永遠の1つの感情の話
今日の空を見るに、雨が降るかもしれない。どんよりとした雲が空を暗くしている。
アスカは傘を置いて買い物に出てしまったので、雨に打たれないかと不安になった。
こんな日は嫌いだ。アスカは思った。雨が降るか降らないか焦れったい。こんな不安は真っ黒な感情を呼び出してしまうから。
「あーもう、やだな…。」
経済面での不安、仕事の不安、容姿の不安。今考えるべきことではないことでさえも、この空が連れてきてしまった。
『心配事の9割は起きない。』
そんなこと言うけれど、だからこそ、残りの1割が起きることがアスカには怖かった。
結局雨が降ってきてしまった。ポツポツとした雨だが、これから強くなりそうだ。
アスカはため息をつきながら、エコバッグの中身が濡れないようにしながら、走り出した。
「降りだしちゃえば、覚悟はできるのよ。」
アスカは自分にしか聞こえない声で、ボソリと呟いた。
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?