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イドラデモン・アニヒレイト -18- #ppslgr

白いインクの様に、胸郭を切り裂かれた白鳥人から不可解な体液が飛び散る。赤い血ならばまだ生物として認識できただろうに、コイツはトコトン真っ当な生き物ではないらしい。この迷宮の為に作られた架空の存在なのだから当然と言えば当然なのだが。

「世界に何が起きてるか調べてみましょう」
「いい提案だな!脚色されていなければだが!」

再びぼわっと上半身の羽毛を広げたつぶやき鳥怪人の体表から、今度はワイヤーめいた触手で連結された小鳥群が聞き苦しい讒言をまき散らしながらに目の前にいる俺へと殺到する!完全に包囲される前に返す太刀で右側の触手ワイヤー群を切り裂いてスペースを作れば前へ踏み込んで包囲網から脱出!
俺が間合いから離れた事で、O・Mからの支援射撃が入る!今回放たれたのは花火めいた散弾の雨あられだ!

「そろそろ可愛い小鳥ちゃんに戻ってくれないかな!」
「次回の機能追加はリプライが出来る対象を選別できる機能です」

羽毛の奥から数々の小鳥付き触手を生やしてゴルゴーンめいてきた白鳥人の表面に、容赦のない火花が咲いて散る!一気に黒焦げていく羽毛だが、ある瞬間から体表面に油膜の様な光沢を放つ障壁を生成、熱ダメージを遮断していく!

「!?バリアっぽいなにかも張れるの?」
「なぁに、バリアは叩けば割れるもんじゃ!」

キラキラ咲き散る花火が収まったタイミングで、仕掛け時を見計らっていたJ・Qが仕掛ける!×の字に振るわれた蒼紅の軌跡の交点で、一気に水蒸気爆発!仰け反った鳥人に対し、爆発を身を伏せて掻い潜った彼の斧が腰から真っ二つに焼き切った!もんどりうって崩れ落ちる奇怪生物を前にJ・Qはバックステップからの残心!次なる展開を見越して構えを維持する!

「終わったの!?」
「いいや、そう判断するのは完全に息の根を止めてからじゃ!」
「さっすがぁ!」

この辺りの戦況判断は流石に実戦経験の差が物を言うポイントだ。
そして戦いにおいては安易に隙を見せた方が倒れる。警戒を解かない俺達を前に対して、鳥怪人はさらなる異形へと変貌していった。

切断された筋肉質な肉体を鳥部分から排除すると、今度は鳥部の下から一気に普段の生活で嫌という程見る物体が生え出てくる。あの非人道拷問環境、満員電車を模した下半身を新たに生やした呟き鳥電車は、線路のない道路に轍を刻みながらドリフト走行!こちらへ向かって弧を描きながら突っ込んで来る!

「投稿を外部へと利用させていただく場合がございます」
「正気か!」

もっと他のマネタイズを考えた方がいいとしか言いようがない宣告を放っては、迫りくる呟き鳥怪電車に対してすれ違いざまに大剣をその横っ腹に突き立て引き裂く!開腹された部分からバラバラと機械部品が跳ね散っていくが、もちろん車内には乗車客など居ない!

「どうやら、あっちの鳥部分が本体の様じゃな」
「ああ、しかしシンプルな攻撃の割りちょっち厄介だ」

車両部分はダメージを受けても決定打にならない上、鳥部分は高速で走り回る電車の正面上部に張り付いている。何よりも厄介なのはその質量だ。電車その物が真正面から衝突すれば、流石に致命傷は避けられない。

【イドラデモン・アニヒレイト -18-:終わり:その-19-に続く

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