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コアPCE、PCEデフレーター発表!S&P500が23%下落予測!?ARMのNASDAQ組入結果は? 20240629

動画はこちら。(動画ではコアサテライト戦略についてもお話ししています。)

https://www.youtube.com/watch?v=P3VFHbSZiEE

こんにちは。あるころうのNISA投資チャンネルです。このブログでは、週末に1週間の出来事と経済指標の動きをチェックし、米国株中心のNISA口座の増減を視聴者の方のペースメーカーになるように公開しています。動画の最後には、来週控えている経済指標や決算発表の予定をチェックしていきます。

経済指標とセンチメントチェック

まずは経済指標とセンチメントをチェックしていきましょう。

今週の経済指標は、木曜日に「耐久財受注高の前月比」が発表されました。結果0.1%は、予測よりもよく、設備投資が好調だったことを示しましたが、前回より若干抑えられた数値でした。
耐久財には、自動車、家電、航空機、工業機械などがあり、この指標は、企業の設備投資や消費者の大きな購買の動向を把握するために重要です。
同日のGDP成長率の発表では、予測と同等で1.4%、前回の成長率3.4%より2%落ちました。

金曜日には、重要なインフレ指標のコアPCE前月比が発表されました。
こちらは、予測0.1%に対し結果も0.1%と一致しましたが、前回0.3%よりも抑えられた数値となりました。
これでインフレがコントロールされたという判断になるかはまだわかりませんが、利下げに向けた一歩となるのか期待です。

ちなみに、PCEデフレーター前年比は、結果2.6%で、予想と一致し、前回2.7%より低下しました。
コアPCEとPCEデフレーターは、共に消費者物価の動向を測定するために使用される経済指標です。
違いは、PCEデフレーターが、食品やエネルギーを含む、すべての個人消費支出に対する価格変動を測定する指標なのに対し、
コアPCEは、PCEデフレーターから食品およびエネルギー価格を除外したものです。
食品とエネルギーは価格変動が激しいため、これらを除外することで、基調的なインフレ傾向をより正確に捉えることができます。FRBは、このコアPCEを2%に落ち着かせることを目標にしています。

また、個人所得指数前月比は、予測0.4%のところ、結果0.5%と結果が前回および予測を超えました。
個人消費指数前月比は、予測0.3%のところ、結果0.2%と前回より増加したものの予測に及ばない結果となりました。月次の短期的なデータでは、個人的な所得は増えているものの、消費が抑えられ、個人の経済活動が抑制される結果となっています。

今週の経済データの発表では、全体的にインフレは抑制されている状況になりました。

これを受けて、米国債10年物 利回りは下げたのですが、その後、反発しました。

インフレ指標と債権利回りのロジックを整理すると、今週のインフレ指標は抑制されているという状況で、政策金利の期待が高まると仮定します。
政策金利の低下、つまり利下げ期待が高まると、これから発行される国債金利も低下するので、すでに発行されている国債の需要が増加します。特に、すでに発行されている国債、これを既発債と言いますが、この期間が長いほど、過去の高い金利が維持できる期間が長いので、長期国債の需要が増加します。

長期国債の需要が増加すると、需要に応じた債権の価格自体も上昇します。債権価格が市場で上昇すると、利回りが低くても買われていくので、利回りの低下が起こりながら、需要と供給のバランスがとられます。しかし今回、インフレが抑制されたように見えましたが、利回りは一時的に急減し、その後に上昇しました。

つまり、インフレ抑制と短期的な市場の判断があった後に、これがコアPCEのインフレ抑制目標である2%と比較し不十分ということで、利回りが結果的に上昇したのかと思います。

為替もチェックします。
今週、米ドル円は、一段と円安方向に向かい、一時161円を超えることもありました。今週は、為替介入があると考えていた方もいると思いますが、23日、米イエレン財務長官は、イタリアの記者会見で為替介入について「日常的に使われる措置ではない」と釘を刺しています。
これに対し24日、財務省の神田財務官は、投機などによる為替相場の過度な変動に対しては、政府による円買い・ドル売り介入を含む適切な措置が「許されている」との考えを示しました。
しかし28日、財務省は、大規模な市場介入を指揮した神田眞人財務官が来月末付けで退任する人事を発表しました。
皆さんは、この人事をどう思われますか。日本政府が独自に為替介入することはできないということでしょうか。

為替介入自体は、限界がある中で中長期の効果も薄いですが、米政策金利の引き下げが期待される今年後半までは少なくともこの円安圧力が続くとなると、日本国内への輸入製品のコストプッシュインフレが続くことになります。

