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イドラデモン・アニヒレイト -3- #ppslgr

『断るッ!』
「フォローバックをしてくれないのはマナー違反です、フォローバックお願いします」

高度な、真っ当な造りのAIであればこのような押し問答など生じはしないのだが、如何せんスパムボットに積まれたプログラムは最小限の行動ルーチンしか搭載されていない。今回のであれば、相互フォローを強要し拒絶されたら攻撃態勢に移るようなずさんさだ。

虚無的なフォロー強要の文言と共に、もはや偽装も投げ捨てたマネキン同然の見た目を持ったスパムボットは、周囲に威圧的テンプレート文言ARを展開しながらその丸太の様な両腕を振り下ろす。それぞれ左右に跳んで避ければ俺達の居たバー・メキシコ正面の通路は強かに打ち砕かれホワイトの破片をまき散らした!

「んー、あー、これで読者が増えると本気で思っとるのか?けしかけとる連中は」
「さーな!単に迷惑かけたいだけかもだ!」
「どっちにしてもはた迷惑なやっちゃ!」

J・Qの右袖がぶわりと風船のように広がると、見る間にそれは鋭利な牙を携えた目無しの怪物、そのアギトとなる。空虚な無貌の頭を彼へと向けた大型ボットの腹を横から喰らい裂く!Uの字型に胴を喰いちぎられて不安定になるボットの大上段から、俺が大剣一閃!真っ二つに両断すればがしゃりと床に残骸が転がり、アンドロイドとは比べるべくもない単純構造が露呈する。

「R・V、次じゃ」
「数だけは多いな、本当に」

瞬く間に大型ボットを破壊したは良い物の、バー・メキシコと対面側のカフェを隔てた広めの通路の向こうから、二体の大型ボットが迫ってきている。当然、こちらに用があろう来店客達はその異様な存在をちらちら遠くから関わらないように観察するばかりだ。

「フォローします。フォローバックしてください」

足音だけは重くにじり寄ってきた大型ボットは、要求を繰り返しながらもこちらをとらえようと前かがみに両腕を広げた!J・Qが踏み込めば、獰猛なアギトを大開きにしてトラバサミが獲物をしとめるようにボットの頭部を胸元まで食い裂く!

ダメージを負いながらも動き続けるボットに対し、右側に回り込んだ俺が大剣を突き出し腰から切断すれば、ガシャンと崩れ落ちたままにボットはもがき、動きを止めた。続いてもう一体が、来た。威圧的にフォロバを迫る大型ボットに対し、大剣を青眼に構えて待ち受ける。間合いにしてたたみ二畳ほど。

と、やはり腕を大きく広げ捕獲体勢に入った大型ボットに対し、横から質量を伴った光弾が散弾の様に叩きつけられては衝撃にボットが身じろぎ!続いて放たれた二条のレーザーがボットの首と腰に走ればあっさりと三分割、大げさな音を立ててボットが崩れ落ちていく。

「はぁい、お二人さん。余計な手助けだったかしら?」
「おっ、O・Mさんではないか!」
「いや、助かった。全く出しなからきりがない」

キラキラした視覚表現とは裏腹に、物騒な破壊力を持った光を放ったのはカフェから出てきた一人の女性だった。シルバーブロンドをボブカットにし、藍の瞳でふわふわの白ブラウスにフリルのスカート、そして胸ポケットにはちょこんとオレンジ色のネズミが収まっていた。

【イドラデモン・アニヒレイト -3-:終わり:その-4-に続く

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