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Happy!Book!Making! -65- #ppslgr

死に果てた荒野を、乾いた風が吹き撒いていく。常軌を逸した異常事態に、法条もまた動揺を隠せない様であった。

「R・V、一体何が起こっているんだ?」
「見ての通りだ。俺達は今東京国際展示場ビッグサイト上空ではなく、全く別の地域、世界に移されたんだ」
「それはまた……随分と理解を超えた事態だ」

死の世界において、ビッグサイト武者と対峙する俺達の前に、奇妙な人型の存在が舞い降りる。その姿は細くも要所要所は太く曲面装甲に覆われ、頭部はフルフェイスヘルメットをより流線形に整えたような造形。背には八対一六枚の平べったい板めいた翼を備え、全体は常にタマムシの甲の様に色合いが黄砂から銀、紫へと移り変わっている。

「ごめん皆、人が多い所苦手だから会場から離れてたのが裏目に出てしまった」
「M・K!」
「なあに、一番助かるタイミングで来てくれたんだ。何も問題はない」
「それは良かった」

突如現れた援軍に対し、ビッグサイト武者は手にした大剣を突き付け詰問する。

「面妖なこの事態は貴様が起こした、そういう事だな?」
「ええ、その通り。既にご理解いただいていると思うけど、当然幻覚とかじゃないよ。さっきの状況であなたにマボロシを見せても何の解決にもならないからね」
「よもや世界の垣根さえ飛び越えることが可能とは……これはますますもって貴様らを看過する事はできないという物だ」
「おほめに預かり恐悦至極。でも僕は今回ちょっと手を貸しに来ただけで、あなたの相手は彼らがしてくれる」

M・Kはそう言って両者の間の空間から音もなく、その奇妙な乗機を離していけばまるで審判かのごとく対峙する俺達を見守る位置へと陣取る。

「カカカ!三人がかりで儂に及ばぬ輩が、場所が変わった程度で何出来るというのだ!」
「こっちは周りに気を使わない訳にはいかないんでね!」

竜機アークデウスが先頭にたって、その銃槍剣を力強く掲げれば機体の全身に紫電の雷光が走り、装甲が一部分割線から展開すれば先ほどまでとは大きく異なるアトモスフィアを生じさせる!

続いて金獅子の戦士もまた、剣を構え前傾姿勢を取ればその身を黄金の炎がまとわりつき、オーラとなって全身を包む!

そして最後に、俺もまた機体出力を全て自機の強化に差し戻せば、イクサ・プロウラもまた蒼光をまとい、全身に走る血脈その物のエネルギーバイパスにほのかに輝く光を走らせ、素手のままに徒手空拳の構えを取る!

「先ほどまでは全力ではなかったというか?だが出力が増した程度で儂に及ぶとは思わん事だ!」
「もはや言葉は不要!ボクの正義を、今ここに示す!」
「きっちり倒してイベントの続きを再開させてもらうよ!」
「良かろう、来るがいい!」

銀、金、蒼の輝きを前にしてビッグサイト武者もまたその鏡装甲に光を満たし、白き輝きを身にまとうままに歌舞伎役者のごとく大仰に大剣を構える!

【Happy!Book!Making! -65-:終わり:その-66-へ続く

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