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大好きな彼氏に貰うプレゼントは「形に残るもの」じゃなくて「消耗品」が良いっしょ、な話(彼氏の話4)

今回は本編は最後まで無料で読めますのでお気軽にお読みください。いつもありがとうございます。渋澤怜です。



今回はカップルの鬼門「おねだり」についてです。


「鬼門」だと思います。


私はおねだりが苦手だ。

どれくらい苦手かというと、
プレ交際期間に、彼に
「れいちゃん誕生日まだ遠いね(私の誕生日は11月3日)。付き合ったら記念に何か買ってあげたいな。何欲しい?」
と聞かれた時に、
「えっ!? 何か買ってくれるの?! この人?! すごい!! しかもほぼ内定とはいえまだプレ彼氏なのに、こんな話する?!」
と驚きつつも、一通り欲しいものに頭を巡らせたんだけど、欲しいものの思いつかなさに絶望した

ってくらいだ。


欲しいものは、時間と編集者と双子なのだが(彼氏とバンドメンバーは手に入った!)、どれも金で買えないしなー。


あと、歴代彼氏が、年下、貧乏人、学生とかばっかりで、「彼氏にプレゼントをしてもらう」というシチュエーションに慣れてなさすぎて、何も思いつかない。模範解答さえよく分からない。(財布か? アクセサリか? え? いくらくらいの?)


無理やり欲しいものをヒリだしたら、


「自転車。めちゃ速いやつ」


というアンサーになったんだけど、直後


「あ~ でもその手の自転車はカゴが無いから日常使いには不便だし、高いゆえ盗まれやすいから怖くてあんまり乗らなそうなんだよな~ 結局、今この瞬間に自分で手に入れてないってことは、大して欲しくないものなんだよな~ しかも恋人に買ってもらうものとして色気なさすぎ」


と思い、セルフ却下した。

というわけで私は、「おねだり」が苦手すぎる。
おねだりって、「欲しいものを手に入れる手段」という作用より
「コミュニケーションの劇薬」という作用が強すぎて、うまく扱えない。

私は長女だったから(かは分からないけど)、また、こういう強情っぱりな性格ということもあり、おねだりという手段を、親や恋人や知人にほぼ使わずに人生を過ごしてきた。


しかし27歳で水商売をやってみて、見知らぬ男に、欲しくもない酒やメシを大量にねだりまくるという体験を経て、
「あ、おねだりって、『欲しいものを手に入れる手段』というより『コミュニケーションの手段』なんだ」
と、遅まきながら気づいた。


そして「(相手の経済状況にもよるが)100~数百円なら、ねだられた方も負担に思うより喜ぶ気持ちの方が大きい」と学び、私生活でも、コミュニケーションの一環として、ちょっとしたもの(軽食、お菓子、飲み物など)をねだることを割と頻繁にするようになった。

しかし、『欲しいものを手に入れる手段』としての活用、すなわち、値段の高いもの、形の残るものをねだるのは、本当に難しい。

例えば、服とかかばんをねだるとすると、相手の好みに合うものしか選べない。すると私の好み100%で選べないから、結局着なくなってしまう。要らない服が家に増えるのはストレスだし、「着ない服買わせてごめん」と、相手への申し訳ない気持ちも募ってしまう。


あるいは、はじめから「この店のこの服が欲しい!」と決め打ちでねだるならそんなことはなくなるのだが、ねだられる側の快楽度が低くなる。ただの財布扱いっぽくなる。そうすると、相手をただの財布扱いしてしまった私の方でも自己嫌悪に陥る。

……とか考えると、「私の欲しいもの=相手が贈りたいもの」という奇跡の一致を見ない限り、高いもの、形の残るもののおねだりって、不毛に終わってしまうのだ。私と相手どちらかが幸せにならない。

となると、おねだりは、「奇跡の一致」パターンを除外すると、

・形に残らないもの、どうでもいいものをねだる(『コミュニケーションの手段』として割り切り、『欲しいものを手に入れる手段』としては諦める)
・どうでもいい相手にねだる(『欲しいものを手に入れる手段』として割り切り、『コミュニケーションの手段』としては諦める)

の2択となる。

前者の例として一番良いのは、やっぱり「飲食」かなあ。「メシをおごる」っていうのは、同じ金額のモノをあげるよりハードルが低いし、一緒に食べる時間をある程度長く共有する=あんたとは2時間喋ってもいいと思ってるよ、というメッセージを送信するから、「ただの財布扱い」という意識を相手に持たせることも少ない。


