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どうして人は、そんなに悩みが好きなのか

心配事がなくなると、
心配がないことを心配してしまうという、
心配好きな脳みそを持っている。
どうして人は、そんなに悩みが好きなのか。

べてるの家のエピソードで、
幻覚妄想などの症状に悩む当事者さんや、
周りに対する迷惑問題行動で悩む人たちの、
面白い報告がたくさん述べられているのを、
思い出しました。


例えば、「思考伝播」と呼ばれる精神症状。
自分の考えが周囲に筒抜けになって、
サトラレている?!という知覚の誤作動から、
周りが恐ろしくなって、引きこもってしまうという現象。

当事者さんは、安心して語り合える仲間と研究し、
サトラレ現象は、孤独の中で人に繋がりたいという思いが強い時に起きるサトラセ現象だ、
サトラレはサトラセだった、という、有名な発見がある。

例えば、ある人は、頻回に救急車を呼び、
ある人は、長時間居座って迷惑をかける行動をやめない。

当事者研究では、安心できる仲間の中で、
あくまで自罰的にならずに、(←ここ重要)
自分で振り返って眺める場になっている。

そこで、

自分の居場所がないという孤独感、
人と繋がりたい欲求、

という、深い深い根源的な渇望に、
自らの気づきに行き着くことがあるというから、
当事者研究の力は、すごい。

それは普通の人がたどり着けない、無意識さんの領域とも言える。
無意識と意識の行き来に、ぎこちなさが起きやすくなてしまう時だからこそ、かえって、客観的に自分を見つけられるのかも知れない。


人に関わるためならば、自分の症状をわざわざ悪化させたり、
深刻な状況になることも、いとわない。

それくらい、悩みがすきな、私たち。

べてるの家のPSW、向谷地さんは、
この切実な繋がりへの希求を、
さみしさや人恋しさからくる依存、ではなく、
人間として生きるために、なくてはならない実感、
として、肯定的な眼差しで語られています。

診察室でも、症状さん、
繋げてくれて、ありがとう、
と言いたくなる場面に、度々遭遇します。



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どうして人は、そんなにナンがすきなのか。

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チーズナンも好きなのか。




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