飲食店で料理写真を撮らない理由
昨日ご飯屋さんに行ったらすごくおいしかったので近所の友達に教えてあげよう、と、思い、LINEをしたところで、「あ、普通ここで料理の写真を送るんだろうな」とふと思った。
わたしが飲食店で食べ物の写真を撮らないのはすぐ食べたいからとか冷めるのが嫌だからとか写真撮ってはしゃぐやつだと思われたくないからとかいくつか理由があるが、割と「食べログ見ればもっと上手い人の写真載ってるから、要らなくね?」「私なんかが撮った写真じゃ、おいしさ、伝わらね?」が大きい。
私は写真が下手なのだ。こんな下手な写を新たに産んでインターネットに落とすくらいだったら無い方が良くない? 店のためにも客のためにも、人類のためにも。
こういう感覚がそこそこある。
インターネットに初めて触れたのは多分小学4年生の頃だと思うが、その時は画像1枚表示されるのに3,4分とか平気でかかっていた。父が、ほら、インターネットだよって感じで、買いたてのパソコンを見せてくれて、画面を二人で覗き込んでたんだけど、弟の希望でタミヤ模型のサイトを見ようとしてたんだけどレッツエンドゴーの画像がいつまで経っても表示されなくて普通に飽きてしまった。
なんだかその頃の感覚がまだ残っているのか否か知らないが、「インターネットは限りある資源だから余計なことを書いちゃいけない」「インターネットは狭いから無駄遣いしちゃいけない」みたいな意識が今なおうっすらとある。
高校の時は部活の仲間とのチャットにハマり、大学の時からブログを書き始めたけど、その時も「面白いことだけ書かなきゃ」みたいな謎の制約を感じていた。別に情報価値が高くないといけない、役立たなきゃいけない、とかじゃなくて、なぜか制約は、面白くなきゃいけない、だった。
そんなことを思っていても結局アホみたいにインターネットに書き散らす大人になってしまった、でも、やっぱり、なんというか、私は「文章に関しては、私は、ある程度、(インターネットの限りある資源を消費して)書いていい」と思ってるんだと思う。その資格があると思ってるんだと思う。つまり文章がうまい、とか、自分の文章は価値がある、と思ってるんだと思う。
一口にインターネット、と言っても、やっぱりTwitterが出て来てから私の感覚は大きく変わった。情報は積み上がるものじゃなくて流れ去るものだから、どうでも良い情報もドロップしていいものなんだな、と、意識が変わって来た。
むしろいい感じに流れ去るように、投稿時間とかドロップ場所とかを調整する必要があるんだな、という感じ。
あーなんかここまで書いてて「私が飲食店で料理写真を撮らない理由」、ちょっと違う気がしてきた。上記だと、「写真をネットにあげない理由」だもんね。「写真を撮って、ネットには上げずに個人的に楽しめばいいじゃん」って話になるもんね。
では、私が「写真を撮って、ネットには上げずに個人的に楽しむことすらしない理由」ってなんだろ‥
って考えたら、
「私は既出のものを積み重ねるのが嫌いなんだろうな。」って結論にいたった。
例えば「新中野 やるき マトンカレー」って検索すれば、バーッと、写真、出るじゃないですか。同じような写真が、さんざん。私が全く同じ構図で撮る意味、あるー?って思っちゃう。
観光地で有名な建造物や景色に立ち会って、いわゆる「絵葉書みたいな写真」をとらないのも同じ理由だろう。眼球におさめればいい。
(逆に写真を撮りたがる人は自分でシャッターを「パシャッ」ってやる行為自体に意味を見出してるんだろうな。まあ、日時とか時間帯とか立つ角度とか微妙にその人オリジナルだもんな。)
文章でも、「これ絶対同じようなこと誰かが書いてるな……」と思うと途端に書く期が失せてしまう。
これなんかは、いつもと違うスタイルだったからともかく、普段なら書かない文章の類だった(紙に下書きせずPCにバーッと書くスタイルだったから、ノリで書いちゃった)
↑ こういうことって自己啓発書にさんざん書いてありますからね。
これとはまた別に、「写真なんか送っても料理のおいしさは絶対伝わらないのに、なぜ皆写真を撮りたがるのか、見たがるのか」ということに割と疑問がある、とか、「写真を見せて『ハイこの前行った料理屋、おいしかったんだよー見てーこれ―』という行為は伝達をサボってる気がする、私は物書きだから言葉で説明しなきゃいけないのでは」とか色々思うところあるけどそのうちまた書くかもしれない。
*
★『なんで東大卒なのにフリーター? 〜チャットレディ、水商売、出会い系サクラ…渋澤怜アルバイト遍歴とこれまでの人生~』
https://note.mu/rayshibusawa/n/nb6ca37670da8?magazine_key=mf858e39e18e9
★「アラサー・ミニスカ・延命計画」進行中! 短いスカートをリメイクし、アラサーも着れる丈に!お気に入りスカートでいつまでもしぶとく生きよう!
https://note.mu/rayshibusawa/m/m7509caa2e825
★アクセス最多コンテンツはこちら!「彼氏の話」シリーズ!
https://note.mu/rayshibusawa/m/mf4fa783d154a
★「ライヴができる小説家」渋澤怜の次回ライヴは12/8@新宿!
http://blog.rayshibusawa.her.jp/?eid=373
★「渋澤怜の! メルカリで一万円でどこまで読めるか?」企画・進行中! 話題の新刊をメルカリで買い、値崩れしないうちに売る、を繰り返す!https://note.mu/rayshibusawa/m/m58d87efe5f5a
★2017年9月からバイトをやめて好きに生きる活動をしています!
https://note.mu/rayshibusawa/m/m8789734ad9cf
★渋澤怜のネットショップ開設してます~「アラサー・ミニスカ・延命計画」のスカートと、書籍販売中~ https://rayshibusawa.thebase.in
スキを押すと、短歌を1首詠みます。 サポートされると4首詠みます。