私、「自腹じゃ嫌だけど奢られるなら喜んで行きたい高めの飲食店」って死ぬほどあるし。(というか「自腹でもいいから是が非でも行きたい高めの飲食店」ってほぼ無い。1000円以内でも美味しいものこの世にたくさんあるから。)


後者の例としては、「関係性が壊れてもいい、マジでどうでもいい相手に、本当に欲しいものを決め打ちで買わせる」ってことになるんだけど……。
これは昔、客というかファンの人に、毛皮つきの7万のコートを買ってもらったことがある。そのコートは、私がずーっと狙っていて初売りでの値下げを待っていたコートなんだけど、3割引きで5万になった時点でその人が現れたので、買わせた。自分で買ってもいいと思うほど欲しい品だったので、当然お気に入りで、3年経った今でも大事に使っている……。
あの人めっちゃ金持ちだったし、「まじどーでもいいわこいつ」と思っていただけに私の自己嫌悪もゼロだったし、最高のおねだりだったな……。ちなみに、コート買った日以来、全然会ってない。


さて。で、彼氏に対するおねだりである。


今、彼氏から「おねだりしていいよ」という、オファーが来ている。


しかし私が下手におねだり権を行使することによって、彼氏が不幸になるのは絶対に避けたい。とはいえ私が不幸になるのも絶対嫌だ。
多分「君が一番欲しいものをおねだりしてくれたら僕は一番の幸せだよ」的なことを言ってくれると思うのだが(実際にはこんな歯の浮くような言い方じゃなくもっと面白く言ってくれる)(最高)、
そもそも一番欲しいものなんて秒で買うし、そう出来ないほど高いものなら彼氏にも買えないし、もし買える値段なのに買ってないとしたらそれは大して欲しくないもの(前述の自転車みたく)だから、要らない。
あと、どんなに欲しいものだったとしても、彼氏に決め打ちで買わせたら「財布扱い」になり、私の心が汚れる。

もともと、頼まれごとが好きな彼氏だから、つい「チョコ買ってー」「コーヒー買ってー」と、ちょっとしたものをコミュニケーションの手段としておねだりしちゃうんだけど、それ以上の金額のものはダメだ、私の心が汚れる。

とはいえ、「彼女にねだられたものを買ってあげたい」という彼氏の心理も分かるので、おねだり権は絶対行使したい。

う~~ん、どうしよう~~。
案1は、「奇跡の一致」を狙う、すなわち、
一緒にショッピングに行って


私「何これ超かわいい!!!! 欲しい!!!!!」
彼「俺もこれめちゃめちゃいいと思う!!!!!! 絶対れいちゃんに身に着けてほしい!!!!!!」


という奇跡を狙うことになるんだけど、
そもそも私、
誰かとショッピング行くと超機嫌が悪くなるんだった…………(この話は長くなるので別の回ですると思う。)(とりあえずこれの中ほどには書いてある「ドンキが嫌い」「本屋が嫌い」という話に関連している)


う~~ん……


と考えていた際、ふとした時に劇的ソリューション、「案2」が舞い降りたのだった。



ある日、彼氏に下着を褒められた時に(余談だが この回で書いた通り、下着を褒める男は私的にポイントが高い)、私は
「あ! 下着買ってよ!」
と言っていた。そして言ってから、お、これは名案だ、と思った。


下着はまあそこそこ高いけど、サイズさえ合っていれば、服と違って相手の好みに(ある程度は)合わせられるし、しかも二人の性行為に貢献しまくるものだからだ。だから彼氏もおねだりされ甲斐があるはず……!

この案2を、「投資」と名付ける。利益が2人に還ってくるからだ! わーい

そして、私が先述した「シーツ買って」も「コンドーム買って」も(彼氏の話第二話参照)、この「投資」カテゴリに入ることに気付いた。

シーツもコンドームも、買うことによって、2人の関係が良くなる! 私の女体ポイントが上がる! 私のセックステンションが上がる! 私のセックスパフォーマンスが高まる! がんばれ、彼氏!!

