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アート&ブレイン~右脳で絵を描く講座に行ってきた③(3日目中間報告)

「右脳で絵を描く」がテーマの絵画講座「アート&ブレイン」の5日間集中講座の3日めが終わった。

(アート&ブレイン受講理由&受講前の気持ちはこちら

(アート&ブレイン講座1日目の記事はこちら


今回は第三弾、2日&3日目の様子をレポするよ!

まずは、鬼門の2日目。

鬼門というのはどういうことかというと、先生いわく、最も多く体調不良者&途中離脱者が出るのがこの日だというのだ。

そもそもこの講座は、「普段使わない脳の部位を使うので、急に脳が活性化して混乱して、頭痛を起こしたり吐く人もいる」「帰宅中に転んだり駅のホームに落ちたりする人が続出したため少なくとも1.2日めは帰宅非推奨。極力、隣接施設に宿泊とのこと」という前書きがついており、小心者の私は、初日からゲロらないかビビっていた。

初日の自己紹介タイムの段階で「あんたみたいな普段文章ばかり書いてる左脳タイプはゲロりやすい」と言われていたし、受講者の半分くらいは職業的or趣味で絵を描いている人だったので、

「ひとりだけゲロったら嫌だな~! でもゲロるくらいのパラダイムシフトが起こってほしい気もするし、起こらないと高い受講料のモトが取れない気がしてそれも嫌だ~!」という、ワガママに揺れる乙女心を抱えて臨んだ。

結論から言うと、大変結構によろしゅうございますな感じで気持ち悪くなりました。でもリヴァりはしませんでした。

「え? なんで絵を描くだけで気持ち悪くなるの?」

それはね、

どういうことかというとね、

この絵で、「顔」と「ツボ」を交互に見つめると気持ち悪くなりませんか。

この絵で、「あひる」と「うさぎ」を交互に見つめると気持ち悪くなりませんか。

交互って言ってもアレっすよ、もう、一秒で二往復レベルに激しくチラチラさせるんですよ。そうすると、気持ち悪くなってくるんですよ。

どうやら「モノをモノとして見る」が左脳、「モノをモノと思わない」、あるいは「普段とは違うモノとして見る」のが右脳的なとらえ方らしい(1日目にピカソ作のポートレートを逆さ向きで模写させられたのは、カオをカオと思わずに見つめてほしかったからだそうです)。

この右脳←→左脳のスイッチをバチバチ切り替えると、気持ち悪くなってくるんだな。

この画像、一見インベーダーみたいなアイコンが5つ並んでるように見えるけど、もう一つの見え方に気付くと非常にチカチカして気持ち悪い。

そんな「右←→左」スイッチの気持ち悪さをたっぷり味わえる、地獄の鬼課題がこちらだ。

(写真はこちらのブログから借用しています。こちらのブログも素晴らしいのでアート&ブレインの受講を検討してる方はぜひチェックしてみて下さい)

じゃーん。大学紛争風・椅子バリケード(渋澤命名)。しかし封鎖するのは「君たちの日常」、すなわち「『イス』を『イス』と思う認識作法」だ。

この課題、このバリケードを見たまま描くように指示されるのだが、その時「イスを見るな」「イスとイスが作る空間だけを見て描け」と言われるのだ。(この空間のことを「ネガティブスペース」「ネガ」と呼ぶ)

要は、切り絵の三次元バージョン。

言われた通り、ネガだけを切り抜こうとしても、あーん、どうしてもチラチラ、イスが見えてきちゃう。そして「空間(ネガ)←→イス(ポジ)」で脳がバチバチ切り替わり、目がチカチカして気持悪くなる……。

しかし途中から要領を得る。空間のシルエットを見て、「フジサン」「ゴジラ」「鶴」などの名前をつけて、形を楽しみながら切り抜いていくのだ。(これは私が発明した「比喩」作戦と呼ぶ。詳しくはプロローグ参照)

完成した課題はこちら

正直、ちょっと見るだけでも気持ち悪さがフラッシュバックする鬼課題だったけど、モノを見たらすぐモノと見て「あ、いつも見てるアレね」と早合点して手をつつつと滑らせて非誠実な線を描く過ちからは逃れられた気がします。

しかし誠実なネガティブスペースを描くのも、難しかった……。ついつい気持ち悪さにかまけて妥協してしまった。

それ以外にも「子どもの頃に描いてた絵を思い出す」課題など、面白課題がいろいろあったよ。(絵を描く時に、記憶はとても大事。なので、子どもの頃に描いていた絵を思い出しながら芋づる式に幼少期の記憶をひっぱりだすトレーニングだそうだ)

(わたしは、直立した人間書くとき足から描いて「変な子!」「いや天才肌かも!左利きだし」と大人たちにやんややんや言われて以後頭から描くことにしたことや、幼少期からすでに、みんなが描いてるのな少女マンガ的画風のドレスの女の子を描くことに違和感があったことなどを思い出したよ)

さて、3日目が終了したので、どれくらい絵がうまくなったか確認するために、「受講前に20分かけて描いた手」と「さっき20分かけて描いた絵」を比べてみよう。

Before

After

……ふふふ実はねこれね、3日前の自分とハンデつけるために、afterの絵は「利き手じゃないほうの手」で描いたんだよ。(私は左利きなので、右手)

ハンデつけても、余裕の勝利っぷり!! どう、これすごくない?!?!!!!!

しかし実は、何より大きな違いは、描いてる時の気分だった。

Berofeは「わーどうしようどうしよう20分じゃ何も描けないや」「とりあえず全体をまんべんなくそれっぽくして取り繕っておかなきゃ」と、終始アタフタしていた。そして自分の何もできなさに絶望し、「これから絵を5日間習いに行くのに私、絵を描くの好きじゃないかもしれない……5日間持つかな……」と不安になる程、全然楽しくなかった。

対してafterは、明鏡止水。ただ手を見つめて、1秒に1mmの鈍速で、静かに鉛筆を動かす。その時間の積み重ね。全部描けなくてもいいし、紙からはみ出ても気にしない。

不思議なことに、「早くやらなきゃ」と全く思わなかったafterの方が、作業量が多く見える。それは「迷い線」が無いからだ。

1mm1秒、恐るべし。

最終日に自画像を描く予定なんだけど、受講前は「半日で自画像なんて無理ゲーだろ!」なんて思ってたけど、今なら描ける気がしてきたよ!

④につづく


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