株式市場の心理を示すCNNのフィア & グリードインデックスでは、先週、フィアを示していたインデックスは41から44へ同じくフィアのままですが、恐怖感は緩みました。

S&P500から見るマーケットモメンタムは、125日移動平均線より上で、市場が強く上昇トレンドであるということを示しています。今週S&Pは5,464ドル台から若干下げた5,460ドル台でした。

VIX:ボラティリティインデックスを見てみると、恐怖指数はニュートラルで、前回13.20ポイントから、12.44ポイントへ低下しました。

イールドカーブは、現在はマイナスで数ヶ月横ばいの状況が長く続いていますが、前回マイナス0.45から、今回マイナス0.35と、長短金利差が解消に向かっています。

歴史的には、イールドカーブがマイナス突入後にプラスの方向に反転したタイミングで不況が来ているため、長短金利差が解消し、反転になれば不況到来のシグナルと捉えられるかもしれません。

今週の動きと市場のセンチメントをまとめると、インフレ関連は、耐久財受注、GDP、コアPCE、個人消費の全てが、前月比で低下しました。
フィア&グリードインデックスでは恐怖感が弱まり、S&P 500マーケットモメンタムは横ばいで強欲維持、VIXは、恐怖感が低下、Yield Curveは逆イールドが続くものの、長短金利差が解消に向かいつつあります。

今週もAI関連銘柄のボラティリティが大きく、方向性が定まらないものの、恐怖に鈍感となっており、総じて市場は、強欲状態が維持されているように見えます。

フェドウォッチツールを確認すると、7月31日は、大半が現在の政策金利を維持と考えており、9月18日の会合で、利下げが行われる公算が過半となります。

週間主要株式指数チェック

それではこれらを踏まえて週間の米国主要株式指数を見ていきます。

S&Pは、先週の終値5,464ドル台から一時高値5,523ドル台をつけ、今週終値、5,460ドル台とほぼ横ばいでした。

S&Pのヒートマップでは、電子テクノロジーセクターが全体的に不調でした。NVIDIA、ブロードコムの不調が目立ちます。

NASDAQは、先週終値19,700ドル台から一時、20,000ドルを突破し、今週終値、19,682ドル台で引けました。

ヒートマップで見ると、電子テクノロジーセクターの割合の大きいナスダック100は、影響が大きいと思いきや、NVIDIA以外のマグニフィセントセブンがなんとか支えるように指数全体を維持している結果となりました。テスラが好調でしたね。

日経225は、先週終値38,619円台から、今週終値39,573円台で引けました。

インド ニフティ50は、先週終値280ドル台から、今週終値287ドル台で引けました。調子いいですね。

シンセン総合指数は、先週終値1,248ドル台から今週終値1,216ドル台に低下しました。最近は連続で低下していますね。

ビットコインは先週、1,021万円台から今週がついに1,000万円台を切って、976万円台で引けました。

7月2日にETFのローンチを控えたイーサリアムは、先週末53,400円台から、現在54,300円台に上昇しています。

ゴールドは、先週2,321ドル台から、現在2326ドル台へほぼ横ばいです。

ニュースチェック

続いてニュースチェックです。

29日、ブルームバーグより「バイデン氏、再選目指す決意を強調
-民主党内では憂慮の声渦巻く」との記事が出ました。
テレビ討論会で、バイデン大統領と、トランプ元大統領の言い争いが見られました。内容も悲惨ながら、バイデン大統領の言い間違いの多さが、ひどいもので周囲から心配の声が上がっています。大統領選のある年は、株価が好調のはずですが、このような大統領選でも経済は不安視されないのでしょうか。

同じく29日のブルームバーグの見出しで、「JPモルガンのコラノビッチ氏による、S&P500、年末までに23%下落へ」という衝撃的な見出しが目立ちました。
この理由として、成長の鈍化、インフレの高まり、長期金利が大幅に低下しないという予測により、現在5460ドル台のS&P500が4200ドル台まで下がるとしています。

28日のロイターの記事によると、
今週コアPCE発表による状況判断は、FRBの利下げ期待を高めるとまとめられていました。

個別株チェック

水曜日に決算発表があったマイクロンは、決算は良かったですが、ガイダンスでミスをし、時間外で5%売られ、翌日の取引で7%以上下げました。
決算前の業績評価が高くても、発表前の仕込みはギャンブル性が高いため、戦略としては、好決算、好ガイダンスを確認してから買うという姿勢を守りたいです。

