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【映画感想】エスター ファースト・キル

ホラー映画すきな私にとって待ちに待った第二弾がやっと上映されました!今回はウィリアム・ブレント・ベル監督作『エスター ファースト・キル』の映画感想です。
※前作『エスター』のネタバレを含んだ映画感想です。ご注意くださいませ🎀


あらすじ

裕福な一家であるオルブライト家には行方不明となった6歳の娘、エスターがいました。失踪事件が起きてから既に4年が経過しており、一家は悲しみに暮れる一方・・・そんなある日、ついに警察から「エスターが見つかった」と朗報が届きます。驚くほどに成長したエスターの姿に一家は喜んで迎え入れます。「これでまた幸せな生活を送ることができる」誰もがそう思っていましたが、戻ってきたエスターは何かが変わってしまっていて―――。

CG若返りなしで演技に挑むイザベル・ファーマン

前作『エスター』が製作されたのは今から14年前の2009年。
当時のイザベル・ファーマンは12歳の女の子で、その可愛らしい見た目からは想像がつかないようなサイコパスな演技を成し遂げ大反響でした。
『エスター ファースト・キル』もエスター役はイザベル・ファーマンの続投ですが、今作は後日譚ではなく前日譚。つまり前作よりも若いエスターを演じる必要があります。CG若返りなしで挑む撮影に、25歳になった彼女自身もかなり不安だったそうです。

エスター視点で描かれたホラー映画

『13日の金曜日』や『ハロウィン』など有名なホラー映画となればシリーズ化されることが多いのですが、殺人鬼視点で描かれることはほとんどありません。ホラー映画の醍醐味である「殺人鬼がいつどこに現れるか」「何を考えているのかわからない」という被害者視点の恐怖が観客に植え付けにくいからです。
しかし、本作は殺人鬼であるエスターの視点で描かれた作品となっています。鑑賞する前までは「観客に恐怖を植え付けることが目的ではなく、エスターという人物を知ってもらうために作られたファンサービス映画だからだろう」と思っていましたが・・・物語中盤の急展開でその理由がわかります。

個人的な感想

特殊メイクと撮影技術を駆使したエスターの再現度、お見事でした!流石に当時の姿そのまま・・・とまでは言えませんが、やはりエスター役はイザベル・ファーマン以外にありえないでしょう。子役だった頃の姿を思い出して懐かしい気持ちになりました。
それにしてもタイトルの『ファースト・キル』とは何だったのか・・・てっきり初めてのキルに葛藤するエスターが観れるのかと思いきや、早々にやってましたね。しかもこの軽やかなムーブは初めてじゃないでしょう(笑)
エスターの居住地となるオルブライト家の設定も面白かったですね。物語中盤の急展開には「そうくるか~~~!」と驚かされました。ギクシャクした家族関係、それに巻き込まれる人々、焦りまくるエスターの姿が新鮮で楽しかったです!
個人的に最も魅力的だった登場人物はオルブライト家のお父さんでした。常に緊迫状態でぎこちないエスターが、彼とアトリエで過ごしているときだけ普通の女の子のように優しい顔になっていて、そこがすごく可愛かったです。ブルーライトを使った絵の技法はお父さんから教わったという流れもロマンチックで素敵でした。もしお父さんが個展を開いたらどんな感じなのかすごく気になります。

『エスター』を繰り返し観てきた私にとっては今作、とても楽しく観ることができました!ただ、怖さを求める方には物足りないと感じるでしょうし、前作を超えるおもしろさかと言われたら超えられなかったと思います。
あと、お茶の間フリーズシーンがなかった(気がする)のが、個人的によかったポイントです。ホラー映画を家族で観るとき毎回この問題にぶち当たるので(笑)
エスターという人物を深堀りしたい方にはすごくオススメな映画です!

らゆらゆ

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