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【映画感想】オットーという男

「トム・ハンクスが主演の映画は基本名作」というイメージがあるのは私だけでしょうか?そんなわけで、今回はトム・ハンクス主演の最新作であり、マーク・フォースター監督作の『オットーという男』を観てきました!


あらすじ

曲がったことが大嫌いな町一番の嫌われ者、オットー。彼は近所のパトロールをしては、ゴミの出し方や駐車の仕方など、ルールを守らない人に対して説教をする毎日を送っていました。どこへ行っても厄介者扱いされ、仕事もなくなり、帰りを待つ人もいない・・・孤独を抱えたオットーは、自らの人生にピリオドを打とうと決意します。
そんなとき、向かいの家に引っ越してきた家族に邪魔をされてしまいます。「なんてタイミングの悪さだ」と思ったのも束の間、駐車の仕方がメチャクチャで早速説教する羽目に。頼りない夫のトミーに、後部座席にはふたりの幼い娘たち、奥さんのマリソルはメキシコ出身の世間知らずなお節介者で、陽気でとても人懐っこい。この家族の出現により、オットーの人生は変化していくことに――。

すきにならずにはいられない嫌われ者

挨拶をされても仏頂面で、野良猫には八つ当たりをして、お店にはクレームを入れるオットー。彼からは常に近寄りがたい雰囲気が漂っていて、正直第一印象は最悪です。
「どうして彼は嫌われ者になってしまったのか」
命を絶とうとするたびに見る彼の走馬灯や、時折見せる切なくも優しい眼差しに涙が止まりません。映画を観終わった頃には誰もが”オットーという男”を愛おしいと思うでしょう。

若きオットー役を務めたのはトム・ハンクスの息子

オットーの若き頃を演じたトールマン・ハンクスは、れっきとしたトム・ハンクスの息子です。トム・ハンクスの息子たちの中で最も父親と顔が似ていたことが抜擢された理由だそうです(瓜二つとまではいかないですが、面影は感じられます)実は彼、ちょい役として映画に出演したことはあったそうですが、俳優としてがっつりデビューしたのは本作が初めてだとか。いずれにしても、父と子それぞれが演じるオットーは見物です!

個人的な感想

本作のあらすじを初めて読んだとき「暗そうなお話だなぁ」と警戒していたのですが、個性豊かな近隣住民たちの登場と、それに振り回されてキレ散らかすオットーがコミカルに描かれていてとても面白かったです!「車はミッションしか認めない」という言葉は私自身にもグサッと刺さりました(笑)車の話が多くて楽しかったです。泣いたり笑ったりできる素敵な物語で、観終わった後はオットーのように世の為人の為に精一杯生きたいと思いました。最近はこういう王道ヒューマンドラマをあまり観なくなっていたので、劇場で観ることができて純粋に嬉しかったです!
あとはやっぱりトム・ハンクスがよかったですね!彼は日頃からファンとの写真撮影に可能な限り応じたり、新婚夫婦の結婚式に乱入したり、感謝を伝えるために贈り物をすることがだいすきな方で、実生活でも感じの良い俳優さんとして有名です。今作ではずっとしかめっ面をしていたのですが、やはり目の奥には優しさがあり、猫を撫でる仕草からも人の良さを感じられました。マリソルの手作り料理を頷きながら食べてるシーンが私のお気に入りです。オットーがこんなにも魅力的に感じるのは、トム・ハンクスの俳優としての実力と、実生活での人の良さが滲み出たものだと思います。

ひとつ不満を言うのなら、上映期間が短命だったことですね(笑)
実は本作、世界的ベストセラーとなったスウェーデンの小説を映画化した『幸せなひとりぼっち(2015)』のリメイク版で、オリジナル版の方はアカデミー賞・外国語映画賞にもノミネートされました。2015年版と本作両方を見比べて評価するのも楽しみ方のひとつだなと思ったので、近々私も見比べてみようと思います!

らゆらゆ


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