同じく今週決算のあった、ナイキですが、こちらはもっとひどく、20%近い暴落です。

NVIDIAは、1年チャートでは、最近の下落で青ラインの21日移動平均線でサポートされて、若干反発となりましたが、

今週のチャートは終値123ドル台で、上下20ドルの幅のボラティリティとなっています。
株式分割で流動性が高まっているのも影響しているのでしょうか。世界時価総額1位から3位の間で推移している銘柄なので、指数にも影響が出ています。

今週24日にナスダック100に組み入れられたアームは、組み入れ後上昇し、今週終値163ドル台で引けました。

先週まとめたAI関連銘柄のイベントを振り返ると、
アームはナスダック100に組み入れられ好調でした。マイクロンは、決算は予想も超えて良かったのに、ガイダンスで事業計画を下方修正して将来評価が下がり株価がガックリ下がりました。
ブロードコムは、NVIDIAの不調が始まってから、釣られるように下げて、前回の好決算後の高値から12%以上の下げとなっています。株式分割で上昇するかどうか注目です
台湾セミコンダクターは、決算を控えていますが、事業は好調ながらマイクロンのようなガイダンスミスをすると、株価が下落するので、仕込み時期は要注意ですね。

次に長期米国債ETFをチェックします。
利下げ期待で、上昇すると考えていた長期米国債ETFのEDVは、今週下げました。
利下げ時期も9月FOMC~12月FOMCの間で1、2回の予測となっていますが、国債価格への反映がされていませんね。

新旧NISA口座公開

新NISA口座は、1週間で27,021円のプラスでした。積立開始から半年弱で17%を超えるのはなかなか良い成績ですね。旧NISA口座は、1週間で115,113円のプラスでした。
新旧NISA口座の今週1週間の増減は、で142,134円のプラスでした。

ここで、新NISA口座の24週間の積立銘柄の振り返りをしようと思います。
途中で、積立金額や銘柄を調整したので積立期間は一律ではないことに注意してください。

私が積み立てた、銘柄で1、2位の利益率だったものは、iFreeNEXT FANG+インデックスが、24.84%で一番利益率が高かったです。
ニッセイSOX指数インデックスファンドも、24.52%と高い利益率を示しました。
ただ、この二つは、積立金額があまり多くないので、残念ですが利益額も少ないです。
インド株は、ニフティフィフティ連動型のiFreeNEXTインド株インデックスと、アクティブ投信のiTrustインド株式に投資していて、それぞれ15.25%、16.03%の利益率でした。こちらもモニタリング程度の積立額のため利益額への影響は小さいです。

メインのナスダック100連動型投資信託が20%を超えて、S&P500連動型投資信託がそれより劣る感じで、全体的には、17.58%となりました。
FANG+やSOX指数などをメインにすれば、もっと増えた24週でしたが、オルカンを下回る、大きく下げる場面もありボラティリティを考えると、ちょうどいいポートフォリオだったと思います。

来週の予定

来週は、全ての平日に重要度の高いイベントがあります。
月曜日に、ISM製造業購買担当者指数が発表されます。予想は、基準の50を切る49で、不調が予測されています。
同日、ジョルツジョブオープニングス、米国労働省が毎月発表する労働市場の動向を示す調査の結果が発表されます。この指標は労働市場の需給バランスなど、全般的な労働市場の健康状態を示します。予測は前回から低下した、7.85ミリオンですが、依然高い値となっています。
水曜日は、ISM非製造業、購買担当者指数が発表されます。基準の50を超えた数値が予測されていますが、前回より低下予測となっています。
木曜日はFOMC議事録が公開され、金融政策の方向性がわかります。
金曜日は、非農業部門雇用者数と、失業率が発表されます。予測では、雇用者数の減少で経済成長が鈍化すると考えられており、失業率は前回同様の予測となっています。

アーニングス ウィスパーズで決算予定をチェックします。個人的には目ぼしい決算はありませんでした。

終わりに

今週はコアPCE、PCEデフレーター、その他の指標を含め予想外の結果にはならなかったです。
インフレ抑制は進むものの、目標値には至らない状況です。
来週のパウエル議長の発言はどうなるか注目していきたいですね。
大統領選の討論会は不安な状況です。
S&P500が大きく下落する予測も出てきているが、市場の恐怖感は低く楽観的でした。

NVIDIAを中心としたAI関連銘柄の不調の中、それ以外のマグニフィセントセブン銘柄が指数を支える状況で、どのようなポジションを取るか試されている時期かと思います。

それでは、私自身は今後も、NISA口座の方針は変えずに、米国株メインの方針で握力を鍛えていきたいと思います。


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