え始めましたが、子育てなど経済的な負担の大きい40代に直属の上司が技術士(農業部門 農芸化学)試験に合格し、技術士の資格を取ったことから技術士に興味を持ち、受験準備を始めました。
技術士とは何なんだろう?調べてみると以下のように書いてありました。
なるほどかなり難しい資格なんだな。
「コンサルタントとして独立するのに有用な資格みたいだな」と知人から言われたこともあり、挑戦してみようと思い、試験問題、試験のシステム、合格者の割合などを調べてみると、やはりかなり難しいという事がわかりました。
本社に技術士の先輩がいたため、受験の相談をしたところ、「君の経験では絶対受からないよ」と言われたことで、私の気持ちに火が付いたのを今でもよく覚えています。(かなり悔しい思いをしたので、その方には合格した際に真っ先に報告しました。)
会社でも家でも「技術士受験宣言」をして、2年間は、家の草取り作業も免除してもらい、受験準備に明け暮れました。
技術士試験はすべて論述試験でどんな問題が出るかわかりません。また試験委員が変わると問題の傾向も変わります。
朝は4時に起床し、会社に早出し、会社の会議室にこもって勉強。夜も12時近くまで勉強。当然休日もひたすら勉強し、1年目の試験はあっさり不合格、2年目の試験で合格、面接試験に進み合格。50歳でした。
技術士(農業部門 農芸化学)登録し、さらに2年後に技術士(総合技術監理部門)の試験にも合格し登録、他にも国家資格の「特級製パン技能士」「職業訓練指導員」「消費生活相談員」などを取得したところ茨城県や厚生労働省から「モノづくりマイスター」などの資格も与えられ、着々と独立準備を進めました。
サラリーマン生活で思いがけない人事
その頃、サラリーマン生活も順調でした。大手発酵メーカーに所属しており、学閥もあったので、自分の地位がこれ以上上がらないのだろうと思っていた矢先、食品のグループ会社全体が売却・再編されました。会社に対する期待感も薄れかけてきたときに、思いがけない人事があり、私が想像もしなかった役職に就くことになりました。
会社はその2年後に再び売却され事業は、継続されましたが、商社系特有というか、予想もしない部署への移動打診が親会社の役員からありました。(非常に良いポジションであったのですが、技術系でない経営の仕事)その瞬間に会社に対する期待感は消滅し、RDサポートに転職支援をお願いいたしました。
転職支援の方では非常に良い調味料メーカーをご紹介いただいたのですが、昔からのご縁もあり、別の大手コンビニエンスストアの仕事をしている会社に転職しました。独立しようという気持ちもありましたが、もう少し他の食品を経験してから独立しようと思いサラリーマンを続けることにいたしました。
嫁ブロックを乗り越え再雇用ではなく60歳で独立を決心
仕事も楽しくなり年月はあっという間に58歳となり、60歳になったらどうしようと真剣に考えました。そんな時にコロナです。
65歳まで今の給料で同じ仕事が続けられる環境でしたが、ここであえて独立する選択をしました。当然、嫁からは、「給料下がらないなら今の会社の方がいいよ」「反対!嫁ブロック」「あなたにはコンサルタントなんてできないよ」と容赦ない言葉。
3年分の生活費を用意して、自分のやりたいことを何回も説得しました。説得はいつもドライブに出かけた時にしました。何回かの説得でしぶしぶ同意してもらいました。私自身、口には出さなかったのですが、自分でも稼げるか正直心配でたまりませんでした。
自分の経験が生かせるのか?稼げるのか?
でも40代から将来独立することを目標にして努力してきたことを無駄にしたくないという気持ちで会社を60歳定年退職する決心をしました。
自分で新たに営業活動をして、コンサルタントの仕事を取ってくるなんて出来ないなーと思いながら、RDサポートのホームページを見ていたところRD LINKという事業が立ち上がっているのを知りました。
最後に勤務していた会社がRDサポートの紹介で多くの人材が入社していることを知っており、人材会社としての信頼感もありましたので、既に有休消化で休んでいたことから複業紹介を依頼するためRD LINKに一番初めに登録いたしました。
そんな中、2022年1月に会社を定年退職する直前に、30代でお世話になった会社からお誘いをいただき、その会社に所属し最低限の収入は会社からいただきながら複業をすることになりました。でも、複業をしなければ最低限の収入のみです。自分でも営業活動をしました。
RD LINKでご紹介いただく案件だけでなく中小企業庁、地方自治体のコンサル登録をしたり、商工会議所などへも営業活動をしました。
私は、非常にラッキーなことに、食品業界で出会った多くの仲間に恵まれたため、最初3年間は、複業の仕事なんて無いのではないかという当初の予想は大きく外れ、非常に忙しい毎日を送っています。
食品業界への恩返しという新たな生きがい
今は、もっと早く独立すればよかったという気持ちも正直あります。
複業2/3、本業1/3という状況です。
関東ばかりでなく、青森県、秋田県、宮城県、山形県、長野県、静岡県、大阪府、福岡県、などの地方の食品業者様の各種ご支援をさせていただけるようになりました。
ご支援させていただく事にも、私なりに心に思っていることがあります。それぞれの会社様に必ず寄り添った方法で諸問題の解決のお手伝いをさせていただくことです。
サラリーマン時代の友人と食事をすると、必ず「すごく楽しそうで活き活きしてる」と言われます。私自身にも、この環境は楽しめている実感がすごくあります。
この先、私は、食品業界への恩返しをしていきたいと思います。
それは、「伝える」ということです。技術・考え方・管理方法・経営すべて。
特に、若い皆さんが希望を持って食品業界で仕事をしていけるようなお手伝いができる。そんなことをこれからの生きがいにしていきたいと思います。
また、地方の業者様と中央の会社をつなぐパイプ役として、食品業界全体を盛り上げていきたいと思います。
自分のやってきた経験は役に立たないと思いがちですが、様々な経験には大きな価値があるということに気づきました。それをマッチングしてくれるのがRD LINKです。皆様もぜひ登録されて自分の経験を生かしてください。
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