逆にこのカテゴリ以外では、あんましお金使ってほしくないかも。


そして、私が彼氏に使うお金もできるだけこのカテゴリに入るようにしたい。
(私の場合は、なんだろう、彼と一緒に食べる料理に使う調味料とか、彼がよく来るこの部屋の快適度上げるための投資になるのだろうか……)


(余談だが、この有料noteも、私たちの関係がよくなることにとっても貢献している。彼氏にとってこのnoteは、「れいちゃん取扱説明書」なわけで、読めば読むほどコミュニケーション円滑度が高まるのだ。一番このnoteを楽しみにしているのは、実は彼氏かもしれない……みなさんもかわいそうなもんすねえ、2人のプレイに巻き込まれて★★★……!)


しっかし、シーツとコンドームとブラジャーを欲しがる彼女って、全然可愛げがないよな……


一般の彼女像的に照らし合わせれば、やっぱり服とかアクセサリとか欲しがる子の方が可愛いし多分「俺が買ってあげたアイテムを身に着けてるんだぜあの子はぐへへへへ」っていう支配力が満ちるんだと思う、普通の男の人は。


でもそういう考えって、「彼女が、元カレのプレゼントをまだ使ってるのが気に食わない」とか「捨てさせる」という発想につながると思うし、その全体が私にはピンとこない。


(私はもちろん「モノに罪は無い」「彼氏が元カノのプレゼントをまだ持ってても気にしない」タイプだ。自分も、誰がくれたものだろうが気に入ってれば使うし、誰がくれたものだろうと気に入ってなければ捨てる。プレゼントだろうと、売るか他人にあげる。モノと思い出をあんまり連結させないタイプなのだ)

というわけで、この「投資」型で欲しいものを考えたら、ガンガン出てきた。


だって、自分が欲しいものじゃなくて良いのだ、「今までは欲しくなかったけど、このたび新規に現れた『2人の時間』のパフォーマンスを高めるにあたり、ぜひ欲しいもの」をリクエストすればよいのだ。わくわくする~!

「れいちゃんの肌質褒めてくれるならボディクリーム買って! そしたらもっと肌質良くなるから!」


「れいちゃんの髪質褒めてくれるなら良いトリートメント買って! そしたらもっと髪質良くなるから!」


無限に出てくる。


服とかアクセサリとかは、君のいないところで使うこともあるけど、私の髪をなでるのが君だけで、私の肌を触るのも君だけである現状、こっちの方がよっぽど「ぐへへへへへ度」の高いプレゼントになると思うんだけど、どうかなー?


だって、これをプレゼントしてくれれば、露骨に、私の女体ポイントが、セックステンションが、セックスパフォーマンスが、上がるのですよ。


(多分、世の男性はそんなに女体が好きじゃないんだと思う。髪質や肌質やいい匂いよりもっと記号的に分かりやすいプレゼントの方が手っ取り早いんだと思う)

で、このツイートですよ。まだ彼氏が出来るなんてつゆほども思ってなかった3月のツイート。



この夢をかなえてくれたら、もう言うことなしだよね! これがその噂のハンドクリームなんだけど、

https://jn.ush.com/products/gorgeous-0


45gで8000円するから、全身に塗ったら3日でなくなっちゃうと思うけどね!! 

ふはははは「形に残るもの」より、へたな消耗品の方がよっぽど高価だったりするんだよね~(ちなみにブラジャーはヘビロテすると数か月で消耗してしまうので私の中は消耗品扱いである)


あとね! ほかにも欲しいもの、あった! 思い出した!!

エッチをした分だけ好かれる男になるヤリ方【後編】
https://note.mu/shimodamisaki/n/n17da64b4c012


私の尊敬する下田美咲さんが男性向けに性行為の教科書を書いてるんだよ!

目次にある
「気絶できる可能性がある凄い前戯プラン/コスモについて」
が、気になりすぎる……! 「コスモ」は下田さんが毎日書いてる月1200円のnoteにもたまに出てくる単語なんだけど、内実はわからないので、超超超超気になる。

というわけで、彼氏!
男性向けコンテンツを私が買うのもなんだか本意じゃないし、あとこれは「投資」の条件にあてはまりまくってるから、ぜひ、これをプレゼントしてほしい!! けっこうたかいから、誕生日待ちでもいいよ!!

とりあえず渋澤怜の【彼氏向け】欲しいものリストは、


「コンドーム<シーツ<ブラジャー≒下田美咲性行為note」


でファイナルアンサーだから、
この順で購入していってほしい! よろしく頼んだよ!!


さて、この後に編集後記的なものがあり、100円いただけると読めるようにしてあります(内容は、私のお金の使い方についてと、今一番欲しいもの)。

面白かったな、という人は投げ銭的に投じていただけるとうれしいです。

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