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JAIST社会人セミナー「メタファシリテーション入門講座」

JAIST社会人セミナー2017
地域人材育成セミナー【水曜学ぶでしょう】。
2017年8月開催。はじめて参加してみました。

2017年8月23日に開催されたのは「メタファシリテーション入門講座」。
講師は、認定NPO法人・ムラのミライの原康子さん。

セミナー参加の動機

ファシリテーションというと...

会議やプロジェクトなどで、問題の解決や目的の実現に至るために、参加者の考えや意見を引き出したり、合意に向けて整理をしたりして、場の活性化を促すこと

おおよそこういうことを指すのだと思いますが、わたしが最も惹かれたところ、受講に至った決め手は、ここだけに感じたわけではありませんでした。

そういうことのもっと根底にある部分、土台になるところであるはずの「コミュニケーション」について、何かしらの見聞を深めることができるのではないかという期待を案内文から感じたためでした。

仕事で失敗した相手に「なぜできないの?」と聞いていませんか。
それは意味のない質問なのです。
「なぜできないか」が解っていれば、できていたはずだからです。
大切なのは、できなかった事実から考えることです。

「質問のしかたなんて簡単さ」
そういうあなたは、果たして「事実」を聞いていますか?
では、どう聞けばよいのでしょう?

- 以上、セミナーの案内文より引用 -

かねてより、「事実」とそれ以外の「推測」や「感情」を区別すること事実を正確に聴き取って理解することの大切さを感じてはいました。

では自分自身がそれをうまくできているのか?というと…???

まるで確信が持てていません。

「事実」を引き出す、聴き取る必要があるときに、それをうまくするためのヒントがもしかしたら得られるかも知れない。
そんな期待を込めて、参加の申し込みをしました。

講義の内容

如何にして相手から「事実」を聴き出すか、掴み取るか。
それは「技術」で、誰しも身につけていくことができることであって、生まれながらに持っている「天性」ではないということ。

その具体的な考え方や手法がわかりやすく紹介されました。

わかりやすい例で言いますと...

「最近調子はどうですか?」
「まあまあです」

だとか

「もうかりまっか?」
「ぼちぼちでんな」

というやりとり。

少なくともこれでは「事実」はちっとも引き出せていないわけです。そもそも「事実」を明確に問うことすらできていません。このくらいのニュアンスでちょうどいい場面や相手もありますけども、「事実」を問題にする場面では、これではダメなわけです。

現実を構成する3要素というものがあって、

①感情/情緒(Feeling/Emotion)
②観念/意見(Perception)
③事実(Fact)

ここでは「如何にして③を引き出すか?」を問題とするわけです。

実際に参加者数人でグループになって、事実を聴き出すワークへ。

「事実」を引き出す言葉だけを使って、相手に質問をする。
「事実」以外の「感情/情緒」あるいは「観念/意見」を問う言葉は禁じ手。

こういうルールでやるわけですが…これが案外難しい!

具体的にどのような言葉が禁じ手かを事前にきちんと確認したにも関わらず、理屈はとても簡単なのにも関わらず、思わず出てしまうのですよ。

質問の中に、「事実」以外のことを引き出す言葉が。

相手に「過去の事実を思い出してもらう」ための質問。
常日頃、如何に中途半端になっていることか!身に沁みました。

前述の、現実を構成する3要素

①感情/情緒(Feeling/Emotion)
②観念/意見(Perception)
③事実(Fact)

この講座のテーマは「如何にして③を引き出すか?」でしたので、ここまでの話もそこに焦点を当てているわけですが、時と場合によっては①や②を引き出す場合も当然あるでしょう。

いま自分はどれを問うているのか?
どれを相手から引き出せているのか?

それを明確に意識することの大切さを感じました。
一方で、コミュニケーションにそういうことだけしかなかったら、とてもしんどいということにも...

所感

相手が持っている問題や課題を正確に引き出すこと、相手が「問題意識」「目的意識」に気づくことに至ること、それを受け手の自分自身が把握できること。

それこそがほんとうの「プロジェクトの課題抽出」と、それを踏まえての「行動の促進」「その行動の妥当性・一貫性」につながるということも、あらためて理解することができました。

これこそ、ファシリテーションの目的ということに他なりません。そういうことをとても親しみやすく学ぶことができたひとときでした。

インドとネパールで、長期間にわたって社会の発展を支援する活動に従事されてこられたという原さんの、実体験をふんだんに織り交ぜた談話と講義。
原さんの話し声の、底抜けに明るい張り具合・通り具合も相俟って、とても刺激に満ち溢れていました。

職場や業界の中に身を置いているだけでは絶対に体験しないであろう出来事や言動の質、そういうものの一端に触れるだけでも、自分にはとても刺激的で、目を見開かされるようでした。

JAIST社会人セミナーについて

JAIST(ジャイスト)とは、北陸先端科学技術大学院大学の略称です。
この大学自体は石川県能美市にありますが、金沢駅前の日航ホテルに隣接する「ポルテ金沢」のオフィス棟の中に、金沢駅前オフィスとしてやや小規模な研修スペースがあります。

JAIST社会人セミナーは、毎月後半の水曜日に開催されています。
事前の申し込みは必要ですが、受講にあたっての前提知識や資格のようなものは特にありません。誰でも無料で参加できます。

北陸先端科学技術大学院大学ホームページ:
 https://www.jaist.ac.jp/index.html

JAIST社会人セミナー案内(事前申し込みはここからできます):
 https://www.social-jaist.com/

「地域人材育成セミナー」という別名のとおり、ここでの学びを、地元に、身近に展開して実践していくことで、地域の活性化に寄与することが主な目的ではありますけども...

あまり敷居が高いものと捉えずに、毎月後半あるいは月末の、水曜日の夕刻から夜にかけて。敷居の高い教育機関が提供する、気軽に参加できる学びの場。そこでひとときを過ごして学び楽しむのも悪くはないと思いました。

「水曜学ぶでしょう」試しに如何でしょう?

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