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ベンゾジアゼピンの減薬方法_08_マイクロピペットを使う事によって解決できた3つのこと~マイクロピペットの長所と短所~

(この記事の内容は私個人の知識・経験・得られた情報に基づく考察であり、減薬をされる方全員にとっての正解を示しているものではありません。お一人お一人にとって最善の方法を見つけるための参考としてご覧いただけましたら幸いです。)

別の記事にも書きましたが、私の体質と内服していたお薬の性質上、溶かしたお薬をシリンジで吸って量を調節することが難しく、マイクロピペットという実験器具を使って調剤を行いました。
私の場合、このマイクロピペットが無ければ、断薬する事はほぼ不可能だったと思います。

マイクロピペットを使用して調剤することのメリット・私がマイクロピペットを使用する事で解決できた事や、マイクロピペットの短所は以下のようになるかと思います。


1.マイクロピペットの長所

1.超微量の調節が可能


例えば私の使用したギルソン社製のピペットマンクラシックp1000、p5000というモデルであれば、0.01ml単位の液体量の調節が可能です。
シリンジを使用した場合、現実的には0.1ml単位の調整が限界になるかと思いますが、マイクロピペットを使用すれば、0.01ml単位で水溶液の量をほぼ正確に量り取ることができるようになります。
これによって、お薬を溶かす水溶液の量を増やさずに、より細かい内服量の調節が可能になり、より少しずつの減薬を行うことが可能になります。
私のように0.1%単位の減薬で強い離脱症状が出る体質の場合、より少ない量の調剤ができることはとても大きなメリットになります。

2.一回の吸引で正確な量の液体が採取できる


液体を量る際にシリンジを使用した場合、正確な量になるように、一度吸った液体を少し出したり、追加で吸ったりする動作が必要になります。
この方法で正確な調剤をするためには、この操作をする間、お薬が液体の中で均一に分散していることが条件になります。
一方、マイクロピペットを使用すると、あらかじめダイヤルで指定した量の液体を、一度の吸引で正確に採取することができます。このため、吸引の瞬間にだけお薬が均一に分散していればよいということになります。
別の記事でも書いたように、私の内服していたレンドルミンDは水に浮遊せず、すぐに沈殿してしまうため、シリンジの操作を行う間に溶液が不均一になってしまいました。
このようなお薬の場合には、マイクロピペットの、一回で目的の量を吸引できる点が非常に大きな利点となり、より正確な減薬を実現することができました。

3.集中力の低下や目の見えにくさがある時にも調剤がしやすい


2のダイヤルで指定した量が一回で正確に測定できるという点が、メモリをじっと見つめる必要が無く、集中力を使わなくて済むという利点にもなりました。
私は、視覚過敏や眩暈など様々な理由で物を見ることが難しい状態になることが多く、シリンジのメモリを見て正確に液体を量ることが大変でした。
また、作業などに集中すると、とても具合が悪くなることもしばしばです。
しかし、一度減薬を始めたら、離脱症状によって体調が非常に悪い中でも毎日調剤を続ける必要があります。
そんな時に、ダイヤルの数字を見て量を設定すれば、あとはプッシュボタンを押すだけで正確な調剤ができるというピペットマンの特徴がとても助かりました。

一方、マイクロピペットのデメリットは以下のようになるかと思います。

2.マイクロピペットの短所

1. 値段が高い


マイクロピペットは、メーカーやモデルにもよりますが、数千円から数万円程度(物によっては十万円程度)の価格になります。先端につけるチップも別で購入する必要があります。
本体は、シリンジのように何度も買い替える必要はありませんが、一度にかかるお金は大きくなります。

2. 使用に理解や練習が必要


慣れるとシリンジよりも簡単に調剤できるようになるのですが、マイクロピペットの使い方に関しては、少し理解や練習が必要になります。
インターネットで「マイクロピペット使い方」等と検索すると、詳しい説明や動画などが出てきますので、そういったものを参考にするのが分かりやすいかと思います。

シリンジで減薬することが難しい場合には、以上のような長所と短所を踏まえながら、マイクロピペットを使用することも一つの選択肢になるのではないかと思います。


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