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回線リソースは有限資源

 2020年、インターネットはパンクした。当然である。
「仕事にならねぇ……」
 在宅ワークを言い渡されたITエンジニア、升島はファッキン出勤がなくなると聞いてウキウキでその業務命令を受け入れたのだが、だが。
「そりゃ皆で引きこもったらこうなりますよねぇ!」
 普段一般的には意識されることがないが、インターネットにはデータが運べる限界値がある。お昼や夜がデータのロードが重く、遅くなるのはそれだけ多くの人がインターネットを使用し、回線を圧迫している事が原因の一つとしてあった。つまりは。
「日本人の大部分がネットつなぎっぱにして作業を初めたら、なんて前は想定してなかったからなぁ、誰も」
 回線帯域リソースは有限である。しかも、増強と管理には資本もかかる。いつ来るかわからない人類引きこもり時代に備えて、回線増設をしたりは何処の企業もやらなかった。
「うち業務端末シンクライアント何だぜー、ネット通信出来なきゃまるで仕事にならねーよ」
 シンクライアントとは、通信先にある端末とつないで作業するタイプのパソコンだ。もちろん、色々利点があってのシンクライアントだが、通信が出来なければほぼほぼただの文鎮である。
「仕事の期限延ばしてもらえっかな……いいやダメだろうな」
 悲しい現実であった。IT系統は家でも仕事出来ると上層部側は思い込んでおり、回線がパンクしたら何も出来ないという認識は無かったのであった。
「あーもう無理無理、ふて寝だふて寝」
 自分個人ではどうにもならない現実を前にして、升島は自宅のベッドに寝っ転がってしまった。
 そんな彼の所に、事態を察してしまった上司からローカル作業出来る端末が届くのは半日ほどの後である。

空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。

現在は以下の作品を連載中!

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ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

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