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アート&ブレイン~右脳で絵を描く講座に行ってきた②(初日終了後中間報告)

①から続く


http://artandbrain.typepad.jp/
アート&ブレインの5日間集中講座の1日めが終わった。
事前アナウンスでは「普段使わない脳の部位を使うので、急に脳が活性化して混乱して、頭痛を起こしたり吐く人もいる。帰宅中に転んだり駅のホームに落ちたりする人が続出したので少なくとも1.2日めは隣接施設に宿泊してもらうことにします」とのことだったので、大変ビビっていたのだが、今のところ別に頭痛の欠片もない。
むしろ、いい感じに絵が巧くなっている手応えが心地よい。

手本を見て、秒速1mmの速さでゆっくりゆっくり輪郭をとっていく。今日やったのはそれだけだ。
アタリもとらない、陰影もつけない、それどころか「紙面を極力見ない」。だから超ズレる。でも気にしない。


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(鏡をみて、紙面を見ず、目を描く。1秒で1mmのはやさでゆっくり鉛筆を動かす。10分。ズレ過ぎて前衛絵画である)

この講座のやり方は、美大で教えるオーセンティクなデッサンの仕方とは文字どおり一線を画す。
美大式ではまず「線を描くな」と言われるのだ。「マス(塊)を描け」「一番濃いところと薄いところを見つけてその陰影の幅で描け」…云々、とにかくいきなり濃い線で輪郭をくっくり描くなんてのはご法度なのだ。
だからこの1秒1mm式を聞いた時は「アニメっぽくならないの?」「立体感は出るの?」などという疑問が湧いたが、やってみたらそんなものはすぐに吹き飛んだ。
むしろ驚いたのは、線のあまりの情報量の多さだった。
1mm見るのに1秒かけても飽きないほど、少なくとも有機物の輪郭はあっちこっち曲がっており、線を追うだけで立ち上るリアル感は半端ない(機械、人工物は直線ばっかで難しいけど)。
紙を見ちゃいけないからはじめはアホみたいにズレて、5分後に紙面を見ると「ハ?!?!!!」ととキレたくなるほどムシャクシャしてたけど、不思議なことに段々、目の移動速度と鉛筆の移動速度がリンクしてきて、紙面を見ずともそこまでずれなくなる。

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なぜか逆さで模写させられた、ピカソ作ストラヴィンスキー。 60分。
これもはさすがに多少紙面は見たけど、9割がたお手本しか見てないし、アタリをとってもいないよ。それでもここまで上達した!
とはいえなんだかんだ多少ズレてるけど、いいんだよ、帳尻合わせなんやかしなくとも、一瞬一瞬繰り出す線に誠意があれば、支離滅裂でも伝わるんだよ!
これ、小説も一緒。音楽も一緒。あらゆる芸術にあてはまる。プロットとか構成にこだわりすぎると芸術は死にます。

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↑1秒1mm式で描いた手。5分。

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昨日の受講前に20分で描いた手より、よほど誠意に溢れてませんかね。何言ってるかわかんないすかね。でも20分で描いた方は、辻褄合わせの取り繕った礼儀正しさばかり感じてしまって、熱や圧がないんだよ。

あ〜、最近やってることって全部つながるなー。無心で線ひくのは禅ぽいマインドだし、模写は、ボディワークのワークショップでやった、相手の動きを完コピして相手と同調する練習と同じだ。

辻褄合わせの茶番を嫌う私の旅はこんなところまで来てしまったよ。

あ、明日以降、全体のプロポーションの取り方も教えてくれるはずです。
ゲロらなかったら明日以降もレポしていきたいと思います。


③へつづく

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